相談の結果
さて……相談所に来てみたんだが……
「Zzzzz すぴー」
何つーか、見事に寝てるな……
カウンターに突っ伏して気持ちよさそうに寝ているのは女性の鬼だった。なんといっても特徴はのその胸だな、なにあれ?マスクメロンかなにか入れてんのか?ってくらいデカイのがカウンターと体の間でぽよよんぽよよんと揺れている。
だが、肉欲とは言ったもんだよなぁ。まったくムラムラしねぇ。まぁこのままじゃ埒があかねぇし起こすとするか。
「おーい、ネェちゃん客だぞー」
「ふっ ふにゃ?………あれーお客さんの幻だー、ついに幻覚まで見えてきたのかー」
おいおいどんだけ此処に客来てねぇんだよ。なんか涙目になってるし…
「いや、本物の相談者だぞ。とりあえず起きたんなら相談に乗ってくれ」
「え!?し、失礼しました!!私相談窓口担当の『柚鬼』と申します。どのようなご相談でしょうか!」
それからとりあえず地球への転生が面倒なんでお勧めの世界を聞きに来たって話してたんだが、ふと疑問が浮かんだのでついでに聞いてみることにした。
「そういや、どうせ転生したら記憶とか無くなっちまうんだろ?何で世界の人気が偏るんだ?覚えてねぇんならどこでも同じじゃねぇか?」
「あ、それはですね。転生する際にもともと居た世界のランクと生きてきた中で習得してきた技術をポイントに換算して、そのポイントを使って特典をつけて転生できるんですよー、基本的にこちらに来られた方は記憶の引継ぎが可能な方ばかりですね。そこまでポイントがたまっていない場合は、ポイントを使わずランダムに4~7つ位の特徴を付与して振り分けちゃいますね」
「ん?てこたぁ俺も俺として転生できるってことかい?」
てことは現代知識で無双とかできるのか?なんか昔はやった小説みてぇだな
「そうですねぇ。お客様の場合ですと、250Pありまして引継ぎに100P使いますから、残り150Pですね。これはかなり多いですよ?」
特典って奴がどのくらいP使うのかわからねぇけど、ちと検討してみるかねぇ。
「さっきのお勧めの世界に、いわゆる「獣人」とか「魔法」がある世界はあるかい?」
「それですと、該当は3件ですね。ひとつは「ファルアド」現在魔王と勇者が戦争中ですね。次が「パステラン」亜人種は多いですが、魔法は絶滅寸前ですね。最後は「ルローレル」人間の勢力が大半ですが、亜人もきちんと居ますし、魔法も希少な才能ですが広く知られては居ます」
一つ目はパスだな、何が悲しくて主人公が既に居るとこに生まれにゃならんのだ…それに勇者が負けたら人類滅びそうだしな。
二つ目は、魔法が消えそうだしちとパスかな、無難なのは三つ目か……
「ちなみに文明のレベルは?」
「どれも同じくらいですね。大体地球で言う中世ヨーロッパくらいです。なんとか上下水道の整備が始まったくらいですね」
「なら、3番目の世界にするわ。あとは特典だっけ?それ選べばいいのか?」
「はい、ではコチラを使ってお好きな特典をお選びくださいー」
柚鬼はそう言うとノートPCをカウンターにおいてこちらに向けた。
ふむふむ……まずは記憶の継承は確定と…Pが150に減ったな。
他の得点はカテゴリごとに区分けされているようだ、『身体』『特徴』『武技』『魔法』『精神』『特殊』の6項目に分かれているが、名称による検索も可能らしい。何はともあれまずは魔法だよな。
ピ
『魔法』
炎の才能 LV1 2P
水の才能 LV1 2P
風の才能 LV1 2P
地の才能 LV1 2P
雷の才能 LV1 2P
氷の才能 LV1 2P
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結構色々あるな
「なぁ、このLVてなぁなんだい?」
「LVはですねその効力の強さを表していまして、基本的に最大で5LVとなっています。ちなみに炎LV1だとライターくらいですが、5LVならメガフレアが出せるくらい違いますね」
それはかなり違うな、じゃあ本命の才能は5LVにするとしてどれがいいかねぇ。
……その後、寝こける柚鬼を尻目に丸一日悩みまくって決めたのがこれだ
地の才能 LV5 32P
武の才能 LV3 8P
気の才能 LV2 4P
魔力 LV5 32P
肉体成長 LV3 8P
精神強化 LV3 8P
成長率UP LV5 32P
精密操作 LV- 5P
鑑定 LV- 5P
健康体 LV- 5P
完全記憶 LV- 10P
うん1P余ったけどまぁこんなもんかねぇ、ちなみの『武の才能』は得意な武器がない分、万遍なく何でも使えるらしい……代わりに同LVの特化した才能相手は分が悪いらしい。他にもいろいろ便利そうなのを取ってみたがまぁ説明はその内だな。
「よし!これでいいぜ、おい柚鬼のねーちゃん早速転生してくれよ」
「あーやっと終わりましたかー、ちなみに記憶を指定年月封印もできますよ?いまさら赤ん坊ライフを送りたくない人にはお勧めです。その場合、人格の統合というか、それまでの知識も得られますので喋れないとかもありませんし」
ふむ・・・確かにいまさら垂れ流しの生活はしたくねぇし6歳くらいから始めるかねぇ。
「じゃあ6歳までは封印してくれるか?」
「かしこまりましたー。ではただいまを持ちまして転生の儀を完了いたします。よい来世をお楽しみください!」
すると足元にぽっかりと穴が開き俺は下へと落ちて行ったのだった。