14 接敵
遺跡に入ってすぐ、ひとり目と接敵。
短距離『転送』での撹乱と魔導銃での攻撃から、ケッセルミスタと判定。
『ゾディ』は、相手の行動パターンを読んで、予想される『転送』出現先に『アーツ"亥"』による突撃を実行。
吹っ飛ばされて気絶したヤツに、『アーツ"巳"』の麻痺毒による無力化を実行。
ひとり目、ケッセルミスタ、撃破。
大広間的な空間にて、ふたり目と接敵。
遠距離からの連続魔法攻撃から、ネージュメシエと判定。
『ゾディ』は、『アーツ"未"』による対魔法装具に身を包み接近。
ワンパンで気絶したヤツに、『アーツ"巳"』の麻痺毒による無力化を実行。
ふたり目、ネージュメシエ、撃破。
『探索』により判明していた最奥の部屋の手前で、三人目と接敵。
大剣を構えてニヤニヤ笑っているバカっぽい面から、ソルシュガヤと判定。
『ゾディ』は、『アーツ"寅"』のクローで、ヤツの自慢の大剣を微塵切りに。
バカっぽい面で唖然としているヤツに、『アーツ"巳"』の麻痺毒による無力化を実行。
三人目、ソルシュガヤ、撃破。
最奥の部屋にて、四人目と接敵。
部屋の壁面一面に描かれた魔法陣を熱心に調査している様子から、ヤカナハムと判定。
部屋の隅っこには縛られたレマリィ、その側には縛られた魔導テント。
『ゾディ』がヤカナハムに近付くと、レマリィがなにか叫び始めた。
『ゾディ』に待ったをかけて、"高速思考"をOFF。
「ヤカナハムさんは敵じゃないっ」
縛られたままのレマリィに状況確認。
「ヤカナハムさんは、私を人質に取られて仕方なく連中の協力をさせられていたの」
それっておかしくね?
なんでレマリィの拘束を解かないで、魔法陣なんかに魅入ってるわけ?
今だって、僕らを無視して魔法陣に夢中だし。
「ヤカナハムさんは、こういう人なの」
「研究以外は目に入らないっていうか……」
……悪いけど、僕、前にも言ったよね。
家族を害するヤツらは等しく敵。
あの爺さんも連中に協力してた以上、このまま野放しには出来ないよ。
「……今回も殺すの、父さんみたいに」
拘束を解いたキミが、巡回司法官らしい行動で、あの爺さんに対処してくれるなら、
僕がどうこうする必要もないんだけどな。
ってか、見習いとはいえ巡回司法官が、そのザマはなんだよ。
もっとしっかりしないとカタキを討つどころじゃないんじゃないの。
「……早く解いてよ」
はいはい、いいよねお姫さまは、助けられてもお礼も言わなくて良いんだから。
「…………ありがと」
はい、拘束解除っと。
えーと、後は魔導テントの拘束を解かなきゃ。
このロープ、僕の『鑑定』が効かないなんて、とんでもない魔導具だ。
そして、これで縛られるとアリシエラさん製の魔導具ですら正常作動出来なくなっちゃう、と。
後でアリシエラさんと対策会議しなきゃ。
大至急、でね。
「キャッ」
って、レマリィがヤカナハムに捕まってる!
ナニコレ!?
「ワシの邪魔をするなっ」
くっ、人質追加かよ。
早く『ゾディ』の待ったを解除して、ヤカナハムを無力化しなきゃっ。
「ふぎゃっ」
って、ヤカナハムがブッ倒れた!
「さすがはサイリさん、激甘"サイリウム"の供給元」
「詰めも甘々、油断でゆるゆる」
「そんなんで、この"導き手"に勝とうなんて100年早い」
「と、"導き手"は勝ち誇ったように告げた」
モルガナさん!?




