狂愛
死ネタ有り
時代は明確に出ていませんが 戦国時代か幕末辺りです
貴方がその口で命を紡ぐのなら、僕は喜んで貴方に従いますよ?
僕にとって貴方は、絶対だから……
だから、ね……そんなに抱え込まないで……、僕に話して、命令して……、嫌なモノは僕が全部壊してあげるから……。
貴方を悲しませる奴は赦さない。
だから全部壊してやる。
でもどうして?
貴方の為なのに……
貴方はどうして悲しむの?
誰かが言った。
僕が狂っているって……。
確かにそうだ、と自笑した。
何時からだろうか?
貴方の為に生きたいと思った。
最初は貴方の気を引きたいと思い、悪戯をした。 今思うととても子供々々とした、幼い感情だったと思う。
でも、あの時の僕はそれでも必死で……、一瞬でも、僕を見てくれると嬉しくて……。
貴方を困らせていると罪悪感が無かった訳じゃない。
でも、まだまだ子供だった僕は、それ以外貴方の気を引く―――僕を見てもらう方法を知らなかった。
そんなある日、僕は貴方の涙をみた。
理由はわからなかったけど、僕は唯々、悲しいと思った。
生まれて初めて、みた貴方の涙。
とても綺麗で奇麗できれいで……、でも悲しくて哀しくてかなしくて……。
これまで、本気で悲しいと思ったことなど無かったのに。
哀しかった。とても、かなしかった。
そして、僕は貴方にそんな顔をさせる奴を怨んだ。
そして、貴方が独りで苦しんでいることに気づけなかった、僕を恨んだ。
僕はその後、貴方を悲しませた奴を殺した。
あの時の貴方の顔を忘れることはないだろう。
貴方は辛そうに顔を歪ませ、返り血を落としてくるように言った。
その顔は、涙を流せない大人や哀しみを堪える人の表情に似ていた。
血を洗い流した後、貴方は僕の身体を抱き締めて、僕の手を血で汚したく無かったと、涙を流さず嘆いた。
大丈夫だよ。僕は大丈夫。
この時から既に、僕には貴方だけで……貴方が居れば良かったから。
ある日、気がついた。 僕が貴方を傷つけているって。
貴方ヲ傷ツケル奴ハ 殺シテシマオウ
ごめんなさい
ゴメンナサイ
冷たい刃が僕の身体を貫いた。
朱い紅い暖かい血汐が辺りを赤黒く染める。
段々、手の感覚も無くなってきた。
どうせなら貴方の手で逝きたかったな。
でも、僕にはそんな資格は……無い。
だって僕は貴方を傷つけたのだから。
もう、意識が遠のいてきた。
さようなら、愛しい人
最後に貴方の声を聞いた気がした。
このサイトでは初めての小説です
色々 おかしかったら 笑ってやって下さい(笑)