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コンビニのキツネヤマさん

「明主様!!!」

コヤマは驚き、しばらくぼぅっとしていたが、我に返ると慌てて光に対し頭を下げた。

「やれやれ。シン、もう早々にばれてしまったのかい。」

明主は光の中から姿を現した。シンとはコヤマの本当の名前だ。

「申し訳ございません。私の不注意でございました。」

「まぁ、初心者には、これくらいの事は良くあることだが、対処の仕方が悪いようだね。」

明主は、なにやらぶつぶつ唱えている。

3人の小学生は、虚ろな顔になった。

「コンビニへお戻り。」

明主が指をぱちんと鳴らすと、3人は瞬時に移動しコンビニの前に立っていた。

「お前の狐の記憶を消しておいた。まぁ、これで大丈夫だと思うがね。」

「お手を煩わせて、申し訳ありません。」

「まだまだ修行が足りないようだ。」

明主は、コヤマを優しく見つめながら言った。

「お前はまだ、人としては日が浅い。例の計画も大詰めだ。もし、また元の姿に戻って生活したいなら、それはそれで構わないのだぞ。」

「ー・・・。すぐには・・・決めかねます。」

「そうだろうな。ま、人間観察は今が楽しい頃じゃろう。」


「おい、明主。お前の後ろにいるのは誰だ。」

セバスは、先程から明主の後ろを睨んでいた。

「ほぉ、お主に見えるのか?出ておいで、若主。」

今まで見えなかった若主が姿を現した。

「第7管の若様でございますか?」

コヤマは初対面だ。20歳そこそこの爽やかな青年がそこにいた。

「あぁ、今は代がわりして間が無いのでな。第4管の明主様のところで色々手ほどきをしてもらっているのだ。」

「お前さん!!4管とは古株だな!!」

セバスが明主を見て驚いている。

「内部事情にも詳しいようだね。」

明主は面白そうに笑っている。

狐の管轄領地区を7つに分け、長が長生きしている順に番号が振られる。

一番長老の第1管の長は800年以上で、その次は600年以上、そして480年位、明主は315年になる。

第7管の爽やかな青年も、実は60年は生きている。

もちろん、それ以外にも長生きをしている狐がいる。天狐らがそうだ。

しかし小薄らは、神の使いであって狐の長ではない。

管轄領地区の長達は、人知れずひっそりとした存在なのだ。



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