告白5分前
ドクンッ···ドクンッ···と胸が波を立てる感覚が速くなる。
(言うんだ、言うんだ···)そう思うとやはり躊躇してしまう自分がいる。
「あ···」不意に渡瀬が立ち止まる視線のその先に···
「紙飛行機教室?」おそらく小さな子供向けのイベントなんだろうが···
「懐かしいな。俺も昔やったわ···。渡瀬、お前は?」と隣でパネルをジッと見つめる渡瀬に問い掛ける。
「はい。幼稚園の時にやりました。でも、なかなかうまく飛ばなくて···」
「ふぅん。俺は父さんに教えてもらった···。行くか?もう···」
「はい···」渡瀬と一緒に歩くだけでも、妙な感じがした。ドキドキするような、ワクワクするような···
来る時は、駅で待ち合わせしたから、帰りはちゃんと送っていった。そのまま別れるなんて、なんか淋しく感じたから···
帰り道の途中にあった公園で、少し休憩をしたが何を話していいのかわからないし、渡瀬もまた何も喋らず、
「着いちゃうな···」気が付きゃあと少しで、渡瀬の自宅に着く。
「もう少し···歩きます?」何も言わず、渡瀬の自宅を通り過ぎ、通り過ぎ、通り過ぎ···
「4回歩いちゃいましたね」
「うん···。なぁ、ひとつ聞いていいか?」電柱に背中を預けながら、渡瀬を見下ろす。
「はい?なんで···すか?」渡瀬は、何も疑わず俺を見上げる。
「えっと···」土壇場で、急に照れくさくなる。
「お前、好きな男いるか?もちろん、父親とか兄弟とかじゃないが···」
「好きな人···ですか?いま···せん」少し考え込んだ渡瀬に俺は、こう言った。
「俺が、お前を好きに···なってもいいか?」たった一行の文でも、かなり緊張してくる。
「それって···どういうことですか?」
「······。」
そして、俺はそれがどういうことなのか?を、また渡瀬の自宅を周りながら気持ちを伝えた。
(変な感じだ···)




