A physical puzzle
幼いアリスは自分の顔か嫌いです。
だから鏡なんか大っ嫌いです。
大っ嫌いデス!
殴りました、割れました、切りました、血が出ました、舐めました。
鏡の破片が舌に刺さりました。
引き抜きました、指に刺さりました、血が出ました、舐めました、刺さりました。
そうこうしている内に舌はボロボロ。
彼女は大きな鏡の破片を手に取り、小さな口をあんぐり。
付け根から舌を切り取りました。
肉体はポトリと落ちました。
アリスの愛らしい大きな瞳。
その左目がコロコロと転がっています。
眼球の奥から舌が生えてきたからです。
舌先で目玉がコロコロコロコロ・・・
彼女は左目ごと舌をギュっとつかんで引きずり出し、
鏡でサクリと切り取りました。
肉体はポトリポトリと落ちていきます。
すると、どうしたことでしょう。
アリスの整った鼻からは舌が生え、
アリスのいじらしい耳からは左目が生えてきました。
鏡でサクリサクリ。
舌は鼻ごと、目は耳ごと落ちていきます。
恥ずかしそうに体をくねらせたアリス。
体中がむず痒くてたまりません。
バッと服を脱ぎ白い肢体をあらわにします。
残った右目で割れた鏡を見てみると、
胸からは目が生えていました。
脇から耳、お臍から舌、股には鼻が。
サクリサクリサクリサクリ・・・
ポトポトポトポトポトポトポトポトポト・・・
生えては落ち、生まれては刺し、実れば奪う。
床に体がいっぱい落ちました。
僕らの可愛いアリスがどうなったか?
愛らしい彼女を描写する能力は私にはありません。
ただ、簡潔に申し上げるとするならば、
体から手足が生え、その先端からは指が生え、胸が出来、
頭が生えて、顔に目や鼻や耳や口や舌が張り付いています。
割れた鏡を見てアリスは残念そうな顔をしました。
そんなに悲しまないでください。
あなたはありのままで十分綺麗です。
ふとアリスが体を見ると一匹の大きな舌が、アリスの体をなめまわしていました。
「ねぇ、貴方は誰の舌?」