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はぁ、と息をつくと、イザヤが笑う。
「我との口吻はどうであった。」
そう問われ、顔を真っ赤にする。
「嫌、ではありませんわ.....気持ち良く感じました.....」
恥じいるように、小声で言う。そんなサ-シャが可愛いのか、イザヤは頬にキスをする。
「それは良かった。相性は良さそうだ。」
上目遣いでサ-シャはイザヤを見上げる。
「何だ、サ-シャ。」
「足が動くように、訓練したいのです。」
少しサ-シャを見つめ、イザヤは笑う。
「そうだな。もうそろそろ、歩けるように練習するか。」
そう言うイザヤに、サ-シャは、ぱぁっと花が咲くように笑った。
その笑みに、少し苦笑を漏らし、イザヤは複雑な思いをしていたのである。
(仕方あるまい。)
イザヤは心で溜め息をつく。
(まあ、我以外の男に、触らせるつもりはないがな。)
「イザヤ様、如何なさいましたか。」
サーシャが不思議そうに声をかける。
「いや、今からでも始めるか。」
「はい!」
嬉しそうなサーシャに、イザヤも、少し嬉しくも思った。
「少し、立ってみようか。」
そう言うと、サーシャを一人で座らせて、イザヤは立ち上がる。サーシャの前に立ち、手を差し出す。サーシャはその手を取り、ゆっくりと足に力を入れた。