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用語解説16.国々 チヌカルクル・ノチウ大陸☆

 シリーズ本編に登場した国々の設定。

鯨大洋(げいたいよう)…ふたつの大陸の間に横たわる大海原。

 チヌカルクル・ノチウ大陸東端の日之本列島とアルトン・ガザ大陸を東側で隔てる。


鵬大洋(ほうたいよう)…ふたつの大陸の間に横たわる大海原。

 チヌカルクル・ノチウ大陸とアルトン・ガザ大陸を西側で隔てる。


★チヌカルクル・ノチウ大陸

 鯨大洋(げいたいよう)の西、鵬大洋(ほうたいよう)の東に広がる大陸。東西に長い。


 主に魔法を使用して生活している魔法文明国と、魔法と科学の両方を使う【両輪の国】が混在している。


 大陸西部のラキュス湖北地方には、【三界の魔物】が封印されている。

 ラキュス湖は、世界最大の塩湖。


◇湖の民

 ラキュス湖周辺に住む髪が緑色の人種。

 陸の民より多くの銅を必要とし、髪が緑色なのはそのせい。

 陸の民と湖の民の間に子供は生まれない(「用語解説01.基本」参照)


 <チヌカルクル・ノチウ大陸東部の国>

◆ゲオドルム共和国

 両輪の国。芥子菜族(からしなぞく)が多数派の国。言語は東方語。

 チヌカルクル・ノチウ大陸南東部、クラード海に面する。


芥子菜族(からしなぞく)

 チヌカルクル・ノチウ大陸東部の民族のひとつ。

 髪と瞳は焦げ茶。魔力を持つ「力ある民」と持たない「力なき民」が混在。


◆アルンディナ王国

 魔法文明国。現在のゲオドルム共和国付近にあった。

 双魚(※)の先祖の時代には存在したが、数百年前に亡びた。


 (※)双魚(ドゥヴェ・ルィバ)、〈双魚(そうぎょ)〉先生……「虚ろな器」「彷徨う香炉」「雪とキノコ」などに登場。


◆日之本帝国

 チヌカルクル・ノチウ大陸の東に位置し、大小の島からなる列島。言語は日之本語。

 科学文明国。時折、霊視力を持つ見鬼は生まれるが、国民のほぼすべてが力なき民。

 独自の宗教を持つが、政教分離の制度があり、国教は定めない。


 数百年来、大陸と没交渉を続けていたが、止むを得ぬ事情により、門戸を開いた。

 国を閉ざしている間、大陸の国々では、科学文明が目覚ましい発展を遂げていた。


 大陸との行き来が再開されるや、魔術の研究も正式に始まった。

 諸外国に追い付き追い越せで、政府は、隣のチヌカルクル・ノチウ大陸や、遠く鯨大洋を隔てたアルトン・ガザ大陸の国々から、科学と魔道の分野それぞれの講師を招聘し、国内各地にその研究と教育を担う大学を設置した。


 「彷徨(さまよ)う香炉」「黒い白百合」「猫のお勉強」「野茨の血族」「碩学(せきがく)の無能力者」「飛翔する燕」「汚屋敷(おやしき)兄妹(きょうだい)」「虚ろな器」の舞台。


 <チヌカルクル・ノチウ大陸中央部の国>

◆アルポフィルム連邦

 チヌカルクル・ノチウ大陸中央の内陸部に位置する大国。外海は北氷洋にのみ面している。

 ハルペ族とフィラム族の国家の共同体。

 言語はハルペ語。文字の形は、鎌に似た曲線が多い。

 基本的に科学文明国だが、魔術を排除せず、ほんの少し魔法文明を取り入れている。

 時折、霊視力を持つ見鬼は生まれるが、国民のほぼすべてが力なき民。

 いかなる信仰も公式には認めず、宗教弾圧を行っている。

 国連常任理事国。五カ国の常任理事国中、唯一の非キルクルス教国家。


 <チヌカルクル・ノチウ大陸西部の国>

 挿絵(By みてみん)

 ▲ラキュス湖地方の地図


 【湖北地方】

 ラキュス湖北岸に位置する。魔法文明国のみ。

 基本的に鎖国政策を採り、湖北七王国同士以外の国々とは交流がない。

 印暦紀元前に栄えたプラティフィラ帝国時代には、遠方の国とも交流があった。

 プラティフィラ帝国は、三界の魔物に滅ぼされたが、現在は同じ場所にその流れを汲む七つの魔法王国がある。封印の地であるムルティフローラ王国や、霊性の翼団の本部があるルブラ王国など。


◆ムルティフローラ王国

 二千年以上の歴史を有する生粋の魔法文明国。言語は湖北語。

 旧プラティフィラ帝国の流れを汲む湖北七王国の一国。

 色々あって、日之本帝国にのみ外交官を置き、交流が続いている。

 【三界の魔物】を封じた地に建国された。封印を維持する為だけに存続する。

 詳細は「用語解説03.野茨」「用語解説04.封印」を参照。


 「野茨の血族」の後半と「飛翔する燕」の舞台。


 挿絵(By みてみん)

