呉呉
呉呉。
意味∶何度思い返してみても。
「あれ?」
気が付くと、私の身体は縮んでいた。
否、幼少期の身体になっていた。
「タイム…リープ?」
一先ず、考えてみよう、これまで何があったのかを。
平凡な人生だった。
中流階級の家に生まれ。
金持ちでは無いが、不自由なく育てられた。
高校を卒業し、やりたい事もなかったので、1年程ニート生活を送り、その後、アルバイトを始めて、数年経った頃、社員登用されそのまま数十年ずるずると居続け、定年まで後10年といった所で、両親共に他界した。
そして、葬式が終わった時、疲れてふらついて、車道に出てしまい、轢かれて…死んだ。
筈だった。
「なんてこった…」
身体は縮んでいた、この感じは恐らく5才頃だろう。
何故、初めから、0才からのリープではないのか。
「いや、そんな事より…」
何故、私が戻されたのか。
「理由が…あると、思いたい」
思いたいのだが、私には野望とか、トップに立ちたいとか、世界を変えたいとか、前向きな思想はない。
そもそも能力がない。
私は勇者ではない。
頭は一般的な尺度で見ると、中の上。
運動能力だって高くない。
私を戻した所で、何の意味もない。
何も変える力はない。
疑問ばかりが頭に浮かぶ。
「まいったね…」
そんな事を思い出していた。
最初のループの事を。
今回のループは何度目だったか。
色々試した、その度戻された。
自殺もしてみた、なんなら92歳まで天寿を全うしてみたが、それすら戻された。
「神様は私に何をさせたいんだろうか?」
8度目のループに、私は絶望した。
せめて理由が知りたかった。
子供の頃にある漫画を見て、つい想像してみた事がある。
「いいなぁ、不老不死って」
そんな些細な想像が、もしやこの絶望の状況なのだろうか。
それが罪なのだろうか。
神様が本当に存在するのなら、そろそろ勘弁して欲しい。
いい加減、許してもらいたいものだ。
再び縮んだ私は、深くため息を吐いた。
死ねない絶望。
皆さんは永遠の命が欲しいですか?




