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【小説】沙上を行く


 近所でも有名なゴミ屋敷のアパートは、近づくと塀の中に生ごみをまき散らしたかのように、鼻を突く異臭が凄まじい。

 誰か人が住んでいるのかと言えば、大学を出てから定職にもつかず昼時まで寝ている自堕落な男が一人。

 千歳牧夫(ちとせ まきお)は腹を出して寝ていたせいか、一つくしゃみをして鼻を(すす)ると寝返りを打った。

 ガシャガシャと空き缶が転がり、昨日食べ残したカップラーメンが倒れ、汁をぶちまけた。

「ううう」

 (うな)り声を上げるが、床を拭くわけでもないし、倒したものを立てるわけでもない。

 カーテンの隙間から、黄色い光が差し頭の辺りを焦がし始めた。

 急に頭に熱が(こも)り、かゆみを感じ始めて手をやった。

 軽く引っ()いてから床に手を突いて30センチほど身を起こす。

 外は良い天気なのだろう。

 身体がとても重くて、立ち上がるのにかなりのエネルギーを要した。

 冷蔵庫を開けると、ハムを取り出して(かじ)り、食パンを一枚引っ張り出して口にねじ込む。

 パンの袋を落としてしまって、視線を落とすと袋をひっくり返して口が開かないようにした。

 起き抜けは体と心が分離したかのように、動きが悪い。

 昨日も部屋で寝転がっていた気がするし、今日も特に外に出る予定がない。

 買い出しは近所のスーパーへ行くか、最近始まった日用品配達サービスで注文をする。

 下手をすると、一か月外へ出ないこともある。

 だが、そろそろ仕事をしないとさすがにこの最低な生活さえ成り立たなくなりそうだ。

 ちょっぴり危機感を感じると、重い手を持ち上げてスマホを取り出した。

 短期バイトを探し、エントリーするとまたゴロリと横になった。

 このアパートに、大学生のときから住んでいる。

 学生のときには、金がなくて仕方なくボロくて臭いアパートに落ち着いていると思っていた。

 卒業してみると、同じゼミにいた連中はみんな隠れて勉強してそこそこの成績を収めていることを知った。

 一緒に学食へ行く仲間たちも、みんな就職を決めていた。

 スーツを着て春からサラリーマンになった連中は今頃うまいものを食って、週末には飲みに行ったりしているのだろう。

 そんな仲間も音信不通になってしまった。


 アパートで孤独死した姉の部屋を片付けて欲しい。

 今回はそんな依頼だった。

 掃除用具とビニール袋を下げて、合鍵で部屋を開けると中の光景に息を飲む。

 つい一週間前まで、人間が生活していた部屋なのだ。

 それなのに、まったく隙間なくゴミが積み上げられている。

 食べ残しを並べている、無精な人間はたくさんいる。

 だが、生ごみが部屋の片隅に積み上げられ、虫が湧いているのだ。

 リンゴが朽ちて溶けていたり、トウモロコシが収縮してままごとセットのように別の質感に変わっていたり、床に落ちた紙に謎の汁が広がって茶色く変色している。

 剃刀(かみそり)、カッター、ハサミが刃をギラつかせているし、踏みつぶされたらしいプラスチックの破片だの割れたコップや皿も顔を(のぞ)かせていた。

「これは ───」

 これはないな、と言おうとした心を奮い立たせ、プロ意識で塗りつぶした。

 片付け屋の看板を出している伊桜 海(いざくら かい)は、さまざまな現場に出向いて掃除をしてきた。

 中には吐き気をもよおすほど、ひどい現場もあるが息をひそめて一つ一つ片付けていくのだ。

 普通の清掃業者と違い、汚れと散らかり具合が通常の物差しでは計れないものがある。

 何とかして窓まで辿り着くと、窓を開けることに成功する。

 サッシが軋んで、硬くなった窓は両手で力いっぱい引かないと開かなかった。

