用語解説24.魔物 使い魔
◆使い魔
使い魔は、魔法使いが使役する小動物などのこと。
絵本などでは、魔女と黒猫が一緒に登場することが多い。あの黒猫が典型的な使い魔。
小動物などを使い魔として使役するには、魔法の主従契約が必要。
術者=主人が自力で術を掛ける場合と、魔法の道具で一時的に支配する場合がある。
自力で掛ける術には、複数の種類がある。
契約期間は、魔物や魔法生物が相手の場合は、主、若しくは、使い魔が死亡するまでとする場合が多い。
道具を使用した場合は、その効力が失われるか、道具を手放すと契約が解除される。
基本的に、術者=主人よりも、使い魔=下僕の力は弱い。
例外的に、特別契約を結ぶことによって、術者よりも強い魔物を使役する場合もある。契約終了後、術者の魂を提供するなどの所謂、悪魔の契約。
主となった魔法使いは、使い魔の視聴覚を利用できる。主は、任意に感覚を切り替え、使い魔が見聞きしたことをそのまま、知覚できる。
それなりに力のある魔法使いは、付近を漂う雑多な妖魔や小さな魔物、猫や鴉などの小動物を一時的に支配して使役できる。
手紙の運搬などの簡単なお使いや、偵察などが主な用途。
一時的な使役と、契約した使い魔では、下僕の支配に使用する術や必要な魔力が異なる。
より強い魔力を持つ魔法使いなら、呪文や呪具なしで、相手の真名を呼ぶだけで支配が完了する。
魔力が不足する場合は、補助具【力の花環】を用いても可。
銀の首飾りのような環。使用する際は、宝石類全てにあらかじめ魔力を満たしておく。
蓄積した魔力が小さい方から順にを握って唱える。石を握った手で支配対象に触れ、ひとつの宝石類につき呪文を一回唱え、最後の十二個目は最も強い魔力を蓄積した宝石類を握って唱える。
【渡る白鳥】学派の【使い魔の契約】の呪文。
「紐の緒のい繋る彼我の和び結
言結び 絆ぐ軛に接なる汝
我が為る掟つ言の葉絡ぶ魔に
服い従け
地に在りて 接なり続ぐ組の結
従き順え 我が力 汝に属る
我が言に和び諾え
水の中 隷い属げ彼我の結
従き属なれ魔の軛 隷い従け
空に舞い 連び絡がれ
火に躍り い繋る結は 何処にも 連び接なれ
我を汝の主とし調れよ伏え 翼け成せ」
唱える回数は多いが、呪文自体はそう難しくはない。
魔力を頑丈な「紐」に、呪具を「軛」に見立てて主従の連わりを結び、言葉による約束に基づき、仲良くなって互いに力を貸し合い、主を翼けよ……という趣旨だ。
術が成功すれば、使い魔となったモノは、契約で結ばれた主の命令に絶対服従する。互いの視聴覚が接続され、主が見聞きしたことは【刮目】の術なしで使い魔に伝わり、使い魔が見聞きしたことも、主に伝わるようになる。その感覚は、命令ひとつで一時的に遮断できる。
使い魔には色々種類があるが、基本的に生き物。
魔物、動物、魔法生物のいずれも、心と自分の意思を持つ。
使い魔の意に沿わないことでも、【使い魔の契約】による強制的に実行させられる。
使い魔の例
◆小動物=「虚ろな器」で、〈水柱〉が使役する〈玄太〉。
術で普通の鴉を使役する。
餌や世話が必要で基本的に外飼い。能力は普通の鴉と同じ。
◆小さな魔物=「虚ろな器」で、〈三日月〉が使役する〈梅路〉。
幽界から呼び出し、普段は三毛猫の形に変身させる。
正体は蝙蝠の羽を生やした赤猫の魔物。
魔力を与えるだけでいいので世話が楽。
◆小さな魔物を道具で支配=「黒い白百合」で、被疑者が【操魔の壺】を使用。
使用者が力なき民なので【魔力の水晶】で魔力を補い、小さな魔物を捕えて使役した。
この場合、【魔力の水晶】の魔力切れや壺の破損で失効するか、壺を手放すと契約が解除される。
【操魔の壺】は「用語解説08.道具」の項目参照。
◆魔獣=「飛翔する燕」で、カボチャ泥棒の老人が使役した【跳び縞】。
おとなしい草食の魔獣。
支配の術の効果時間は半日程度なので、毎日、掛け直す必要がある。
◆魔法生物=「野茨の血族」などで、巴宗教が使役するクロ(黒江/クロエ)。
魔力だけで維持できるが、おやつやご褒美として、ちくわを与えて猫かわいがりする。
主の魔力が強いので、この魔法生物の真名を呼んだだけで支配できた。真名は魔法生物が自主的に名乗った。
支配に必要な魔力の量は、以下の通り。
魔法生物>>>(中略)>>>魔物>>>>>小さな魔物>小動物>>>>雑妖
弱いモノ程、支配に必要な魔力の量は少なくて済む。
魔法生物は、支配の他、そのものの維持にも魔力が必要。
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2019/09/15 用語解説02.魔物(https://ncode.syosetu.com/n3234db/2/)から項目を分離。




