揺れる女心
「······。」机に向かいながらも、ふと今日言われた事を思い出す。
『俺が、お前を好きに···なってもいいか?』
(彼は確かにそう言った。でも···)
私の目は、写真立ての中のケイくんを捉える。たった二日間でも、私はお兄ちゃんが出来たみたいで凄く嬉しかった。ケイくんは、いろんな遊びを知っていたし、いろんなお話をしてくれた。
似てるけど···違う。
でも···
彼と一緒にいたあの数時間、なんか恥ずかしかったけど、楽しかったし。服を選んでる時ドキドキしたのも事実。
別れ際、
『俺、お前のこと好きだ。それは、嘘じゃない。さ、最初は友達でもいい。だから、その、また学校以外でも会いたいと思ってるから!嘘じゃないから!!』
そう言って駆け出していった。
チリンッ···
紙飛行機を模ったストラップ···。彼が、買ってくれたもの。それを紙飛行機の隣に置いた。
「ケイくん?きみは、どこで何をしてるの?」写真立ての中のケイくんを見ながら、大きくなったケイくんを想像するも、浮かんでくるのは彼·石川くんの顔だった。
翌朝、
「朋美!大変!大変!」朝ごはんを食べている私に、ゴミ出しから帰ってきたママが慌てて入ってきて、こういった。
「な、なんか、あんたの彼氏って子が来てるんだけど?」
「はい?か、彼氏?え?」慌てて玄関から顔を出すと、
「お、おはよう!は、早かったかな?」
「うん。まだ七時にはなっ···」
「朋美ー!はい、お弁当!と、鞄!じゃ、いってらっしゃーい!」
「······。」玄関に置かれた私の鞄とお弁当が、次に何をすべきか?の指示を待っているようにも見えるが···
「うん···。朝ごはん···」
「だーいじょうぶ!片付けとくから···」にこにこ笑顔で私と彼を見送るママ···
(まだ半分も食べてないのに···朝ごはん)
こうして私は、彼とのんびり1時間掛けて学校へ行くことになった。次の朝もそのまた次の朝も、彼は毎日学校で会っているというのに、迎えにきてくれた···




