用語解説15.呪歌
魔術の系統は、「用語解説07.学派」を参照。
呪文を織り込んだ舞の例は、「用語解説04.封印」を参照。
◆呪歌
平たく言えば、「魔法の歌」。音痴には行使できない。
単に唱えるのではなく、旋律と呪文が一体となった形式の術。
【歌う鷦鷯】学派の術は、全ての呪文が歌や楽曲の形式を取る大掛かりな儀式魔術。
この学派の術は強力だが、実行には膨大な魔力が必要。
大勢の術者が同時に呪文を唱え(楽器を奏で)、魔力を賄う。
力なき民でも【魔力の水晶】を握り、間違いなく歌唱することで、補助できる。
参考:「飛翔する燕」の37.道守りの歌
三つ首山羊の王女は、強大な魔力を持っているので、一人で実行している。
【飛翔する燕】や【青き片翼】など、他の学派にも少しある。
参考:「飛翔する燕」の29.居心地悪さ
【飛翔する燕】の説明。
参考:「飛翔する燕」の50.片翼の医術
【青き片翼】の【癒し】の術。童歌のような旋律に乗せて詠唱する。
参考:「すべて ひとしい ひとつの花」の「178.やさしき降雨」
【飛翔する燕】学派の術【やさしき降雨】の説明。
録音では、魔力を乗せられないので、術は発動しない。
◆呪歌の新規作成
呪歌として完成された術だけでなく、力ある言葉で歌詞を作り、魔力を乗せて歌えば、それもある程度、魔法としての効果を持つ。
力ある言葉の組み合わせ方で、効力の指定などが変わり、理論上は幾らでも作成可能だ。
力ある言葉は、自然言語とは全く異なる。
旋律と力ある言葉の関係について、相当深い知識がなければ、新しい呪歌を創造することは難しい。
ひとつの呪文(歌詞)に効果を打消し合う言葉を使い、魔力を消耗するだけで何の効力もない場合や、ほんの僅かな言葉の違いで、禍をもたらす呪詛の歌になりかねない。
◆魔踊
平たく言えば、「魔法の踊り」。リズム音痴や体力のない者などには行使できない。
呪文の発声は必須ではなく、呪文の文字を織り込んだ舞を踊ることで行使する術。
参考:「野茨の血族」の79.奉納~85.清め
主峰ヒルトゥラ山の祭壇の広場で、野茨の血族が建国王の剣を持ち、単独で舞う特殊な儀式魔術。
政晶は、後半で呪文を唱えながら剣舞を舞っている。本来、詠唱は必要ない。
【踊る雀】学派の術は、全てが魔踊による儀式魔術。
この学派の術は強力だが、実行には魔力の他に体力と身体能力も必要。
大勢の術者が定められた位置に就き、同時に踊る群舞が多く、相当な修行を積まなければ行使できない。
また、群舞では各担当者が別の動作をすることが多く、どんなに強い魔力の持ち主でも、単独で行使できる術は限られている。
力なき民でも【魔力の水晶】を握り、間違いなく舞うことで、補助ならできる。
参考:「すべて ひとしい ひとつの花」の140.歌と舞の魔法
【踊る雀】学派の術【泉穿つ舞】の説明。