脳の疲れには糖分がいい
「悠人、知ってるか?」
リビングでコーヒーを飲んでいると、父さんが僕に話しかけてきた。
「勉強に疲れた脳には糖分がいいんだと。なんでも脳は糖分だけをエネルギーにしているんだそうだ」
「へぇ、そうなんだ。それじゃ、僕も糖分をたっぷり摂らなきゃ」
父さんの自慢げな顔を見ていると「受験生にとっては常識だよ」とは言えなかったけど、そのおかげで父さんはちょっと気を良くしたみたいだ。
「という訳で、いつも遅くまで勉強を頑張っているお前に差し入れだ」
そう言って、少し照れたような素振りで飴の袋を差し出してきた。
「珍しいね、父さんが差し入れしてくれるなんて。ありがとう」
父さんの気遣いがちょっとうれしくて、賞状を受け取るときみたいに両手で受け取った。
「それにしても、飴にも色々あってビックリしたよ。それでな、あれこれと見ていたら"ダイエットに効果的!風邪の予防に!"ってポップに書いてあったから、ノンシュガーのノド飴にしたよ。あんまり無理するなよ」
「……あ、ありがとう」
今ひとつオチていませんかね。