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呉呉

作者: シバザキアツシ
掲載日:2026/03/03

呉呉(くれぐれ)

意味∶何度思い返してみても。

「あれ?」

気が付くと、私の身体は縮んでいた。

否、幼少期の身体になっていた。

「タイム…リープ?」


一先ず、考えてみよう、これまで何があったのかを。


平凡な人生だった。

中流階級の家に生まれ。

金持ちでは無いが、不自由なく育てられた。


高校を卒業し、やりたい事もなかったので、1年程ニート生活を送り、その後、アルバイトを始めて、数年経った頃、社員登用されそのまま数十年ずるずると居続け、定年まで後10年といった所で、両親共に他界した。


そして、葬式が終わった時、疲れてふらついて、車道に出てしまい、轢かれて…死んだ。


筈だった。


「なんてこった…」

身体は縮んでいた、この感じは恐らく5才頃だろう。

何故、初めから、0才からのリープではないのか。

「いや、そんな事より…」

何故、私が戻されたのか。

「理由が…あると、思いたい」


思いたいのだが、私には野望とか、トップに立ちたいとか、世界を変えたいとか、前向きな思想はない。

そもそも能力がない。


私は勇者ではない。


頭は一般的な尺度で見ると、中の上。

運動能力だって高くない。

私を戻した所で、何の意味もない。


何も変える力はない。


疑問ばかりが頭に浮かぶ。


「まいったね…」

そんな事を思い出していた。


最初のループの事を。


今回のループは何度目だったか。

色々試した、その度戻された。

自殺もしてみた、なんなら92歳まで天寿を全うしてみたが、それすら戻された。

「神様は私に何をさせたいんだろうか?」

8度目のループに、私は絶望した。

せめて理由が知りたかった。


子供の頃にある漫画を見て、つい想像してみた事がある。

「いいなぁ、不老不死って」

そんな些細な想像が、もしやこの絶望の状況なのだろうか。


それが罪なのだろうか。


神様が本当に存在するのなら、そろそろ勘弁して欲しい。

いい加減、許してもらいたいものだ。


再び縮んだ私は、深くため息を吐いた。

死ねない絶望。

皆さんは永遠の命が欲しいですか?

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