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01 日常

『リヴァイス 58 若仙人と流れるような浮沈』の続きで、


『若仙人』サイリのお話しです。


 お楽しみいただければ幸いです。




 こんにちは、イシン サイリです。


 突然、異世界に召喚されて、まず僕が願ったのは平穏な生活を送ること。


 おかげさまでそれなりに平穏ですが、なぜか物騒なイベントに巻き込まれやすいのです。



 自業自得って言う人もいるかもしれません。


 厄介なチート固有スキルで、結構いろいろやらかしましたので。


 おかげで世間様の評判は"キレやすいジェノサイド若仙人"などという物騒な上に散々なモノなのです。



 でも、僕に言わせば、正当防衛ちっくなやらかしばかりなのですが。


 自分・家族・友人を守るためなら、容赦も躊躇も一切無しでチート能力を行使しますから。


 まあ、ある意味それが、我が家が平穏である一因ですけどね。




 こんな僕にも婚約者が。


 アルセリア王国の貴族の御息女、プリナさん。


 優しくて、真面目で、穏やかな性格で、


 普段もとっても可愛らしいのに、照れてりんごほっぺになると世界一可愛らしくなっちゃうという、


 僕にはもったいないくらいの、素敵なお嬢さんなのです。



 家事全般からみんなのスケジュール管理まで、


 日中の我が家の全てを取り仕切ってくれる、がんばりやさん。


 メイド服でてきぱき働く姿が、また一段と可愛らしいのですよ。



「……」


 ほら、あのようにりんごほっぺがめっちゃ可愛らしいのです、って……



 ……最近は以心伝心ちっくに考えが通じ合うことも多くて、


 つまり、僕がプリナさんのことをアレコレ考えるとダダ漏れになっちゃってるわけで。



 えーと、ごめんなさい。




『サイリパパとプリナママがらぶらぶだ!』


 こらっ、ナルン。


 そういうこと言っちゃダメでしょ。



『だって、モルガナさんがらぶらぶしてる人たちはめいっぱい応援してあげなさいって』


 えーと、応援じゃなくて見まもるだけの方が良いこともあるんだよ。



『わかんなーい』



 ナルンはお散歩に行っちゃいました。


 真っ直ぐな良い娘なのですが、ナイトウルフ変異種であるナルンには、まだまだらぶらぶの妙は難しいかも。


 でも、あの小細工せず真っ直ぐぶつかってくるところがナルンらしさなのです。




 あー、小細工と言えば、例の自称"導き手"モルガナさんですよ。


 いつのまにやら、すっかり我が家の家族と馴染んじゃってますけど、


 僕は認めませんからね。



 人の思考や記憶を読める能力を自分の欲を満足させるために使うのは別に構いませんが、


 僕の家族にいらんちょっかい出してくるヤツは等しく敵認定なのです。



 今は"サイリウム"目当てでおとなしくしているようですが、


 これ以上我が家を侵食するようなら、


 あの高隠蔽フード付きだぼだぼローブを無理やりにでも引っぺがして、


 あんなことやこんなことをしてやるのですよ。



『くすり』



 うわっ、いたのかよ。


 ってか、後ろに忍び寄るんじゃないっ、


 このトラブル"占い師"め。



「せいぜい頑張りたまえ」

「このモルガナ、逃げも隠れもするけれど、自分が欲しいモノは逃さぬのが"導き手"としての誇り」

「つまりは、サイリ家はロックオン済みの俎上の鯉」

「大人しく"サイリウム"補給地として、これからもますます繁栄するが良い」


 ぐぬぅ、坊主憎けりゃローブまで憎い。


 絶対に引っぺがして素顔すっぽんぽんにしてやる。



「だそうですよ、プリナさん」

「すっぽんぽんは嫌なので、"導き手"はこれにて撤収」



 ……逃げたか。


 って、ちょっとプリナさん、


 すっぽんぽんって、そういう意味じゃないんですって。



 そんな目で見ないでくださいよぅ……




「サイリ、カッコわるーい」


「全く、不甲斐ないにも程があろう」


 うっ、おふたりから追撃ですよ……



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