 臭気が緩和されると、本格的にゴミを分別し始め、次々に袋が積み上げられていく。

 そんな時、ちょっぴりくぼみになっていて、人間が寝ていた痕跡(こんせき)のある辺りにノートを見つけた。

 汁に汚染されず、淡い青みの大学ノートには、誰かの名前が記されていた。

 貴重な遺品なので保管用ビニール袋に入れると、またゴミと格闘し始める。

 半分くらい、床が見えて来たとき依頼主の妹が様子を見に来た。

「すみませんね、ゴミ捨て場みたいになってしまって」

 肩をすくめて玄関口に顔を出した彼女へ先ほどのノートを手渡す。

「これ、姉の娘に宛てたノートみたいですね」

 ページをめくると、娘の生活や身体のことを心配した母親らしいメッセージが溢れていた。

 そして最後に、

「あなたがいたから、私は今まで生きてきました。

 生まれて来てくれてありがとう、こんな親でごめんね」

 と締めくくられていた。

「娘さんは、姉の面倒を見切れずに出て行ったのです。

 高校生になって、アルバイトできるようになると、ふらりと蒸発しました。

 それから姉の生活はますます荒れて、(ふさ)ぎ込むようになったのです」

 目に涙を浮かべて彼女はノートを閉じたのだった。


 日雇いのティッシュ配りを終えて、帰って来た千歳は、部屋の中に人の気配を感じた。

 金目の物はないから、物取りではないだろうが、危害を加えられるのではないかと思い緊張が走る。

 ドアノブを慎重に(つか)み、ゆっくりと回した。

 ゴミを踏んずけたり、蹴とばしたりしないよう慎重に歩いたが、きっと物音に気づいているだろう。

 身体が通るくらいに開けると、暗い開口部から、月明りに照らされるゴミが浮かび上がる。

「誰だ ───」

 ボソリと、(かす)れた声しか出なかった。

 口が渇き、両眼が見開かれる。

 狭い部屋の中の、ちょっとしたくぼみに髪の長い女が一人座って、微かな声で鼻歌を歌っていた。

「ん」

 ちらりとこちらを振り向いて、頷いた。

 何かを確認したような仕草で、またゴミの山を手で掻き分けて何かを探しているようだった。

「あの、どちら様」

 恐る恐る声を絞り出した。

 すると、もう一度振り向いた。

「靴を(そろ)えなさい」

 反論を許さない強さがあった。

 弾かれたように背筋を伸ばした千歳は、靴の向きをくるりと変えて、きちんとそろえてから室内に足を踏み入れた。

「他人の名前を聞く前に、自分が名乗るものだけど、まあいいわ。

 私はハライト。

 片付けの神、と人間は呼ぶわ」

「はあ」

 間の抜けた返事をすると、正座で両膝をくっつけた。

 ガサガサと食べ残しを袋に詰めていく彼女の背中には、無言の圧力があった。

「あの、ハライトさん、ハライト様。

 ここで何を」

 小さくため息をつき、肩をすくめた彼女はこちらに身体を向けて言った。

「片付けの神が出てきたの。

 それで、『何を』ですって、あなたは電車の運転手に、運転席で何をしているか聞くのですか」

 さも(あき)れた、という風に肩をすぼめて手の平を天井へ向けたのだった。


 片付け屋を経営する、片付けの達人こと伊桜は、ゴミ屋敷と化したアパートを見つけると足を止めた。

 ドアホンを鳴らすと、ドアポストからあふれ出たチラシが変色していることに気づいた。

 住人は、無事だろうか。

 ドアノブに手をかけ、ゆっくり回すと(かぎ)の手応えがない。

 中からは、腐った食べ残しの生ごみ臭が(ただよ)う。

 人の気配を感じて、慌てて声を出した。

「こんばんは、この地域を回らせていただいています、片付け屋です」

 名刺サイズのマグネットになったチラシを差し出した。

 冷蔵庫などの金属に貼っておいて、忘れた頃に役立つような広告である。

