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★年始企画★パラレルDEお正月。

とある作品とのコラボです。


「新年、明けましておめでとうございます。今年もよろしくお願い致します」


「……よろしく?」


 青鹿の間に入った途端、ルークは正座して三つ指ついた花に迎えられた。


「ハナ……その格好……」


ルークの後に続いて入って来たレナードが思わず呟く。


「はい、お正月なんで振袖です」


「正月?」


 ルークは訳がわからないといった表情で問う。

花が正座している場所、本来なら応接ソファなどが置かれている場所は何重にも絨毯が敷かれ、そこに布が掛かったテーブル?が置かれていた。


「ハナ……それは……」


「はい、翔さんが送って下さったコタツです。ミカンもありますよ」


「……あいつか」


 ルークの何かを含んだ呟きには気付かず、花は嬉しそうに続ける。


「あ、靴は脱いで下さいね。で、直接床に座ってください。あんな感じに」


と指差したのは、すっかりコタツで(くつろ)いでいるアポルオン。


「いや、待て。なぜお前がそこにすでにいて、しかもミカンとやらを食ってんだ!?」


 花が、「アポルオンさんにセッティングを手伝ってもらったんです」と答えるが、当のアポルオンはレナードの突っ込みを無視して花に訴えた。


「なあ、姫さん。これ美味いけどなんか指が黄色くなってきた気がする……」


「それは食べすぎです。あんまり食べ過ぎるとオネショしちゃいますよ?」


「バ~カ!誰がオネショなんてするか!今、俺様が何歳だと思ってんだ!?」


「おいくつになられるんですか?」


「……………おい、レナード!ちょっとメレフィスに聞いてみてくれ!」


「バカか!!?自分の歳も数えられないバカの為になんでわざわざ魔力使ってメレフィス呼び出さなきゃならないんだ、バカ!!」


「バカって何回言ってんだ!?バカ!!バカって言うほうがバカなんだよ!バカ!!」


「お前の方が言ってんだろうが!!バカ!!」


「………お前ら、いい加減出て行け」


 それまで黙っていたルークが怒りを抑えた声で告げた。

その殺気さえ漂う気配にアポルオンは押し黙り、花にすがる様な視線を向けて言った。


「俺……まだその箱の中身見てない……食いもんなんだろ?」


 そうして指差したのはコタツの上に置いてある三段重ねのお重。


「あ、じゃあもうすぐディアンも来るはずですので、せっかくなんでみんなで食べましょう。ね?」


 ルークに向けて嬉しそうに微笑む花に、ルークは頷くしかなかった。

 やがて、青鹿の間に「遅くなりました」と言いながらやって来たディアンは異様な光景に一瞬眉を寄せたが、すぐにいつもの暗黒笑顔でコタツに座るアポルオンの首根っこを掴むと後ろに放り投げ、今までアポルオンがいた場所に座った。

 花は、人?がマンガみたいに飛ぶのは初めて見たな……などと思いながらも、その後ディアンの後ろで正座して捨てられた子犬のようにシュンとしているアポルオンが段々と気の毒になってきたのだった。


