告白1時間前
「すげぇな···」
「はい···」混雑するモール内を彼女·渡瀬さんを庇うように歩く。
(これまでにも何度かクラスの女子とこうして遊びにくる事はあったけど、妙に胸がドキドキするのはどうしてだろうか?)
ほぼ毎日のように制服姿を見ているけど、紺色に白いラインがついたワンピースは、些か···
「その服、似合ってるよ」
(それで現れた時は、制服を思い出させたが···)
「あ、ありがとう···ございます」少し俺を見上げたが、急に下を向いて、肩に掛けていた鞄のベルトを掴んだ。
「しかも、あれ?いつも眼鏡掛けてるよね?」長い黒髪を三つ編みおさげにして、黒縁の眼鏡を掛けて、彼女はよく本を読んでいた。
(気付けばいつも俺は彼女を見ていた···。けど···)
『なぁ、地味子ちゃん、からかってみたくね?』新川が、ストレッチをしながら俺や周りにいる菊池、飛鳥に笑いながら言った。
『アイツ、ほんとくれーよな』
『地味だは、声は小せえは、いるのかいないのかわかんねーって、彩菜が愚痴ってる』
『なんか、夢見る夢子ちゃんって俺のが言ってる!』
アハハハッ···
『からかうって···苛めだろ?それ』
『重いっ···ちげーよ。ゲームだよ、ゲーム』新川の背中を押しながら、手を止める。
『く、苦しい···』
『なにすんだ?』菊池が、顔を乗り出してくる。
『それはだな···』
で、結局誰がやるか?ジャンケンで決める事になり当たったのが、俺でなんとか渡瀬を誘う事が出来た。
「あの···いつまで?手···」
「手?あ」俺の手は、いつの間にか渡瀬の手を掴んでいた···




