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VRMMO [AnotherWorld]   作者: LostAngel


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第九十八話

2024/11/09 一部を修正、加筆しました。

[第九十八話]


 なんとかライズとフーライを引き摺って灯台の入口まで戻って、鍵を閉める。


 時刻は二十二時。もういい時間だな。


「お~い。起きろ~」


 俺はそう言いながら、二人の頬をぺちぺちと叩く。


 しばらく叩いていると、二人とも目が覚めた。


「はっ。俺はなにを!」


「いたっ、いたた。なんだか体中が痛いよ」


「当たり前だろ。俺が引き摺って階段を下りたんだから」


 どうも二人とも記憶が曖昧みたいだな。


 俺は灯台の頂上であったことを二人に伝えた。


「へえ、それはなんというか、悲しい話だな」


「彼女のためにも航海でクラーケンを倒さないとね、トールくん」


「ああ、もちろんだ」


 彼女への手向けになるからな。


 さて、時間もいいところなので、今日はお開きにしたい。


「なあ、灯台で話も聞けたし、今日はもう解散にしないか?」


「賛成!ちょっと疲れたぜ」


「僕もログアウトしようと思う。街に戻るとしようか」


 皆の同意も得られたことだし、俺たち三人は平原を再び駆けるのだった。



 ※※※



 東門でセロトニカさんにはなにも聞かれなかった。


 逆にこちらから尋ねたいことがあるので、明日来てみよう。


「じゃあな、二人とも」


「じゃあな!」


「航海の日取りが決まったら連絡しておくれよ、またね」


 あ、決まっていたのにフーライに言うの忘れてた。


 気づいた時にはすでに遅く。


 俺たち三人はログアウトしてしまうのであった。



 ※※※



 あの後歯を磨いて寝て、翌日になった。


 四月二十五日金曜日。おはようございます。


 早速朝食を食べ、彰の部屋に向かう。

 

 雷太の連絡先を知らないから、学校で直接会いに行かないとな。あ、フレンド交換したからゲーム内のメールで連絡すればいいか。


 なんてことを考えながら、寮への道を歩いていく。


 彰の部屋の前に着くと、既に二人がいた。


 おかしいな。十分前に着くようにしたんだけど。


「ちょっとは早く来れるようになったじゃん!」


「これくらいで及第点ですわよ」


 はい、次はもっと早く来るようにします。


「じゃ、じゃあ気を取り直して入るか……。おーい彰、大丈夫かー」


 自分でも声がうわづっているのを隠せないまま、部屋のドアを開ける。


「う~ん……」


 寝室に入ると、彰は相変わらずベッドに横になってうなされている。


「あ、透、昇、静。おはよ~」


「昨日はご飯食べたか?食べないと元気出ないぞ!」


「うん、透が作ってくれたんでしょ、とってもおいしかったよ」


「それはありがとう。なんだか照れるな」


「透はいいお嫁さんになりますわ」


 俺は男だぞ。


「だいぶ元気になったけど、まだ熱っぽいかな。今日病院に行ってくるよ」


 バカな話をした後に、そう彰が言う。


「おっ、歩けそうか。それならよかった。あまり無理するなよ」


「うん。明日の夜の航海には間に合うように、全力で休むよ!」


 「全力で休む」とは意味が分からないが、意気込みは伝わってきた。


 頑張れ、彰!


 俺たちは口々に激励の言葉をかけ、部屋を後にした。


「しかし、元気そうでよかったぜ。航海に参加できないかと思ったぜ!」


「まあまだ症状が続くようだったら、俺たちが止めてでも休ませないとな」


「そうですわね、夜更かしさせるわけにはいかないですわ」


「そうだな!」


 学校への道すがら、そう決意する三人。


 そんなことを話しながら、今日もいつもと変わらない一日が始まるのであった。



 ※※※



 授業が終わり、放課後。


 三人で話し合った結果、放課後も彰のお見舞いに行こうということになった。


「やあ、すっかり良くなったよ!」


 彰の部屋に着くと、彼はすっかり元気そうだった。


 ベッドから起き上がって俺たちを出迎えてくれるくらいには元気になったみたいだ。


 よかったよかった。


 俺は部屋から持ってきたカップラーメンを彰に手渡す。


「これ、一押しの味。お湯沸かすだけで食べられるから、今日の夕食にどうぞ」


「ありがとう!ちょうど切らしてたから助かるよ!」


 喜んでくれたみたいだ。


「もう元気そうだから、これくらいでお暇しませんこと?」


「そーだな!あとは全力で休めよ!」


「お大事にな、彰」


「三人とも、ありがとう……!」


 彰は感激のあまり、目が潤んでいる。


 なんだよ、俺とお前の仲じゃないか。

 

「あったかくして寝るんだぞ」


 俺はあえて何も触れず、母親みたいなことを言ってドアを閉めるのだった。


 

 ※※※



「すっかり良くなって、良かったですわね」


「ああ!これなら明日の航海も余裕だろ!」


「とはいえ油断は禁物だな。明日の昼頃連絡してみるよ」


 帰り道、俺と昇と静は彰のことについて話していた。


 友達になって約一か月。たかが一か月だが、友達は友達。


 困ったときはお互い様だ。嫌だって言ってもこうやって全力でサポートするぞ、俺たちは。


 あ、そういえば、灯台で起こったことを静に共有しておいた方がいいか。


「ところで静に話があるんだが、実はアラニア東の灯台でこんなことがあってだな……」


 俺は灯台で起こったことのあらましを簡単に説明した。


 すると……。


「いやああああああ、ですわ!!」


 日が傾いた帰り道に、静の絶叫が響き渡るのだった。


 静ももしかして怖がり?

次回の投稿は二月一日(火)ですわ!

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