表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
78/78

平穏

「おはようございます、サフィーラ様。今日も良い天気ですよ」

 今日もキラリルに起こされ朝を迎える。

 キラリルは一瞬アリエルと見間違えるほどの明るい笑顔を浮かべている。

 私がアデリアを倒したことで、彼女も過去の思いに一区切りついたのだろう。笑顔になることが多くなった。

「おはよう、キラリル。今日もよろしくね」




 今日は不作地域の作物活性化のために、オーリー地方東部にやってきた。

 もっとも不作の多かった所は神国議会主導で根本的な改善が進められているので、私の出番は減っている。

 そして今日は、珍しくユリシーズが同行していた。


「何もすることがなくて暇ですからね。たまには大司教としての存在を示しておかないと」


 私をこの世界の唯一神にするという目的を達成したユリシーズは、今まで自分がしていた仕事を他人に割り振り、大司教とは名ばかりで何もしていない。




「あなたはアリエル達と結んだ契約の目的を達成した。でもまだ魔界に帰らないの?」

「実はエメルスと彼女が死ぬまで傍にいるという契約を結んだのです。ダークエルフの寿命はエルフと違って二百年程ですし、エメルスの魂の質を考えれば悪くない契約ですからね」

 エメルスがユリシーズに好意を持っているのは知っていたけど、まさか魂を捧げるほどだったとは驚きだ。

「傍にいるといっても、彼女が仕事の時など四六時中一緒にいるわけではないですから、割と自由で楽な契約ですよ」

 ユリシーズはそう言って笑う。

「サフィーラ様こそこの世界を去らないのですか? もう新しい世界を単独で創造する神力はあるのでしょう?」

「まだこの世界ですることがあるわ。戦争で亡くなった人達が来世で幸福に暮らせると約束したもの。この世界のどこに生まれても幸福に暮らせるような世界を完成させるまで、私はこの世界に留まるわ」

「それを言ったのは私なのですが・・・律儀ですねぇ」

「今回の戦争はアデリア教会の間違いを正すためとはいえ、敵を含めて多くの人を巻き込んで死なせてしまったわ。私は神としてその責任を取らなければならないのよ」

 そう、これは神としての私のけじめだ。


「もしかして、またこの世界にアデリアが現れることを警戒してここに残っているのではありませんか?」

「アデリアがこの世界に再び現れる可能性はないわ。アデリアほどの神なら復活までにこの世界の時間で数千年はかかるし、その前に私がこの世界から去れば来る理由がなくなるわ。そもそも一度去った世界に再び降臨するには膨大な神力が必要よ。向上心の高いアデリアなら私への復讐に膨大な神力を使うより、新しい世界の創造に使って神として更なる高みを目指すでしょうね」

 今回はグンジオネに召喚されたから来ただけで、自分の神力を使ってまで来ることはないだろう。

「なるほど。そう言われてみると、アデリア教徒のいないこの世界に来る可能性はないですね」

「だから何も心配いらないし、私はこのエルネストの発展に全力を尽くすことができるわ」

 不作地域が少なくなり私の出番が減った分、私は土地の開拓やインフラ整備に力を入れている。

 世界を豊かにして貧困をなくし、皆が幸福に過ごせるようになるために神としてすることはまだまだある。


「さて、今日も神としてがんばりますか」

これで完結です。

最後まで読んでいただき、ありがとうございました。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