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Lesson  作者: 久遠寺月牙
3/11

新学期は、恋の始まり?

 新しい学校にもやっと慣れてきた5月中旬。


「えーっ、ミナ告白されたの?!」


「うん···」自分の席に着き、ひとりのんびりと読書に没頭する私の耳に最近「誰それの恋バナ」が届く。


(まぁ、私には関係ないから。好きな人っていないし···)


 なんとなくケイくんの笑顔が浮かぶが、いまどこでどうしてるのかは、わからない。田舎と言えど、住民がかなりいる地域なのだから···



「···ったく、おせーって」


「わりーわりー」私の机の横を喋りながら通る田中くんと石川くん。


 ガタンッ···と石川くんが持っていた鞄が机にあたった。


「···って。あ、わりーな」軽く頭を下げながらもズレた机を直し、二人で教室を出ていった。


 彼らが戻ってきたのは、5時限目の予告チャイムがなってからだった。


(最近、新川くんと仲がよくなったんだ)


 新川くんと石川くんは、小学生からの友達とかで家も近所で同じサッカー部に所属している。


 野球部や水泳部もこの高校にはあるけど、ことサッカー部は、人気が高い。つまり、モテる!


 どれ位モテるかと言うと···


「「石川せんぱーーーいっ!!」」


「······。」


「あっ!いま手、振ってくれた!」


「······。」


 グランドでサッカー部の練習を眺めながら、帰ろうとすると後輩の女の子から黄色い叫び声が聞こえてくる。


 そんな声を聞きながら、私はサッカー部が練習している横の通路を歩く。


「───っ!」


「危な···」


「え?」不意に自分に向けて呼ばれた気がして、振り向いた瞬間···


 ボンッ···カシャッ···


 サッカーボールが、左耳スレスレのとこにあたり、眼鏡を落とした。


「いっや、わりーわりー。避けると思ったから···」汗ばんだ顔で、私の髪をグシャグシャにした石川くん。


 そばにいた女の子からボールを受け取ると、慌ててグランドへと戻っていった。


「···眼鏡···」彼に踏まれて、眼鏡の原型を失った私の眼鏡···


「最悪······」私にとって彼は、苦手な部類に入っていった···

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