「あの、アポルオンさん……私、ちょっと詰めますからこちらに座りますか?」

「ダメだ」


 花の提案にルークが間髪入れず口を挟んだ。

しかし花はシュンとしたアポルオンを見ていられず……


「私、ルークの隣に座ってはダメですか?少し狭くなりますけど……」


昔、沙耶に教わった必殺?上目遣いでお願いしてみた。まさか使う日が来るとは思わなかったが。


「……構わないが」


 ルークの了承に、花は喜んで隣へと座った。すかさずアポルオンが空いた場所に座る。

ニコニコと嬉しそうにする花に、ルークも優しく微笑んだ。


「……熱いですね」


「そうだな……このコタツとやらが熱いのかな……」


 ボソボソ呟くレナードとディアンの2人とは別に、アポルオンは待ちきれないようにお重に手をかけた。


「なあ、姫さん!開けてもいいか!?」


「はい、どうぞ」


 そうして開けられたお重の中身を覗き、みんなが興味津々の様子で呟く。


「綺麗ですね」

「見た事無いものばかりだな」

「うわ!なんだこの赤いの?食えるのか!?」


「ハナ、これは?」


 ルークの質問に花は嬉しそうに笑って答える。


「御節です。お正月の縁起物なんです。翔さんのお姉さまが作って下さったんですよ」


「……あいつに姉がいるのか?」


「はい、双子のお姉さまなんだそうですよ。お料理がすっごくお上手らしくて、すっごく自慢のお姉さまらしいです。いつかお会いしてみたいですよね?」


「……あいつの双子……それよりもハナ、いつの間にあいつとそんな話をしたんだ?」


「 ? 結構前ですけど……翔さんって本当に面白い方ですよね?今回、お忙しいようでお会いできなくて残念でした。でもルークが手紙を渡してくれたおかげで、こうして私の国のお正月を迎える事ができてすごく嬉しいです。ルーク、ありがとうございます」


「……いや」


 なぜか目を逸らすルークだったが、花は気付かずディアンへと視線を移した。


「ディアンもお忙しいのに、翔さんからの贈り物の受け取りをして下さったんですよね?アポルオンさんにお手伝いもしてもらって助かりました。ありがとうございます」


「いえ、全然かまいませんよ?むしろ面白いものを見る事ができて楽しかったです」


 ディアンの返事に不思議に思いながらも花は、さっきから変な咳をしているレナードに心配の声をかけた。


「レナード大丈夫ですか?」


「いや、大丈夫だ……それよりハナ、これがハナの国の風習なのか?」


「え?……そうですね、日本では……私の実家にはコタツはなかったんですが、憧れだったんです。それに御節はいつもどこかのホテルの物だったので、こういった手作りの物も憧れてて……」


 そう言って花は微笑んだ。


「そうか……じゃあその……実家が懐かしくなったり、帰りたくなったり……」


 言い難そうに尋ねるレナードに花は更に笑みを深くする。


「そうですね……懐かしく思う事はありますけど、故郷は遠くにありて想うものです。私は帰りたいとは思いません。ずっとここにいたいです」


 花はルークに向かってニッコリと微笑んだ。

それにルークも微笑み返す。


「やはり熱いですね、ここは……」


「そうだな……そろそろ帰るか……」


 2人はそう言うと立ち上がり御節をひたすら食べながら「うお?これすっぺー……お?こっちは甘い……この黒いのは豆か?」などと呟いているアポルオンの首根っこを、ディアンが掴んだ。


「それでは、私たちはこれで失礼致しますので、あとはお2人でしっぽりと……」


 ディアンはそう言うと、アポルオンを引き摺ってレナードと共に去って行ったのだった。


「はい……?」


 花はなんだかよくわからなかったが、それでもルークに向き直ると改めてお礼の言葉を口にした。


「こんなに楽しいお正月は初めてです。ルーク、本当にありがとうございました」


 花の心からの嬉しそうな笑顔にルークは優しくキスで返すと、そのまま頬を染める花を抱き上げた。


「ルーク!?」


「……少し、抱きづらいな」


 帯が邪魔をする為か、ルークは小さく呟きながら花を寝室へと連れて行く。

そして……


「………ハナ、これはどうやって脱がすんだ?」


「え?」


 軽く眉を寄せて聞くルークに花は赤くなり、そしてハッと何かを思いついたように口を開いた。


「ルーク!まさか……悪代官様がしたいんですか!?『あ~れ~』ってやつですか!?……ごめんなさい、あれはコントの中だけで実際は『あれ?』くらいで終わってしまうんです。残念ですが……」


 ルークには花が何を言っているのか全く理解できなかったが、残念そうにする花に「そうか、残念だな」と思わず返してしまった。

 その返事を聞いて花は、やっぱりそういうのは男のロマンってやつかな?と思いつつ、今度代わりになる事を翔さんに相談してみよう、と決意したのだった。




パラレルのようで、そうでもない・・・かも?ww

お楽しみ企画というより、ひたすら私が楽しんだ企画でした。

双子ちゃんを快く貸してくれたばかりか、のってくれてありがとう♪

皆様もお付き合い下さいまして、ありがとうございました♪

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