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コンビニのキツネヤマさん
その日の店番はひげ店長1人だけだった。
ーピンポンピンポンー
自動ドアが開き、男が2人、続いて女が1人入ってきた。
男達は、店を見渡し、商品を見てまわる。
女は、レジへ近づくと、
「ポテト2つにフランクフルト。」
愛想のない声で言う。
どちらも、保温ケースには無かった。
「少々お時間がかかりますが、よろしいでしょうか?」
女は黙ってうなずいた。
ーピンポンピンポンー
扉が開く。
が、揚げ物に忙しかったひげ店長は、どんな客が入ってきたか確認できなかった。
誰かが入ると共に、男2人が出て行く。
「いらっしゃいませー。」
いるはずの方向へ声だけかける。
ようやく出来たポテト2つ、フランクフルト1つを紙の袋に包み、レジ袋に入れて女に渡した。
女は会計し、店を出て行った。
女が出て行くと、店の中は誰もいなくなった。
「はて?変ねぇ?誰か来たはずだけど??」
ひげ店長は首をかしげた。




