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城砦都市

気がついたら、アクセス数がすごいことになっていました

このような拙作に過分な評価を頂き、まことにありがとう御座います

結局、特にトラブルも起こらず移動も最終日に到達した………フラグの神様とか居たらちゃぶ台ひっくり返すレベルだよな。


ジョッシュさんたちは、今日のうちにグラリアでの用を済ませて王都へ向けて出発するらしく、夜が明け切らないうちに出発することになった。

本来は魔獣や妖魔の多くが夜行性のため、暗いうちに移動するのは危険が伴うのだが、もはやグラリアまでは目と鼻の先のためきちんと見張っていれば問題ないとのことだった。


一応、俺も広域探査魔法『アースソナー』を周囲1キロほどに展開して警戒を行っておいたが、森の奥側にいくつかの反応が有るもののこちらには気がついていない様子だった。

殆どのサイズが小型だったため、おそらくはホーンラビットやそれを狙ったグリーンバイパーなどの小型の魔獣とおもわれる。


暫くすると、夜も明け『城塞都市 グラリア』が見えてきた。

俺が育った村や、今まで通ってきた村と比較にならないその大きさに、知らず言葉を失っていた。


その様子を見て、田舎から出てきた者がみな通る道だと笑いつつも、グレッグさんがよく見えるように御者台のとなりを替わってくれ、更にジョッシュさんがグラリアについて説明をしてくれた。


「ロックくん、あれが君の目的地である『城塞都市 グラリア』だよ。城塞と名がつく通り南の『森』側に砦と城壁を構えているんだ。更に王都側には、グラリアとこの周辺の土地を治める御領主様が居られる城砦がある。この二つを合わせて『グラリアの親子砦』と街の人たちは呼んでるそうだよ。それからここからは見えないけれど、グラリアには内壁が2枚あってそれによって区切られた一番内側を『貴族区』、二番目を『商業区』、三番目を『市街区』と呼んでいるんだ。ずっと昔は一番内側の内壁が外壁だったんだけど、何年も掛けて工事を行い少しずつ外壁を広げているんだよ。」


ジョッシュさんの説明を聞きつつ、街を眺めてみると確かに砦より北側で新しい城壁を作る工事を行っているのが見て取れる。

今作っている城壁の角度から奥に見える城砦を囲むように作るとしたら、ざっと概算で外周が10キロメートル位在るんだが、高さも巨人族対策なのか15メートルくれぇあるし、厚みもかなりあるな。

いったい完成はいつの予定なんだろうな………


「それにしても大きな街ですね。いったいどのくらいの人が住んでいるんですか?」


ジョッシュさんはあごに手をやりながら、ふむと考え込んだあと答えてくれた。

「正確な人数は、行政にしかわかりませんが、商業区での食料の消費などから考えるに、1万2000人前後では無いかと思いますよ?」


1万2000人って……うちの村80人だよ!?どんだけ差が有るんだよ…前世の俺が住んでたところよりも人口多いぞ…

だが人が多いって事はそれだけ仕事もチャンスも多いはずだしな!がんばってみるか!


■□■□■□■□■□■□■□


城門に着いて既に30分が経過した、商人用の専用出入り口で検査の順番待ちをしてるんだが、やっぱり馬車や馬で移動する為か、チェックする荷物が多くて一人ひとりに時間が掛かるみたいだなぁ。

まぁ手を抜いて、変な荷物やら人物が紛れ込んだら大事だからな、出来るだけ手が掛からねぇように協力するかねぇ。


「よし、次の馬車はこっちに来てくれ!」


お、呼ばれたみてぇだな。

ジョッシュさんが馬車を操って先ほどの兵士の前に進めると、馬車を降りてギルドカードを提示している。

その後、積荷の説明や同行者の紹介(このとき俺も身分証を求められたので、ポロック村で作ったのを見せた)をして、特に問題も無いためあっさりと中に入ることが出来た。



城壁の内側に入ると、いったん馬車を止めロベルトさんたちと俺は馬車から降りた。

これはジョッシュさんは馬車で商業区まで行き、交易所で積荷の売買を行い、その間にロベルトさんたちは、依頼達成の報告がてら俺を冒険者ギルドまで案内してくれるそうだ。


「じゃあジョッシュの旦那、俺たちは坊主を案内してくっから、仕事が終わったら北門で落ち合おうぜ。昼過ぎにゃそっちも終わるだろ?」


「ええ、仕入れに少し掛かるかもしれませんが、その位には終わると思いますよ。そちらもロック君をよろしくおねがいします。」


ジョッシュさんはこちらを向くと、にこやかに笑いつつ別れを告げた。

「ではロック君、短い間でしたがここでお別れです。君の成功を心から祈っていますよ。それと落ち着いたら王都にある私の店を訪ねてくださいね?お姉さんも心配していると思いますから。」


俺は深々と頭を下げる。

「はい、本当にお世話になりました。ご期待に沿えるようがんばります。それとお店には必ず伺いますよ、フィーリ姉さんの顔も見たいですしね。」


「ええ、必ず来てくださいね。では!」



ジョッシュさんと別れた後、ロベルトさんたちに案内され東通りにある冒険者ギルドへ向かった。

グラリアの構造上南北に貫く中央通りと、外壁に沿って円を描くように引かれた東通り・西通りがあり西側は主に住宅地となっているらしい。


先ほどから見る物すべてが珍しい、見たことも無い果物を売る露天や、カラカラの串焼きと書かれた看板の下では美味そうな煙と匂いが漂ってくる。

歩いている人も多種多様だ、以前見た猫耳シーフと同じ猫耳を生やした女性や、背の低いあれはドワーフだろうか?それに体の一部が鱗で覆われた人もいるし、改めてここが異世界であると実感した。


アッチヘふらふらコッチへふらふらと行きそうになる俺を、苦笑しながらも案内してくれたのは、もしかしたらロベルトさんたちも同じ事をしたことがあるのかもしれない。

「おっと、坊主あれが我らが冒険者ギルドだ」


ロベルトさんの指差す方向には、『竜が抱え込む盾とその前で交差する二本の剣』という意匠をこらした看板が、レンガ造りのいかにも『冒険者の酒場』とイメージしそうな建物の屋根の下で揺れていた。


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