8 氷塊の神童
第一プロット ←第一って何で入れたんだろう
異世界に辿り着く
村に行く。倒れる
気がついたら村にある家
情報を得るために王都へ
門で捕まる(銀髪がいない世界だったため)
牢に入れられるが、王女が呼び出す。魔法学院へ。
そこで、王女に呼んだのは間違いだったと知らされ、もう戻れないと知る。
魔力を測る。氷魔法と召喚魔法が上級魔術師レベルと知る。但し他の属性の魔力はほぼ無し(召喚魔法を使えるのは珍しい)
国の金で専門学院に入る
ルカと同室に ←今ここ
復習終了!
その部屋を一言で表すとしたら、寒いの一言に尽きる。
「あの、その、この部屋凄く寒いんですけど……」
寮の一部屋の扉を開けたら、そこから冷気が溢れ出しそうな程に冷たい。という事なので、了解を得て入るなりすぐに閉めた。水姫は鞄を端に置き、両腕で体を抑えこみつつ震えていた。
「気にするな。それよりも何の目的だ。僕に何か用か」
机で読書をしていた青髪の少女(というよりは幼女)は、地面に届かない足を揺らしながら本から水姫に視線を移す。
冷めた口調からは想像も出来ない、子供独特の純粋で無邪気な、くりくりとした青目を持つ少女の顔があった。それでいて神々しい雰囲気まで兼ね備えている。
「――チ○ノ?」
「何だチル○とは。お前は不審者か? それとも見間違いか?」
「……見間違いですね」
「で、用を教えろ。言えないなら出て行くといい」
それでまた本に見やってしまった。会話の成立にはならなかったようだ。水姫のアレな発言のおかげで。
「その、この二十六号室が私の部屋だと言われて来たんだけど。聞いてない?」
学院長は「じゃあ、同じ部屋の人に伝えておくよ」とは言っていたが、言っていなかったのだろうか、と気になる水姫。もしかしたら、この子供ではなく、別の人じゃないか、と疑い始めた。一般的には、子どもがいる時点でもう少し早く疑うと現実的なものだが、今の水姫の思考回路は変だったらしい。
「聞いている、若槻水姫。最初からそう言うがいいぞ、水姫」
十ほどは離れている年下なのに、呼び捨てにされる水姫だった。
「ええと、男の子……なのかな?」
遠慮がちに聞いてみた。短い髪の毛とか口調から想像して言ってはみたが、先程のくりくりの目と矛盾したような気がして頭が余計に混乱する。
「女だ」
「ああ、うん。そうなんだ……」
取り敢えず、相手の性別に胸を下ろしたのもつかの間だ。
「お前は男か?」
「ブファッ!」
予想外の発言にわざとらしく咳き込んだ。相手の女性的な部分において欠けるソレを見れば思わず問うだろう。
「そ、それは酷いんじゃない? わ、私は女性!」
「すまんな。まあ、宜しくになる。水姫はこっち側な」
部屋の作りは、左右対称になるようになっている。少女は本に目を向けたまま、後ろを指さした。
「僕が右側。水姫は左側」
箪笥と机と寝台と本棚が一人分ずつあり、立ち鏡は共用だ。
「でね、凄く寒いんだけど」
先程から気になっていたこの部屋の寒さについて尋ねると、こちらを向いて無邪気に微笑んだ。
「魔術を使っているんだ」
「よく分からないけど何か納得ッ!」
☆
夜。夕飯と風呂を終えた二人は、かなり仲良くなっていた。貰った
二人はそれぞれのベッドで横になり、寝る前の話をしていた。
「この学院、凄いのねぇ」
「ああ。年齢は成人前なら入れるし、平等を校訓としていて、校則にもそれがあるから、必ず平等に扱うようになっているし。後は、一対一の授業は、凄く良いと思う」
「一対一?」
「知らないのか? お前、大体入学式さえも参加せずに何をしていたのだ? 大体な、ここは通常フロワティアとアピティスの者にしか入れない学院だ。僕が言っても意味はないがな」
確かに、異世界人がここにいるのは珍しい。名前からしてもここらの人にとっては珍しいだろう。
「ちょ、ちょっと来るのが遅れたの」
「嘘が見え見えだぞ。大体、空き部屋はもう無いはずだった。今日の朝頃、一人が退学させられてこの部屋は一人になった。それまでは満杯で、一人も受け入れられないはずだ。お前は今日来たのか、それとも企んで僕の部屋の奴を退学させられたか――。違うか?」
「……」
ほとんど合っている。見事な推理に開いた口がふさがらない。
水姫は、異世界から来た事はシエルと学院長ぐらいしか知らない事項だ。
「え、ええっと。誰――だっけ?」
名前を呼ぼうとして、まだ聞いてないことに今更気がついた。
「ルカ・メルヴィスだ。すまんな、遅れた」
遅れすぎている。
「いや、大丈夫」
「で、質問に答えよ」
「あのね、実は私異世界人で」
某ハルヒさんが喜びそうな設定だ。まあ常識人らしいので、嘘の様な目で見るだろうが。
「は?」
「えっとね――」
水姫は一連の事柄をルカに話した。
「そういう事か。そういうのは、あまり人には言わない方がいいだろう」
「何故?」
「そのような事は誰も信じないだろう」
「ルカも?」
相手が呼び捨てならばと、こちらも呼び捨てで呼んだが、特に反発はなかったようだ。
「一応信じる。……そうだなぁ。中々信じてもらえない可能性が高いから、いざとなったら僕が考えたことを代わりに行っておけ」
神童と謳われているルカは、思い付いた事を少し話してみる。
「ずっと向こうの国からやって来て、それで王女に拾われて、魔力を測ってみたら凄かったのでこの学院に入ったとな。それがつい最近という事にしておけ」
「凄いね、ルカ!」
水姫「退学した人は、もしかして本当に偉い人の意図的ななんちゃらだったりするの?」
ルカ「いや、談話室の窓を割って、上と喧嘩になってやめただけだ」
水姫「あ、そうなんだ(たったそれだけで……)」
ルカ・メルヴィス
出来れば覚えてあげて。○ルノに似た神童。
通称『氷塊の神童』
何だかんだで、もう受験の年になりました。
今までよりも更に来れなくなるかも知れません。
多分その可能性は10%だけど( ^ω^ )