例えば、時間にして慰めるという行為。
ふと、悲しみが込み上げてきた。僕には無理な話だったのであろう。
「はぁ――」
溜め息をつくと何も無いことに気付いた。
「緑茶を……淹れ直してきます。」
そう自分に呟いた。何も隠す事はない。ここは上も無ければ下もない。時間だけが成立している。過去に何があったかも考える必要がない。
ただ淡々と時間だけが慰めているのだから。
朝、目覚めると僕はコーヒーを飲んだ。飲んだといっても一口程度だった。
「明日は晴れるかな?」
薄暗い声が響いた。結局は何も無いのだ。
ただ淡々と時間だけが慰めているのだから。