研究No.6「準備」
さてさて…私は今から戦争へ乗り込む訳だが…
今、北部のデンケイトへの進行中に、我が軍が、後ろから奇襲にあったらしい。言い換えると不意打ちという訳だ。
私は、その失敗の修正、つまりは奇襲部隊をぶっ潰せという訳だ。
何故なんだ?
私はそこまで暇ではない。研究員としての働きを大いに見せている。それなのに、どうしてだ?
自分の軍の兵士を2人気絶させたから、その処分として何かさせられることはわかる。せいぜい、何かを運んだり、掃除をさせられるだけだろうと考えていた矢先に…
私は戦闘員では無いんだぞ?ただの研究員だ。しかも、よりにもよって奇襲部隊の壊滅。ただ、相手が犯したミスを、私が直せという無茶苦茶なことを言われてることと同じだ。
「今から戦闘準備、配置へ向かう」
非常にムカつく。我が軍は、何時もそうだ。油断大敵すぎる。前に、私が見つけた軍隊だって、奇襲作戦のものだった。私の毒で1人残らず消したつもりだったが、数名ほど生き残っていたらしい。
後遺症は、でかかったらしいけど。
しかし、目が見えなくとも、手や足が動かなくとも、言葉は誰にでも発せれる最大限の情報ツールだ。
奇襲作戦で乗り込み、相手の陣地を壊滅…
とても卑怯だが、戦争となれば仕方ないことだ。
だが、同じことを2度も食らう奴がいるとは…
一度犯した失敗は、初めてのことを成す、という理由で許されるだろう…
2回目はどうだ?それは初めての理由となるのか?同じことをまた、もう一度やってのけたのだぞ?しかも、言い訳は同じ。となるとこれは自分のミス。理由は2度も同じことは使えない。
理由が無ければ、ただのミス。
相手のミスというのは、相手自身が分かる訳なのに私に対応させ、解決させる。こんなクソシステム誰も受付はしないだろ。自分のミスは自分で直すべきだ。
それなのに、私と他数十名の兵士で何とかしろと…
しかも、今回の隊長はオーム大佐と来た。
あまり顔見知りとは、やりたくないのだがな…
「ヒガン兵長、今回は私の舞台に配属されることを大歓迎する」
「非常にありがたき幸せ、今回も全力を尽くして、部隊の壊滅へ挑みます」
「やる気がある事は良い事だ」
本当はこんなクソみたいな作戦には参加したくないんだけどな。これが仕方なくってやつか…
「ヒガン兵長、我々が成す任務は、奇襲部隊の壊滅。現場に直ぐに乗り込むものだ。奇襲と言うだけあって、部隊数、特定の兵士と情報は完全にわからない状態での戦闘となる」
「非常に厄介で、非常に苦しい戦闘となる。ヒガン兵長、今回配属された理由だが話している暇はないが察してくれ」
はいはい、そう言うことですか。
「今から移動に移る。警戒を怠るな!」
さてさて…パーティーの時間だ。