コンビニのキツネヤマさん
我ながら、少々無理があるなと思う。
「彼が、狐の正体、セバスだよ。」
3人は、コヤマとセバスを交互に見た。
「耳、こんなんじゃなかったです。もっと大きくて、三角でした。」
“なんだよ、オレの耳にケチつけやがるのか?”
セバスは不機嫌だ。
「鼻も、もっとこうキューっと尖ってて。こんな鼻ぺちゃじゃない。」
“失敬だな!この鼻がかわいいって言われるんだよ!!”
セバスは小学生を睨み付ける。
「尻尾ももっと立派でふさふさしてたんだ。」
“オレの尻尾だってクルクル巻いて立派なもんだよ。”
セバスはイライラし始めた。
「それに、こんなデーンとしてなくて、スマートで、綺麗なシルエットでした。」
“オイオイ、なんだこの失礼極まりないこのガキどもは!!”
はははは。苦笑いしかできないな。
やっぱり、セバスじゃダメだったか。
「これ、雑種の犬ですよね。」
“これってなんだよ!これって!!オレの名はテツだーーー!!”
ワンワンワワワワンワンワン
セバスは、3人に向かって吠えた。
ごめんな、セバス。コヤマは心の中で謝った。
「お兄さんの名前、キツネヤマって言うんでしょ。お店の時に付けている名札に書いてありました。」
「狐山と書いて、コヤマと言うんだ。」
「やっぱり、狐と何か関係あるんじゃないですか?」
あれは絶対“狐”だったと目が訴えている。
「ふぅ、参っちゃったな。」
バレちゃったみたいだな。
さーて、どうしたものか。
途方に暮れて困っていると、ぼうっとした青い光の玉のようなものが現れた。




