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野茨の環シリーズ 設定資料  作者: 髙津 央


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用語解説24.魔物 使い魔

使い魔(つかいま)

 使い魔は、魔法使いが使役する小動物などのこと。

 絵本などでは、魔女と黒猫が一緒に登場することが多い。あの黒猫が典型的な使い魔。


 小動物などを使い魔として使役するには、魔法の主従契約が必要。

 術者=主人が自力で術を掛ける場合と、魔法の道具で一時的に支配する場合がある。

 自力で掛ける術には、複数の種類がある。

 契約期間は、魔物や魔法生物が相手の場合は、(あるじ)()しくは、使い魔が死亡するまでとする場合が多い。

 道具を使用した場合は、その効力が失われるか、道具を手放すと契約が解除される。


 基本的に、術者=主人よりも、使い魔=下僕の力は弱い。

 例外的に、特別契約を結ぶことによって、術者よりも強い魔物を使役する場合もある。契約終了後、術者の魂を提供するなどの所謂(いわゆる)、悪魔の契約。

 (あるじ)となった魔法使いは、使い魔の視聴覚を利用できる。(あるじ)は、任意に感覚を切り替え、使い魔が見聞きしたことをそのまま、知覚できる。


 それなりに力のある魔法使いは、付近を漂う雑多な妖魔や小さな魔物、猫や鴉などの小動物を一時的に支配して使役できる。

 手紙の運搬などの簡単なお使いや、偵察などが主な用途。

 一時的な使役と、契約した使い魔では、下僕の支配に使用する術や必要な魔力が異なる。


 より強い魔力を持つ魔法使いなら、呪文や呪具なしで、相手の真名を呼ぶだけで支配が完了する。


 魔力が不足する場合は、補助具【力の花環(ちからのはなわ)】を用いても可。

 銀の首飾りのような()。使用する際は、宝石類全てにあらかじめ魔力を満たしておく。

 蓄積した魔力が小さい方から順にを握って唱える。石を握った手で支配対象に触れ、ひとつの宝石類につき呪文を一回唱え、最後の十二個目は最も強い魔力を蓄積した宝石類を握って唱える。



 【渡る白鳥】学派の【使い魔の契約】の呪文。


 「(ひも)()のい(つが)る彼我の(にき)(ゆい)

  言結(ことむす)び (つな)(くびき)(つら)なる()

  我が(つく)(おき)(こと)の葉(むす)ぶ魔に

  (したが)(なつ)

  地に在りて (つら)なり(つな)(くみ)(ゆい)

  (なつ)(したが)え 我が力 (いまし)(いた)

  我が(こと)(にき)(うべな)

  水の(うち) (したが)(つな)げ彼我の(ゆい)

  (なつ)(つら)なれ魔の(くびき) (したが)(なつ)

  空に舞い (むす)(つな)がれ

  火に(おど)り い(つが)(ゆい)は 何処(いずく)にも (むす)(つら)なれ

  我を(いまし)(あるじ)とし調()れよ(したが)え (たす)()せ」


 唱える回数は多いが、呪文自体はそう難しくはない。

 魔力を頑丈な「紐」に、呪具を「(くびき)」に見立てて主従の(まじ)わりを結び、言葉による約束に基づき、仲良くなって互いに力を貸し合い、(あるじ)(たす)けよ……という趣旨だ。

 術が成功すれば、使い魔となったモノは、契約で結ばれた(あるじ)の命令に絶対服従する。互いの視聴覚が接続され、主が見聞きしたことは【刮目】の術なしで使い魔に伝わり、使い魔が見聞きしたことも、(あるじ)に伝わるようになる。その感覚は、命令ひとつで一時的に遮断できる。



 使い魔には色々種類があるが、基本的に生き物。

 魔物、動物、魔法生物のいずれも、心と自分の意思を持つ。

 使い魔の意に沿わないことでも、【使い魔の契約】による強制的に実行させられる。


 使い魔の例

◆小動物=「虚ろな器」で、〈水柱(みはしら)〉が使役する〈玄太〉。

 術で普通の(カラス)を使役する。

 餌や世話が必要で基本的に外飼い。能力は普通の鴉と同じ。


◆小さな魔物=「虚ろな器」で、〈三日月〉が使役する〈梅路〉。

 幽界から呼び出し、普段は三毛猫の形に変身させる。

 正体は蝙蝠の羽を生やした赤猫の魔物。

 魔力を与えるだけでいいので世話が楽。


◆小さな魔物を道具で支配=「黒い白百合」で、被疑者が【操魔(そうま)の壺】を使用。

 使用者が力なき民なので【魔力の水晶】で魔力を補い、小さな魔物を捕えて使役した。

 この場合、【魔力の水晶】の魔力切れや壺の破損で失効するか、壺を手放すと契約が解除される。

 【操魔(そうま)の壺】は「用語解説08.道具」の項目参照。


◆魔獣=「飛翔する燕」で、カボチャ泥棒の老人が使役した【跳び縞】。

 おとなしい草食の魔獣。

 支配の術の効果時間は半日程度なので、毎日、掛け直す必要がある。


◆魔法生物=「野茨の血族」などで、巴宗教(ともえむねのり)が使役するクロ(黒江/クロエ)。

 魔力だけで維持できるが、おやつやご褒美として、ちくわを与えて猫かわいがりする。

 主の魔力が強いので、この魔法生物の真名を呼んだだけで支配できた。真名は魔法生物が自主的に名乗った。



 支配に必要な魔力の量は、以下の通り。

 魔法生物>>>(中略)>>>魔物>>>>>小さな魔物>小動物>>>>雑妖

 弱いモノ程、支配に必要な魔力の量は少なくて済む。

 魔法生物は、支配の他、そのものの維持にも魔力が必要。

 新しい項目が増えれば、随時更新。

 既にUPしたページに項目やイラストを追加することもあります。

 2019/09/15 用語解説02.魔物(https://ncode.syosetu.com/n3234db/2/)から項目を分離。

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◆関連作品一覧
 同じ世界の話。
 登場人物が被り、各話に少しずつ接点があります(世間が狭い)。
 独立した話なので、単独でも読めます。時系列は下記の通りです。
虚ろな器印暦2215年07月
汚屋敷の兄妹印暦2213年12月
野茨の血族印暦2213年03月~08月
碩学の無能力者印暦2213年04月~06月
飛翔する燕印暦2213年07月
猫のお勉強印暦2210年頃
黒い白百合印暦2202年 初夏
すべて ひとしい ひとつの花印暦2191年頃
彷徨う香炉印暦2115年頃
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