「ああ、ポストに何枚か入ってました」

 若い男は頭と腹をポリポリと掻いて、トロンとした目で室内に視線を戻す。

「あれ、ハライト様」

 真ん中あたりの、ちょっぴりゴミが避けていて、床が露出したところを見ていた。

「あの、よろしければお試しということで片付けましょうか。

 代金は、気に入っていただいたらいただくということで ───」

 思いもよらない提案で、少々胡散(うさん)臭いと思いながらも千歳は首を小さく縦に振った。

 掃除道具とゴミ袋を下げた伊桜は、まず窓を開け放った。

「すぐに済みますので、お買い物でもして来てください」

 買い物をする金などない、と言いたいが、やけに自信たっぷりな片付け屋のプレッシャーに押されて出て行った。

 近所の商店街をぶらぶらしても、冴えない若者が暇を持て余している感が恥ずかしい。

 部屋に閉じこもっていれば、世間体など気にしないのだが一度外へ出ると、急に心細くなった。

 ガシャガシャと物を動かす音が消え、路地の向こうへ曲がっていくと夜の住宅街には寂しさが蔓延(はびこ)っている。

 肉を焼く臭い、カレーや煮物のうまそうな臭い、そして開いたばかりの居酒屋で、威勢のいい声が聞こえて来る。

 すれ違ったサラリーマンは、スーツをきちんと着こなして、靴音を高く響かせて闇に消えて行った。

 家路を急ぐ主婦や、ワイワイ話をしている子ども連れ。

 街は今日も生きていた。

 そして、部屋で朽ちていくのを待っているような自分は、街から取り残されていた。


 部屋に戻ると、伊桜と名乗った片付け屋が部屋の中央にきちんと背筋を伸ばして立っていた。

 ほのかにアロマが鼻孔をくすぐる。

 鼻をヒクつかせると、

「ローズマリーは、別名『記憶の香り』と言います。

 ハードカバーの小説や、文芸誌がたくさん出てきました。

 もしかして ───」

 千歳は夢を描いていた。

 高校生のとき、文芸部で書いた小説が、小さな賞を取った。

 それで文学部を目指して勉強し、そこそこの大学に入ったが、独り暮らしで親のいない生活が始まると気持ちが(ゆる)んでしまったのだった。

 高校時代の友人や、時々買い物につき合っていたガールフレンドからの贈り物もあった。

「これは、お母様からの手紙でしょうか」

 封が切られた封筒から取り出すと、今月も10万円振り込んだとか、野菜ジュースを一箱送ったとか、家族の近況などが記されていた。

 最近は、手紙を送って来なくなったが、仕送りはいまだにしてくれていた。

「こちらは ───」

 ピンクの封筒に、ハートのシール。

 夢を追う千歳を応援してくれた、彼女からの手紙。

 合わせる顔がないと、恥ずかしくなって部屋の隅に置いたままだった。

 同級生と作った、同人誌や、旅行に行った写真。

 万年筆は、両親からだった。

 インクの臭いは好きだった。

 最近は、パソコンで執筆する作家がほとんどになったが、万年筆で書くと物語が深くなる気がしたものだった。

 そして、一冊のノートが手渡された。

「では、私はこれで。

 お気に召しましたら、ご連絡ください」

 深々とお辞儀をする伊桜は、腰を90度に折っていた。

 生まれてから今まで、敬意を持って礼をされたことなどなかった。

 慌てて千歳もそれに(なら)った。

 頭を自分の腰まで下げられることなど、耐えられなかった。


 10年後、千歳はマンションのベランダから夜景を眺めていた。

 毎日忙しいが、夜風に当たりながら外を眺めて缶ビールを一本飲むのが習慣になっていた。

 疲れて火照った身体に、ビールの苦みが染み渡る。

 少しずつ口に含み、ゆっくり喉に流し込む。

 明日の現場は遠いから、そろそろ寝る支度をしようかと思ったとき、