 ▲ムルティフローラ王国の地図


◆ルブラ王国

 生粋の魔法文明国。言語は湖北語。

 旧プラティフィラ帝国の流れを汲む湖北七王国の一国。

 霊性の翼団の本部は、ラキュス湖北岸付近に浮かぶミクランテラ島(ルブラ王国領)にある。

 ミクランテラ島でのみ、例外的に外国人の訪問を受け入れている。


 【湖南地方】

 ラキュス湖南岸に位置する。

 科学文明と魔法文明を折衷する「両輪の国」と、純粋な魔法文明国が混在。

 湖南地方の魔法文明国は、いずれも国連に加盟し、諸外国と交流を持っている。

 多くは長く続く民族紛争で疲弊し、国力が衰退している。


 「碩学の無能力者」に登場したゴーレムのデーレヴォは、この地方のどこかの国で製造された。

 「虚ろな器」と「彷徨う香炉」に登場した〈双魚〉は、この地方の出身。

 「すべて ひとしい ひとつの花」はこの地方の民族紛争の物語。


 詳細は「用語解説12.地方 ラキュス湖」「用語解説13.地方 ラキュス湖南 印暦2191年」「用語解説14.地方 ラキュス湖南 地理」を参照。

 挿絵(By みてみん)


 挿絵(By みてみん)

 ▲ラキュス湖南地方 印暦2161年以降の地図


 ネモラリス共和国は、魔法文明寄りの両輪の国。上図の緑の領域。

 南隣りのラクリマリス王国は、ほぼ魔法文明国。上図の紫の領域。

 ラキュス湖南岸とランテルナ島のアーテル共和国は、科学文明国。


 人口の多い都市は元々、主に沿岸部に作られていた。

 半世紀の内乱から復興できていない地域も多く、都市の規模が縮小。

 クブルム山脈沿いの内陸部は、魔物が多い為、以前からほぼ無人の荒野。


◆ラキュス・ラクリマリス王国

 長らく王政が続いていた両輪の国。印暦2022年共和制に移行。

 力ある陸の民のラクリマリス家と、湖の民のラキュス・ネーニア家が、共同統治を行っていた。

 詳しくは「用語解説12.地方 ラキュス湖」「用語解説13.地方 ラキュス湖南 印暦2191年」「用語解説14.地方 ラキュス湖南 地理」を参照。


◆ラキュス・ラクリマリス共和国

 100年近く平和が続き、王家も家系として存続したが、民族主義が台頭。

 半世紀の内乱を経て、ラクリマリス王国・アーテル共和国・ネモラリス共和国の三カ国に分裂。

 詳細は「用語解説12.地方 ラキュス湖」「用語解説13.地方 ラキュス湖南 印暦2191年」「用語解説14.地方 ラキュス湖南 地理」を参照。


 挿絵(By みてみん)

