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Lesson  作者: 久遠寺月牙
8/11

告白30分前

「飯でも食うか?」と渡瀬をフードコートに連れて行く。


「······。」


「凄い人ですね」渡瀬が、小さな声で言った。


「どこも空いてねーな」飯を食いながらとも思ったが···


「ク、クレープ···行きませんか?」ほっぺたを赤くしながら、俺のシャツを掴んでクレープ屋を指差す。


「そ···だな」甘いもの···甘いものでも食べて···


「······。」


「どうかしましたか?さっきから、無口になって」


(俺、甘いの駄目だったことを、いま!思い出した!!)


「い、いや。これ美味いな」と、我慢しながらも食いつく。


「はい。クレープ、好きなんです。私」俺の横でイチゴスペシャルをゆっくり食べる渡瀬···


(あの子もこんな風に甘いのが好きなんだろーか?)


 渡瀬の横顔を見るとふと昔好きになった女の子を思い出すも、名前が思い出せない。二日間しか、遊べなかったし···


 それをなんとか食い終わり、またモール内をブラブラする。



「あの!ちょっと、待っててくれますか?」渡瀬が、俺のシャツを引っ張って言う。


「あ?トイレ?トイレなら···」


「違います。ちょっと、買い物をしたいんです。あそこで···」渡瀬が、指さしたのは和装小物の店舗。待つのも暇だから、あとをついていった。


「すいません。瑪瑙の帯留めありますか?」とこれまた小さな声で渡瀬が言って、二回目で店員に声が届いたらしい。


 それを丁寧に包装してもらい、鞄に収める。


(誰かのプレゼントか···。あの子いまいくつ位なんだろ?)


「お待たせしました」


(気が重い···や)

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