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幕間:リナとドレス事情

リナがテオールの為にドレスを考えていた丁度同時刻ーーーー。





「クロ、お前のご主人様は自分のドレスも作ると思う?」

「にゃー」

「うんうん、僕もリナは自分のドレス、作らないと思うんだよねぇ···」


自称僕の結婚アドバイザーのリナは、正直ポンコツだ。

もちろんそんなところが可愛いんだけど、鈍感で僕の気持ちなんてお構い無しに突っ走るところは少々困る。


今回も、結婚アドバイザーとして僕とテオールさんを近付けさせたいのなら“落ち込んだテオールさんを慰め側にいさせる”のが絶対有効だったはずなのに、リナの選んだ作戦は『偽恋人』作戦である。


見返してスッキリさせて一人立ちさせては元も子もないと思うのだが···


「だからって本気で引っ付けようとされたらショックだもんねぇ···」

ポンコツだからこそまだ穏やかにリナを見守れる部分もあるから仕方ない。


それにそこが可愛いんだから、つくづく惚れた方の負けである。



魔王と呼ばれ、嫌悪されて。

強い力が発動したのが気になって見に行ったら、どうやら召喚されたらしい女の子は聖女ではなく魔女として攻撃を受けていた。


そんな姿が昔の自分と重なり思わず拐ったが、リナは思ったより強くて。


「異世界から来たから、かもしれないけど···」

初めて他人から嫌悪されなかった。

力の制御と、それからリナといるお陰で少しずつ外の世界に知り合いは増えたが、それでも“初めて向けられたキラキラした瞳”は忘れられるはずもなくて。


必死に黒猫を守ろうと虚勢を張っていた彼女を守りたいと思ったのは偶然だったのかもしれないが、僕にとっては運命だった。



この世界に慣れるまでは必要以上に踏み込まないなんて思っているが、それでもー···


「牽制くらいは、いいよね?ね、クロっ」



ごろんと寝転がるクロの顎を撫でるとゴロゴロと喉を鳴らしてくれる。


そんなクロを愛でながら、リナに似合うドレスを考えた。


「僕の瞳の色のドレスを贈ったらさすがにリナは引くかなぁ?いや、そもそも気付かなそう~」


想像して思わず笑う。

だってリナは無邪気で真っ直ぐで、そして鈍感なのだ。




「早くリナが気付いて、認めてくれたらいいなぁ···」


リナが“僕の相手”として見繕った相手は“絶対に僕を好きにならない”という事実を、その意味を。



「リナが気付いてくれないと動けないもんなぁ」


あとどれくらい待つのがいいのか思案しつつ、まずは明日、このドレスを渡した時のリナを想像しながら、最近すっかり僕のベッドを気に入ってくれたクロと一緒に眠りに落ちた。

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