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黒緑の森

馬車の旅も順調に進み、行程も残すところ後一日というところだ。

昨日出発したポロック村と城塞都市 グラリアの中間地点にある、レオニル村の辺りから馬車の右手側はずっと森が続いている。


この森は南大陸の約3割を占めると言われている、『黒緑(こくりょく)の森』で、ルーグの民が単に『森』と呼ぶ場合、この森のことを指す。

この森には数限りないほどの魔獣や妖魔、巨人たちが住み着いており、その数は『傭兵王国 ルーグ』と『キルサント商国』の人口を上回るともいわれている。


森より南側には国は存在しないのに、ルーグの南端に城塞都市が存在する理由も、森からの侵略を警戒してのことだ。


実際10年ほど前、一体のゴブリンに率いられたゴブリン族5000がグラリアを襲い、多数の死傷者を出したとロベルトさんが教えてくれた。

頬の傷はその時、ゴブリンライダーが駆るアッシュウルフによって受けた物らしい。

ちなみにゴブリンのリーダーは、全身を黒い皮膚で覆われ通常のゴブリンの3倍くらい大きな角をしたゴブリンキングだったそうだ。

また暗黒魔法を使ったことからおそらく【暗黒神 デ・ロイア】の加護を受けた固体であると推測されている。


ちなみに、森には分かっているだけで強力な固体に率いられた種族が16氏族確認されており、それぞれがA+ランク並みの力を持っているとの事だ。

それぞれの長の強さや、氏族の総数そして何より深く暗い森によって、ルーグはこれ以上の領土の拡大を阻まれている。


だがそれでも森に足を踏み入れる冒険者たちは後を絶たない、なぜなら森にはそれだけの価値があるからだ。

豊富な薬草や霊薬とも呼ばれる治療薬の原料、高ランクの魔獣たちの素材は武器に使えば鋼すら断ち切る事ができるほど強力だし、売れば数年は遊んで暮らせるほど高値で取引される物もある。

まぁ、そんな奥にいけるのはほんの一握りの冒険者だけだし、まずは信頼できる仲間を探すのが先だとは窘められたが。




そういえば、この所ちょくちょく魔道具の話が出てきたが、実際魔道具って何なのさ?っておもわねぇ?

俺も、作り方とか気になったんで、聞いてみたんだけどよ


「作り方なんか俺が知るわけねぇだろ?」


ってあっさりと言われちまったぜ。


「でも、ロベルトさんはどうやって動いてるとか気にならないんですか?」


「んー知らなくても使えるしなぁ。だが一部の魔道具の動力が魔石だってのは知ってるぞ?たしか、ウィムが持ってる『種火』の魔道具はそうだったはずだぜ?なあウィム」


ウィムさんは、森へ視線を向けたままこちらへ、返事を返してきた。


「ええ、確かに僕の『種火』はそうですね。裏側にスライドする蓋があって、そこを開けると親指ほどの大きさの魔石が入っていますよ。魔力が切れたら入れ替えるとまた使えるようになるんです」


ほほう、詰め替え式なのかそりゃ経済的だな。と言っても火打石の何百倍もするんだけどな

「ロベルトさんの鞄は魔石が動力ではないんですか?」


「ああ、何でかはしらねぇけど鞄は動力の交換とかしなくても使えるんだよ。それにいきなり効力が切れたらまずいだろ?」


確かに、魔力が切れたら物が溢れるとか不味過ぎだろと思い頷く。

となると大気の魔力を何らかの方法で吸収しているのか、それとも維持するだけなら何十年も持つような容量の魔石を使っているのかも知れねぇな。


「確か魔道具が作れるのはどこかの一族だけって噂でな、その血筋にしか現れない能力が必要とかで王家や貴族連中に囲われているって聞いたが………眉唾にもほどがあるよなぁ。」


ロベルトさんが苦笑しながら教えてくれたが………何と言うか妄想が過ぎるとは俺も思うねぇ。



ああ、ちなみにさっきから頻繁に出てくる魔石だが、これは端的にいうとゴーレムの核と似たようなもんだ。

ゴーレムの核は俺の魔力を詰め込んで作ってるんだが、魔石は魔力の流れに長いこと晒された鉱石が、その魔力を内部に溜め込んだ物のことで基本的には電池みたいなもんだな。


ちなみに元になる素材によって、魔力の最大蓄積量が変わるんだが(昔興味本位で実験してみたが、結果はまたな)

一般的に見つかる魔石は、花崗岩などが殆どでそれでもゴーレムの核に比べて同じ大きさで10倍ほどの容量になる。


魔石は他にも手に入れる方法があるらしいが、ロベルトさん曰くおまえにゃまだ早い!だとさ

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