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16 超スッキリ


 遺跡がキレイさっぱり無くなったら、魔導具へのジャミングも解除された。


『システマ』を呼んで、全員でキルヴァニア王都の巡回司法官支部へ。


 ありがとうございます、ミスキさんたち。


 後で祝賀のお茶会、しましょうね。



 ……



 巡回司法官支部の会議室。


 部屋に居るのは、5人。


 今回の遺跡探索の件の巡回司法官側の統括責任者と、ルシェリさんと、レマリィ。


 それに、モルガナさんと、僕。



『ゾディ』は、外の待合室で魔導テントの警護中。


 サブタンクの魔素残量で警護は充分可能、だそうです。


 魔導テントは、拘束されたままにしてもらっている。


 なんか、まだ終わっていない感じがビンビンするからね。




 レマリィが、なにが起こったのかを説明した。


 ルシェリさんは、悲しげな表情。


 統括責任者のゴルテンザっていう偉そうなおっさんが、めっちゃ顔をしかめて、僕をにらんでいる。



「責任をどう取る、"若仙人"サイリ」


 はて、なんのことやら。


 今回の僕の振る舞いのどこに責任が生じるのでしょうか。


 確か、救助活動最優先のため、遺跡の保全に関する責任は一切問わず、でしたよね。



「憂さ晴らしで破壊しろとは言っていない」


 えーと、生存者の安全な避難を魔導具ジャミングで妨害している邪魔な施設を丸ごと排除しただけ、ですよね。


 めっちゃスッキリしましたよ。



「巡回司法官職員3名と、遺跡探索顧問1名の殺害の件は」


 はい、そこ注目。


 生存者の安全な救助活動を邪魔して、殺意を持って武力行使してくるような連中って、巡回司法官的には悪党じゃないんですか。


 ちなみにさっきから僕が言ってる生存者って、そこでぷるぷるしている巡回司法官見習いさんのことなんですけどね。


 あの場には、救助に値するまともな人間は、僕の家族以外にはそこにいるひとりしかいませんでしたし。


 ってかそもそも、先に僕の家族を人質にとって脅迫してきたのはアイツらなんですけど。



 皆さんなら、良くご存知ですよね。


 僕の家族に手を出した連中の末路。



 もちろん、今回の件で巡回司法官全体が僕の敵に回るんだったら、遠慮無く全力で受けて立ちますよ。




「今回の件の責任は、必ず取らせる」

「逃げるなよ、"若仙人"」


 はい、発言は慎重に、ですよ、ゴルテンザさん。


 っていうか、なんでそんなに敵意むき出しなのかが、僕にはさっぱりなんですけど。


 モルガナさん、分かります?



「そのおっさんが遺跡探索の成果をこっそり独り占め出来なくて悔しがってるのが、敵意むき出しの理由」

「命令したチンピラたちが全員返り討ちにあって死んでるから、悪事は絶対にバレないと思っているのが、やたらと強気な理由」

「ちなみに、この組織内でここまで腐っているのはコイツだけだよ、サイリさん」


 はい、丁寧な解説ありがとうございます、モルガナさん。



 ルシェリさんもレマリィも、今のモルガナさんの言葉、ちゃんと聞いたよね。


 ちなみに、モルガナさんの"読心"能力はミスキさん以上って言ったら、巡回司法官に勤めている人ならどういうことか分かるでしょ。



「あと、おっさんが悪あがきしようとしてるけど、サイリさん、どうする」



 ……いいよね、こういう西部劇っぽいシチュエーション。


 ゴルテンザの悪あがきと僕のスキル、どっちが早いか勝負、って感じかな。



 ……



 諦めて武装解除したゴルテンザを、ルシェリさんが拘束した。


 証拠は無いぞ、なんて強気なゴルテンザの目の前に、


 僕の『収納』に入れていた4人の死体をごろごろと。



 で、死体の"即死"付与を消去、あとに残るは"麻痺"で動けない証拠物件が4人。


 それを見て唖然としているゴルテンザの顔を見て、超スッキリ。



"キレ仙人"舐めんなよ、おっさん。



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