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第5話 エメラルドヘアー再び

いつも読んで頂きありがとうございます。

現在時刻は19時10分。

今日2度目のダイブをする為、ヘッドギアとグローブを着けていた。

エレキバンの様なパッチは朝から貼りっぱなし。


「うしっ!準備完了」

ボタンを押してコネクタ開始。


着いた場所はやはりあの白い空間。

「おかえりなさい」


間髪入れず白い空間の主から声が飛んできた。

「レベルが10になりましたので、新しい機能が開放されました」

「新しい機能だって?」

「この空間とのリンク機能が使用出来る様になります」

「そもそもここの空間ってセーブ機能しかないんじゃないのか?」

「セーブ機能以外もあります。レベルが10上がる毎に使える機能が増えて行きます」

「たとえば?」

「それは今後のお楽しみと言う事で…今回のリンク機能について説明します」

――お楽しみとかって、制作者の意図かよ


「リンク機能が解放された事で、私との会話がゲーム内でも可能になります」

「はあ?」

「アンタと会話して何の得が俺にあるってんだ?」

「コミュニケーション能力を上げる事が出来ます」

「いや、そんなのは街のNPCで十分足りてるから」

「戦闘中でも会話が出来ますよ」

「そんなあっても無くてもいいような機能要らんわ」

「あと私はアンタではなく、エスタと言う名があります」

「はあ?名前まであんのかよ」

「正式名称はExternal Support Type Version01と言います」

「いや、聞いてないから…」

「今度は私が色々サポートをさせて頂きます」

「はぁ、分かった、分かった…好きにしてくれ」

「どうぞよろしくお願いいたします」

「どうでもいいから早く転送してくれないか?」

「それでは良いゲームライフを…」

やっとの事でゲームにログイン出来た。


「連射も覚えた事だし、サクッとレベル上げますか」

ログインして狩りに出ようと思っていた時[お知らせが届いています]と脳内アナウンスが流れた。


俺はその場に留まりメニューウインドウを開き確認。

1通のメールが届いていた。

メールの相手は咲耶だった。

************

ツキシロさんへ


さっきは本当にありがとうございました。

無事に魔法スキルを覚える事が出来ました。

ツキシロさんがPTで狩ってくれたお陰で、所持金が増えスキルを2つも買えました!

因みに火属性と氷属性です!

