コンビニのキツネヤマさん
一日の仕事が終わり、コヤマは、いつものように国道の道を歩いていた。
どうしたものかな・・・。
さっきから、小学生が3人、後を付いて来ているのが解る。
やっぱりここは、教えてもらった古典的な手で・・・。
「あーーーっ!!!」
突然大きな声を出し、コヤマは空を指差した。
ビクリとした3人は釣られて、コヤマの指したほうを見る。
3人が、なんだったんだろうと思って前を見ると
「消えた!!」
「どこに行ったんだ。」
辺りをキョロキョロ探し出す。
「変な術でも使ったんじゃないのか?」
不可思議でたまらないといった3人の表情を見ながら、コヤマは木の上から声をかけた。
「オレの事、探してるの?」
3人は一斉に声のする方へ目を向ける。
3人のうちの1人がぽつりと話しはじめた。
「僕、見たんです。月夜の晩、あなたが河原にいるとこ。」
しばらく沈黙が流れる。
男の子は、言うのをためらっているようだ。
「・・・・あなた。狐ですか?」
コヤマは、ふふっと笑った。
「あぁ、あの晩ね、確かに河原にいたよ。でも、僕は狐じゃない。」
「でも!!河原で足を滑らせたあなたが、消えた瞬間、狐が姿を現したんですよ。」
「わかったよ、狐の正体教えてあげるよ。」
そう言って、コヤマは付いておいでと手招きした。




