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Lesson  作者: 久遠寺月牙
9/11

告白5分前

 ドクンッ···ドクンッ···と胸が波を立てる感覚が速くなる。


(言うんだ、言うんだ···)そう思うとやはり躊躇してしまう自分がいる。


「あ···」不意に渡瀬が立ち止まる視線のその先に···


「紙飛行機教室?」おそらく小さな子供向けのイベントなんだろうが···


「懐かしいな。俺も昔やったわ···。渡瀬、お前は?」と隣でパネルをジッと見つめる渡瀬に問い掛ける。


「はい。幼稚園の時にやりました。でも、なかなかうまく飛ばなくて···」


「ふぅん。俺は父さんに教えてもらった···。行くか?もう···」


「はい···」渡瀬と一緒に歩くだけでも、妙な感じがした。ドキドキするような、ワクワクするような···


 来る時は、駅で待ち合わせしたから、帰りはちゃんと送っていった。そのまま別れるなんて、なんか淋しく感じたから···


 帰り道の途中にあった公園で、少し休憩をしたが何を話していいのかわからないし、渡瀬もまた何も喋らず、


「着いちゃうな···」気が付きゃあと少しで、渡瀬の自宅に着く。


「もう少し···歩きます?」何も言わず、渡瀬の自宅を通り過ぎ、通り過ぎ、通り過ぎ···


「4回歩いちゃいましたね」


「うん···。なぁ、ひとつ聞いていいか?」電柱に背中を預けながら、渡瀬を見下ろす。


「はい?なんで···すか?」渡瀬は、何も疑わず俺を見上げる。


「えっと···」土壇場で、急に照れくさくなる。


「お前、好きな男いるか?もちろん、父親とか兄弟とかじゃないが···」


「好きな人···ですか?いま···せん」少し考え込んだ渡瀬に俺は、こう言った。


「俺が、お前を好きに···なってもいいか?」たった一行の文でも、かなり緊張してくる。


「それって···どういうことですか?」


「······。」


 そして、俺はそれがどういうことなのか?を、また渡瀬の自宅を周りながら気持ちを伝えた。


(変な感じだ···)

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