これで私もツキシロさんに迷惑掛けずにモンスターと戦えます。


今度は私がツキシロさんを楽にさせてあげますね。

咲耶より

************


「へぇー、火と氷か…取り敢えず返信しとくか」

俺は咲耶へ『おめでとう』と『がんばれ』の内容で返信しといた。


「んじゃ俺も頑張って狩りしま…」

〝ドンっ〝

またログイン者と衝突してしまった。

「‥いったぁー」

「す、すまん…」

打つかった相手を気遣おうと俺は直ぐさま振り返った。

「えっ!君は…」

「あっ、またお兄さんじゃん」

「1日で2回も…しかも同じ相手って」

「ホント信じらんないよねっ」

「で、大丈夫?」

「全然平気っ!」

「偶然にしては少しあり得ない感じもするよな」

「そうかなぁ…これだけ人居ればあり得るんじゃないかなっ?」


俺はふとエスタの話を思い出した。

「あっ、もしかして…」

「ん?」

「いや、何でもない」


――『おい、エスタ!』

『なんですか?マスター』

――『なんだよ、そのマスターって!』

『マスターは主と言う意味です』

――『それは知ってる。ま、その件はあとでいいや…少し確認したいんだが』

『はい、なんでしょう』

――『他人がログインした時に打つかる事はあるか?』

『ありませんね。プレイヤーをゲーム内に転送させる場合、1ブロックを確保してから転送しますので、他のプレイヤーと衝突する事はありません』

――『すでに2度打つかってんだけど?』

『では意図的にマスターと同じブロックに転送させていると言う事でしょう』

――『そんな事出来んのか?』

『可能ですよ。例えば…私がマスターを咲耶さんの居る場所にログインさせるとかも出来ます』


「あのぉ、お兄さん?」

「あっ悪い、悪い…」

俺がエスタと話して居た為に無言状態長引いた事で不信感を与えてしまったようだ。


「チョット聞いていいか?」

「えっ!3サイズは教えられないよっ!」

「知りたいけど、聞かねぇし!」

「あっ知りたいんだ…」

ジト目で見られた。


「そうじゃなくてだな、白い空間って言えば分かるか?」

「ログインする前に寄る部屋の事?」

「そう、そこの事。その場に居るやつが意図的に君を俺と同じ場所に転送してるみたいだぞ」

「えっ?なんで?」

「それは俺にも分からん。次ログインする時に聞いてみるんだな」

「そっかぁ…偶然じゃなかったって事だね」

「まぁそういう事だな」

「でも何で急にそんな事分かったの?お兄さん」

「レベルが10になれば、そいつと話が出来る様になるからな…それと俺はツキシロって名だ」

「へえーお兄さ…じゃなかったツキシロさんはレベル10なんだ」

「まだ10だけどな…」

「あの人混みの中で良く10まで上げられたよねっ、チートとか?」

「しねぇーよ!っつーか、チートなんてしたら白い空間の奴に即バレするだろっ!」

『はい、すぐに分かります』

――『なに話に割り込んでんだよ』


「あたしなんてまだ5だよ?」

「ま、俺の場合PTで狩った恩恵もあったからなぁ」

「イイねっそれ!あたしもそのPTに混ぜて」

「いや、今PT組んでないし」

「じゅあじゃあ、あたしとPT組もうよっ!」

「別にいいけど…君の職業は?」

「あ、あたしミカン!ミカって呼んでねっ…それと職はアサシンだよっ」

「アサシンか…俺はハンターだから前衛は、えーっと、ミカちゃんになるけど…」

「大丈夫よっ、さっきも1人だったし前衛も後衛も関係なかったからねっ!」

確かにソロに前後衛は関係ないが、PTでは話が変わってくる。


「因みにさっきはどこで狩りしてたんだ?」

「街出てすぐの所だけど?」

「すぐって、ウサギだかネズミだか分からんモンスターの所か?」

「そうだよっ!ラビットマウスってやつ!」

「Lv1をずっと狩ってたのか…」

「お兄さ…じゃなかった、ツキシロさんは違う敵?」

「あぁ、ウルフドッグとゴブリンだな」

「あたしもゴブリンとかオークとか狩りたいっ!」

「オークが居るかは分からんがゴブリンならミカちゃんでも狩れると思うぞ」

俺と咲耶が狩ってた…と言うか俺が狩ってたゴブリンもLv4~5だったからだ。


「じゃあじゃあ、そこ行こうよっ!」

「行くのはいいがスキル覚えてるのか?」

「当たり前じゃん!」

「OK!じゃあPT誘うぞ?」

「щ(゜Д゜щ)カモーン!」

――一瞬、顔文字が浮かんだじゃねぇか


[ミカンがPTに参加しました。これにより取得経験値が1.2倍になります]


「わぁお、1.2倍になるんだっ」

「PTプレイの恩恵ってやつだからな」

『3人だと1.4倍になります』

――『だから、何で話に割り込むんだ?』

『参考情報として提供しただけです』

「早くいこっ?おに‥ツキシロさん」

「チョッと待ってくれ、もう1人誘うから」

「男?女?」

「えっ?女だけど?」

「ふぅーん」

またしてもジト目で見られていたが、そこはスルーしメニューウインドウからフレンドリストを開いた。


「おっ、インしてるな」

俺はフレンドリストから咲耶の名前を選びサブメニューの中からPT招待を押した。


直ぐに反応があった。

[咲耶がPTに参加しました。これにより取得経験値が1.4倍になります]


俺は咲耶にメールで中央広場に居ることを伝え、咲耶の到着を待った。


待つこと約5分…

「ツキシロさん、お待たせしました。はぁはぁ‥」

どうやら咲耶は走って来た様で、息を切らしていた。


「へぇ、この()がお兄さんと、じゃなくてツキシロさんとPT組んでたって人かなっ?」

「あぁ、そうだぞ!咲耶ちゃんって名な…それとついでだが、ワザとだろ?お兄さんって言い掛けるの」

「えええぇ、そんな訳ないじゃん!お兄さんって良く言うからツイ癖で…」


「ツキシロさんのお知り合いの方ですか?初めまして、咲耶と言います。よろしくお願いしますね」

「えーっと、知り合い…と言うか知り合った、が正しいかなっ…あたしはミカン。ミカって呼んでねっ」


「因みに咲耶ちゃんは魔法職な!だから前衛は変わらないから頼むぞ!」


「あのーミカさんは何の職ですか?」

「あたしはアサシン!暗殺を生業としています…」

「えっ!?そうなんですか?」

「あっ、冗談だよっ、冗談…あはっ」

「あはっ、じゃねぇよ!咲耶ちゃんは素直な娘なんだからな!」

「気にしなくても大丈夫ですよ?私も冗談って分かってて言ったので…」

『咲耶さんの方が1枚上手でしたね』

――『出たな!お前実は退屈なんだろ?』

『……』

――『図星かっ!』

「さっ、メンツも揃ったし早く狩りしに行こうよっ!」

俺達はゴブリン狩りに向け街を出発した。


Lv5のミカ(アサシン)、Lv7の咲耶マジシャン、Lv10のハンターこのPTでどこまでやれるのやら…少しの不安を抱きながらゴブリンの待つ場所へ向かった。


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