 ▲ラキュス湖南地方 印暦2191年の地図 詳細

 「すべて ひとしい ひとつの花」の関係国は白抜きで表示。


◆ラクリマリス王国

 ラキュス・ラクリマリス共和国から分離・独立後、王政復古した。

 ほぼ魔法文明の両輪の国。言語は湖南語。

 ネーニア島の南半分とフナリス群島。フラクシヌス教徒。

 魔法使いの陸の民6割、魔力のない陸の民1割、湖の民3割。

 ラクリマリス王党。共和制から立憲君主制に移行。湖の民との共同統治も諦めた。

 銅山を独占し、工業と貿易で立国。経済力が大きい。


◆アーテル共和国

 アーテル地方とランテルナ島。言語は湖南語。

 アーテル独立党の一党独裁。ほぼ科学文明国。

 ラキュス・ラクリマリス共和国から分離・独立後、キルクルス教を国教と定めた。

 民族浄化によって、ほぼ全ての国民が、一神教キルクルス教の信者。

 陸の民が9割、ランテルナ島に湖の民と僅かな力ある民が住む。


◆ネモラリス共和国

 ネーニア島の北半分とネモラリス島。言語は湖南語。

 ラキュス・ラクリマリス共和国から分離・独立後も共和制を維持。


 湖の民7割、陸の民3割。この地方の陸の民は、8割が魔力を持たない力なき民。2割は魔法使いで多神教。

 住人の七割がフラクシヌス教徒の湖の民。


 力なき民の約半数を占めるキルクルス教徒は、摩擦を避ける為、リストヴァー自治区に移住させられた。

 フラクシヌス教徒が勝利を収め、キルクルス教徒は肩身が狭いながらも、残留を容認されている。

 フラクシヌス教に改宗したフリをして、信仰を維持する隠れキルクルス教徒は、自治区外に住んでいる。


 国境の南東部に陸の民のキルクルス教徒のリストヴァー自治区がある。

 貿易と漁業と農業。魔法文明が主の両輪の国。


◇リストヴァー自治区

 自治区民は、力なき陸の民のキルクルス教徒。

 ネモラリス共和国とラクリマリス王国との国境の南東部、山の麓に位置し、ゼルノー市と隣接する。

 人や物の行き来は厳しく制限されているが、ネモラリス国内の工場が密集しているので、経済的な重要度は高い。

 地図など詳細は「22地方 リストヴァー自治区」参照。


◆アミトスチグマ王国

 多神教フラクシヌス教国。言語は湖南語と湖東語。

 かつては生粋の魔法文明の王国だったが、印暦2191年現在は魔法使いの割合の高い両輪の国。


 「雪とキノコ」の舞台。

 「すべて ひとしい ひとつの花」でも重要な国。


 挿絵(By みてみん)

 ▲ラキュス湖南地方 印暦1700年代初頭の地図


◆ラニスタ共和国

 アーテル共和国の東隣の国。言語は湖南語。

 陸の民8割、湖の民2割、一神教キルクルス教が国教の科学文明国。

 少数ながら、魔法使いも存在するが、テロの標的になりがち。


 先の内戦で、アーテル地方のキルクルス教徒に武器を供与し、独立を支援していた。

 自国は特段の被害を受けることなく、武器の売買で多額の利益を得た上、目論見通り、隣にキルクルス教国を樹立した。


 キルクルス教原理主義組織「星の標」の本部がある。

 北部の湖岸に主要都市ジンクムがある。


◆スクートゥム王国

 アーテル共和国の西隣の国。言語は湖南語。

 陸の民と湖の民は約半数ずつ。フラクシヌス教を国教とする魔法文明国。

 防人たちが建国した古い王国で、この王国が結界を維持するお蔭で、強い魔物が湖南地方に侵入できない。


 隣国だが、アーテル共和国とは国交がない。

 ネモラリス共和国やラクリマリス王国など、両輪の国や魔法文明国とは国交がある。

 陸路での東進は、強い魔物や魔獣が多い為、ストラージャ湾経由で湖上を行く方が安全。フナリス群島の聖地へ巡礼する魔道機船の定期便があり、聖地経由でフラクシヌス教徒の多い他国とは交流が盛ん。


 スヴェート河を境にラキュス湖西地方と接している。

 湖西地方は、魔物の勢力が強く、人間が住めない土地だ。かつてあった人間の国々は、ずっと昔に全て滅びている。

 その遺跡の探索に行く者や、彼らを相手にする商売人が、小さな集落を作ることもあるらしいが、それらはすぐに消えてなくなる。


 スヴェート河には結界が張られ、スクートゥム王国は二千年以上もの長きに亘って、魔物の陸地からの侵入を防ぐ。


 挿絵(By みてみん)


 【湖東地方】

 挿絵(By みてみん)

 ▲ラキュス湖東地方 印暦2191年の地図

 地図中「湖東地方」の文字の辺りは魔物や魔獣の多い山岳地帯で周辺国が領有権を主張していない。


 チヌカルクル・ノチウ大陸西部 ラキュス湖地方の東部に位置する。

 魔法文明国と両輪の国が混在。長く続く民族紛争で疲弊し、衰退した国が多い。


◆ディケア民主共和国

 約100年前に分裂し、力ある民は大半が南西の新しい国に移住し、国内に残る力ある民は少数派になった。


 キルクルス教徒とフラクシヌス教徒の間で内戦が勃発。

 印暦2190年、キルクルス教徒が勝利を収め、フラクシヌス教徒の自治区を作って力ある民を隔離した。

 周辺国は内戦などでそれどころではなく、フラクシヌス教徒はディケアの同胞を助けなかった。南西の国も内戦が続き、同胞の支援どころではない。

 印暦2191年現在、キルクルス教団本部とバルバツム連邦、世界銀行が寄付や特別融資で支援し、急速に復興が進んでいる。


 挿絵(By みてみん)

 2017/02/27 ラキュス湖南地方 印暦2191年の詳細地図を追加。

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◆関連作品一覧
 同じ世界の話。
 登場人物が被り、各話に少しずつ接点があります(世間が狭い)。
 独立した話なので、単独でも読めます。時系列は下記の通りです。
虚ろな器印暦2215年07月
汚屋敷の兄妹印暦2213年12月
野茨の血族印暦2213年03月~08月
碩学の無能力者印暦2213年04月~06月
飛翔する燕印暦2213年07月
猫のお勉強印暦2210年頃
黒い白百合印暦2202年 初夏
すべて ひとしい ひとつの花印暦2191年頃
彷徨う香炉印暦2115年頃
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