「すべてお釈迦様が仰っていること」?
セミナーの途中でBAが「これらのことは私が勝手に言っているんじゃないんですよ? すべてお釈迦様が仰っていることなんです」と、いわゆる金口直説(=お釈迦様の口から直接に説かれた教え)をドヤ顔でアピールし始めた。――そもそも日本に伝来した「仏教」は、原始仏教そのままではないのに。仏陀の死から六百年後に新しく成立した革新派の新興仏教、「大乗仏教」だけなのに。
「お釈迦様の死後に五十人の弟子が集まり、一人でも聞いたことのない者がいればその話は経典には採らなかった」というエピソードまでも得意気に挟み込んでみたりすることで「念佛宗」の正当性をどうにかして刷り込みたかったんだろうけれど。
だとしたら「世界に数ある仏教」の中の「大乗仏教」の中の「一宗派」(である浄土真宗)の中の一派に過ぎないことをどう処理するつもりなのかな。――「大乗仏教の経典は全て偽経だ」と主張する説だってあるくらいなのに。
ホント、「偽経」とのスタンスをどうアピールするのかが見ものだな。
話を聞く限りでは浄土真宗の流れを汲む一派を装っているようだけれど(だとしたら、どうして14宗派目を詐称したのか意味不明)、浄土真宗の根幹を担う『無量寿経』『観無量寿経』『阿弥陀経』の三経典、いわゆる浄土三部経のうち、『観無量寿経』は特に偽経説が根強いからね。
浄土真宗を真っ向から批判してあくまでも真経にこだわるのか、
偽経であると断った上で真経の副読本、補助経典とでも位置づけるのか、
黙殺して浄土真宗という権威に追随するのか。
何度も「(自分の話は)お釈迦様が仰っていること」とわざわざ断って正当性をアピールしたBAはどの選択肢をチョイスするのか。
いくらここだけの話で公には広まらないだろうと踏んだにしても、これで第一の選択肢をチョイスできたら、「盗人にも三分の理」の精神で、もしかしたらそのくらいは尊敬するかも知れないな。
私の知っているお坊さんは、
「お釈迦様はこのように仰ったと言われています」
という言い回しをされるんだけどな。