「ねえ、あのノート、素敵な詩や文章がいっぱい書いてあるじゃない。

 出版してみたらどう」

 妻の乃愛(のあ)が、ベランダに出て夜景に視線を投げた。

「いつ見ても綺麗(きれい)よね。

 夜景って、人の営みを感じるから心を打つのでしょう」

「まあ、そうだな」

 曖昧(あいまい)に返事をすると、

「あら、あなたが私に言ったのですよ。

 この人、ロマンチックだわ、なんて思っちゃって」

「うん、そうだっけな」

 気恥ずかしくて、夜空を見上げていると、オリオン座が瞬いていた。

 ビールの空き缶を握りしめると、軽くへこんで音を立てた。

「そういえば、君のノートには ───」

「母さんからの、手紙みたいな物よね。

 親を見捨てて、私は親不孝だったわ」

「きっと、そうじゃないよ。

 君は早くから独り立ちして立派だったと、お母さんも」

 妻の横顔には、一筋の涙が伝っていた。

「こういう時こそ、いい文章が生まれるものさ。

 もう少し執筆してから寝るとしようか」

 人の生きざまとは、因果なものである。

 余計なものを捨て去り、(あら)わになった本質は正直に語りかける。

「この星空と、夜景があれば僕たちは生きて行けるさ」

 部屋の中は、きちんと整理されてゴミ一つ落ちていなかった。

 リビングの片隅に据えた、スタンディングテーブルの明かりを灯すと、資料を片手に万年筆を走らせた。

「あなたって、変わってるわよね。

 今どき万年筆で小説を書いているなんて」

 澄んだ(ひとみ)が、原稿用紙に文字を躍らせ、思い出のローズマリーの香りが物語をより深くしていくのだった。


 1DKの、アパートで天井まで届くほど大量のゴミが積み上げられ、生ごみの悪臭に加えて孤独死による腐敗臭。

 今日の現場は、最高レベルのゴミ屋敷だった。

「おはようございます、伊桜さん」

 清潔感のある青い作業着に作業キャップを被った千歳は、先輩作業員であり、恩人でもある男に挨拶(あいさつ)をした。

「ああ ───」

 こちらを振り向きもせず、現場の建物を凝視している伊桜は、腕組みをして唸る。

「普通は3人から5人で作業する現場だが、そろそろ君も1人でやってみるか」

 千歳は何を言われたのか、すぐに理解できなかった。

 片付け屋として働き始めてから、人生が良い方向へ回るようになっていた。

 伊桜との出会いが、自堕落な生活から抜け出すきっかけになり、それから少しずつ仕事を手伝うようになった。

 正社員にまでしてもらい、結婚もして片付けの素晴らしさは言葉で語り尽くせないほどである。

 しかし、

「無理です」

 口を突いて出た言葉に、自分自身も落胆した。

 期待されているのは嬉しいが、明らかにキャパオーバーである。

 できることなら、期待に応えたいが軽はずみに受けることはできなかった。

「大丈夫さ、君は一度会っているのだろう」

「えっ」

「まあ、とにかく始めてみてくれ」

 くるりと背を向けると、片手を挙げてトラックに乗り込んでしまった。

 取り残された千歳は、トラックが走り去っていくところを、道端に立ったままぼんやり眺めていた。

 何か確信があって任せたのだろう。

 先輩であり、上司であり、何より恩人である男の言葉を信じるしかなかった。

「よし、やってみるか」

 両方の()っぺたを平手で叩いて、自分を鼓舞(こぶ)してアパートの現場へと上って行った。

 近づくと、尋常ではない悪臭とハエの群れに息を飲む。

 恐らく、日本全国を含めても、屈指ではないかというレベルの荒れ方である。

 窓からは袋に入ったゴミがびっしりと見えた。

 小さなベランダにも、限界まで積み上げられている。

 グッと拳を握りしめて殺虫剤のスプレーを向けた。


 黒く渦巻く大量のハエは、スプレーによって追い散らされ、ポトポト撃ち落とされた。

