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初めての魔法

別に見られたからってどうって事も無いんだが、ここはやはり様式美として隠れて練習するべきだろうと思い、村はずれの物資小屋の裏手で練習することにした。

ここは、納税と祭りの時期以外は人が来ないため、隠れて練習するにはもってこいだ。



まずは、自分の中にある魔力を感じる所から魔法は始まるらしい、これはまぁお約束だわなぁ。元日本人らしく、集中できるように座禅を組み目をつぶって体の内側に意識を集中する。

最初はさっぱり分からなかったが、2時間ほど続けていると体の中心のへそよりちょっと下くらいに、何かもやもやした物を感じるようになって来た。


そのもやもやに意識を集中して、形を変えようとすると段々と自分の体の中で、好きな形と位置に動かせるようになってきたので、半分ほど指先に集中しここだ!と思ったタイミングで『ストーンバレット』を唱えてみた。

すると地面から2センチほどの大きさに石が正面に向かって飛び出し、木に当たって甲高い音を立てて転がった。



「おお……… これが魔法か…………地味だな」


ああ、うん……こりゃ人気無いのも分かるわ、もうちょっと何とかならん物かねぇ。

だが、何はともあれ魔法を使うことには成功したし、後は繰り返し使うことで慣れていくしかないかねぇ。


ばっちゃのところで読んだ本によると、個人による差はあるが魔法を使って減った魔力が回復するとき、使った分よりも総量が多くなるらしい。

肉体の超回復の理論と似たようなものなのかもしれねぇな。


となるとだ、毎日魔力を限界まで消費するのが効率的な上げ方になるんだが、そろそろ俺も昼からは畑の手伝いを始めるようになるだろうし……隠れて魔法を使うにも限度があるからなぁ。

なにか良い方法は無いもんかねぇ、常時魔力を消費しつつ同時に回復できればかなり楽に上げれるんだが、幾らなんでもそんなご都合主義な方法は……


まてよ?もしかするとイケルかもしんねぇな、ちと調べてみるか!



■□■□■□■□■□■□■□



さて、結論から言おうか………出来ちまったぜ。


まず常時消費する方は結構簡単だ。

『クリエイト・クレイゴーレム』ってのは最初に核となる物質に魔力を篭めて、その魔力が切れるまでもしくは壊れるまで動くって魔法だ。

本のとおりに作ると大体1時間くらいで魔力が切れる感じだな。

つまり、電池で動いてるゴーレムをコンセントで動くようにしたと思ってくれりゃいい、核と俺との間に魔力のラインをつなげて常時俺から魔力を吸い出して動力にすれば、俺がスイッチを切るまで常に魔力を使い続けるって寸法だ。


で魔力の回復だがこっちはちょっと複雑だ。

そもそもなぜ休むと魔力が回復するかって事なんだが、この世界の大気と大地には魔力が含まれている。特に大地は地球の風水でいう竜脈のような魔力の大きな流れが存在し、大気から染み込んだ魔力が流れに乗り竜穴のようなスポット(こういった場所は特に魔力が濃いため聖地だったり、魔獣の巣だったりする)で大気に発散することで魔力を循環させているんだが、循環している最中にいくらかは拡散しているらしく、それを無意識に体内に取り入れているため魔力が回復するのではないかと見ている。


そこでだ、思い出して欲しいのが俺には【地の才能】と【気の才能】という二つの魔法の才能があることだ。

もともと気のほうは、ちょっとくらい身体強化とか治癒力のUPでも出来りゃ良いな程度だったんだが、前世で親父の趣味で会社の朝の体操に気功で言う所の『小周天』を行う時間があってな。こいつは人体の正中線上にある7つのチャクラ、「ムーラダーラ」、「スワディシュターナ」、「マニピューラ」「アナーハタ」、「ヴィシュッダ」、「アジュナ」、「サラスラーラ」に気を通して周回させる事で活性化させるとか何とか言ってたけどようは健康法みてぇなもんだったんだけどよ、気魔法は魔力を使って気を巡らす事で生命力の強化を行う魔法な訳だ。

となると後の発想は単純だな、大地を巡る魔力をその周回の内側に取り込むように回せれば魔力を吸収出来るんじゃないかと思いついたわけよ。でやってみたらこれが意外とすんなりと行ってな?維持のための魔力もかなり少ないから永続化も結構楽に出来たんだよなぁ。


これのお陰で、魔力の総量UPと地と気の魔法の熟練が一度に出来る一粒で3度おいしい状態なわけだ。

魔法自体を維持するだけでも結構スキルのLVが上がるみたいだし、しばらくはこれで様子を見てみるかねぇ。

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