15 スッキリ
モルガナさんがヤカナハムを倒したのは、強力な精神攻撃とのこと。
無力化されて床に転がっているヤカナハムを『ゾディ』が麻痺させたのを確認、
すぐに"即死"を付与して、僕の『収納』に入れた。
「なんで……」
絶句しているレマリィはほっといて、
モルガナさんにとっとと脱出するよって告げる。
『ゾディ』に、ロープで縛られたままの魔導テントを持ってもらって、遺跡から脱出。
誰も、なにも、言わない。
……
遺跡の外に出たら、レマリィがようやく口を開いた。
「もしかして、みんな殺したの」
……そうだよ、ずっと言ってたじゃん。
僕の家族を害するものは、等しく敵。
敵は皆殺し、それがジェノサイド"若仙人"の流儀。
「……狂ってる」
そりゃどうも。
悪いけど、僕に関わるとこういうのが当たり前だから。
嫌なら僕に近付かないでくれるかな。
「絶対に許さないっ」
はいはい、がんばってね、見習いさん。
なんだよ、全く。
あの連中といい、キルヴァニアの巡回司法官ってろくなヤツがいないんだよな。
あー、なんかすっごいイライラする。
なんだか固有スキルで無茶苦茶したい気分。
って、不味いよね、コレ。
このままだと巡回司法官の組織丸ごとジェノサイドしちゃいそうだし、
こういう時こそ、ストレス発散、しないとね。
かと言って、思いっきりストレスをぶつけられるようなモノは……
……おっと、目の前にあるじゃん。
ヨシッ、今回の元凶をブッ潰そう。
『ゾディ』、今の魔素残量って、どのくらい?
『メインタンクの魔素残量は72%ほど、です』
じゃあ、『アーツ"辰"』の全力を、アレに向けてブッ放して。
『命令受諾、『ゾディアック』ファイナルシュート、実行します』
……うはっ、スゲェ。
遺跡が跡形も無く吹っ飛んだよ。
はい、それじゃ、スッキリしたところで、撤収!