 吐き気をもよおすほどの悪臭を、腹に力を込めて跳ね返し手近なゴミを分別し始めた。

 悪臭の元を取り除き、貴重品を丁寧に探しながら袋に詰めていく作業は、薄い紙を一枚一枚重ねて積み上げるような、地道な作業である。

 千歳は清掃を通して、単純な作業を積み重ねる辛抱強さを骨の髄まで叩き込まれていた。

 次第に自分という存在が意識から消えていく。

 汚いとか、臭いという認知は、自我があるから起こる現象である。

 自分という存在を消し、目的に向かって突き進むエネルギーに身を任せれば何も起こらない。

 だが、どう考えても1人では終わりが見えてこなかった。

「なぜ、片付けを仕事に選んだのだろう ───」

 愚痴を言う弱い自分が顔を覗かせた。

 数時間そうしていただろうか。

 消え入るような(かす)かな声が鼓膜を揺らした。

「片付けは、本当に大切なものを見つけ出すための営みです。

 人間は、生きていく中で様々な塵埃(じんあい)にまみれてしまいます。

 あなたは、哀れな人々に光を当てて輝きを取り戻す手助けをしているのです」

 次第にはっきりと、頭に直接響くような言葉だった。

「心に溜まった、余分な物をすべて吐き出してごらんなさい。

 きっと、魔法のように片付くはずです。

 あなたの目の前に積み上げられている物は、人生の足跡なのです。

 頼りなかった足元が、しっかりとしてくることでしょう」

 穏やかな光が千歳の全身を包み込み、時間を巻き戻すように人生を感じ取ることができた。

 なかなか物を捨てられない。

 ゴミを出そうにも、身体が思うように動かない。

 自分自身も体験したことだった。

 弱い自分を受け入れ、ゴミの中に埋もれた輝きに気づいたとき、足元に溜まっていたものが消え去って行った。

 ビニール袋へ入れていた手が、青白い光を帯びて物を消し去っていく。

 最早、触れるだけでゴミは浄化され、必要な物を()り分けていった。


 現場から運び出した家財道具を詰めた2トントラックに乗り込み、運転席の伊桜はアクセルを踏み込んだ。

「ゴミを袋に詰めていたら、不思議な声が聞こえました」

 後ろへ飛んでいく風景を眺めながら千歳は、夢見心地だった。

「ほう」

 ステアリングを細かく切りながら、伊桜は驚く様子もない。

「大切な物を見つけ出すための、片付けだと思ったら、悪臭も気にならなくなりました」

 コンビニに立ち寄って、缶コーヒーを投げてよこしながら伊桜は笑った。

「千歳が住んでいたアパートも、なかなかの物だったけど今回の現場は桁が違うだろう。

 恐らくこれ以上の荒れ方はないだろうな」

「一人でやれと言われたときには、途中で伊桜さんが手伝いに来るものだと思ってました」

「手伝いは、来ただろう」

 何を言っているのか分からない、という顔で伊桜が言った。

「あれは、ハライト様だったのでしょうか」

「多分ね、追い込まれてどん詰まりまで行ったときに、片付けの神様が現れる。

 ネガティブな環境が極限まで集中力を高めて、何かを見せるのだと思う」

「今回は、どんな人生を見られるのかと思うと、楽しみになって来ました」

「その心境を味わえたならば、君も一人前だな」

 晴れ渡った空が、国道端の田園風景に溶け込んで暖かい光を注ぐ。

 影に溜め込まれたゴミに光を当てたとき、必要な物が見出される。

「片付けは、自分と向き合う時間だ。

 心の声に耳を傾けて、自分を磨く作業だ」

「ええ、もう迷いません。

 本当に大切なものを選び抜いて、豊かな人生をもたらす仕事に誇りを持ちましたから」



この物語はフィクションです


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