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VRMMO [AnotherWorld]   作者: LostAngel
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第百二十二話

[第百二十二話]


「ありがとうございました」


「気をつけてね」


 午前十一時にさしかかろうという頃。


 柔和な雰囲気を纏う騎士の人に見送られ、俺はブリザルドの街の北門から出た。


「思っていた以上だな」


 街の中にも積もってはいたが、平坦な場所に来て改めて実感する。


 辺り一面、雪だらけだ。ブリザルドとスノールは街道でつながっているはずだが、積雪で地面が見えない。


『溶かしがいがありそうじゃない♪』


 待て、バーネスト。いきなり燃やそうとするんじゃない。人気のないところまで我慢しろ。


『えー』


 えーじゃない。バーネストは火力の加減ができないだろ。


『しなくていいじゃない』


 よくない。スノールにたどり着く前に俺が干からびたらどうするんだよ。


 足元の雪を溶かすくらいなら、フォクシーヌのローブの『発熱』で十分だ。


「どうせ出番は来るだろうから、ちょっと大人しくしててくれ」


『……分かったわよ』


 本当に分かったのだろうか。


 不安を覚えつつも、俺は足を踏み出した。積雪は膝丈ぐらい、雪質はふわふわだった。


 ぞっ、ずぼっと、発熱の効果でさらに柔くなった雪を押しつぶしたり掻き分けたりする音が気持ちいい。冷たさや感触を感じることはできないが、足に特有の抵抗がかかって歩きづらい。


 子どものころ、大雪が降った後の公園で遊んだ記憶が蘇ってくる。まあ、高校一年の今も子どもと言えば子どもなんだが。


『私には一生分からない感覚ね』


 おい、しれっと回想に入ってくるな。


 なんて他愛もない話をしていると、やつのテリトリーに入ったようだ。


「……」


 数十メートル先で雪に身を潜めるようにしてブリザルドユキヒョウが一匹、獲物を見る目でこちらを見つめている。


 黒い斑点がまあまあ目立つので、こうしてそこそこの距離から察知するのも難しくない。


「『アクア・アロー』」


 まずは、あいさつ代わりの一矢。どうせ避けられるだろう。


 獲物からの奇襲に少し驚いたみたいだが予想通り、ユキヒョウはぴょんと跳躍して水の矢を躱した。


 だが、その隙を突く!


「『アクア・ソード』」


 瞬時に水の剣を杖に纏わせ、大股で雪を搔き分けながらユキヒョウに迫る。


 対してユキヒョウは口を大きく開けて牙を剥き出しにし、身を縮ませて跳躍体勢を取った。


 俺がユキヒョウの餌食になるか、俺がユキヒョウを狩るか。この交錯で、決着する。


 そう直感した俺は、あえて体の慣性に抗って急停止した。


「……!?」


 猫を大きくしたような魔物は目に見えて動揺したが、ため込んだ勢いは止められない。


 大口を開けたまま、突っ込んでくる。


「はあっ!!」


 これ以上にない絶好の機会。俺はその口内に水の刃を突き入れ、完璧なカウンターが決まった。


 結果として俺が、ユキヒョウを狩ったのだった。



 ※※※



 たまに襲ってくるユキヒョウやブリザルドペンギンを倒しながら進むこと、数十分。ようやく樹氷が見えてきた。


 スノール樹氷林の入り口に到着したようだ。スノールの街はこの樹氷林の中央に位置している。


「肩を温めておいてくれ、バーネスト」


『なによそれ?私はいつでも灼熱よ』


 人間特有の言い回しは、バーネストには通じなかった。


 まあいいだろう。俺は気を取り直して、氷の木々の中を分け入った。


「圧巻だな」


 しかし、樹氷はとても美しい。樹木に雪が覆い被さり、凍結することでこうも見事な作品ができあがるとは。


 リアルで見たことがないから、感動も一入だ。


『まあ、私の炎の次くらいにはきれいね』


 そこ、一言多いぞ。


「きゃあっ!」


「っ!」


 茶々を入れるバーネストと脳内で談笑していると、不意に女性の叫び声が響き渡った。


 俺は即座に臨戦態勢に入り、声のした方を見る。


 するとそこには、雪にまみれた大きな人型が女性に向かって腕を伸ばしている光景があった。


「『アクア・ランス』っ!」


 樹氷くらいの大きさをした人型の魔の手が女性に届く前に、俺は素早く水の槍を詠唱した。


 最高速度で俺から放たれたランスは頭部を貫通し、フォクシーヌのローブの効果で付与されている火属性により上半身の雪を溶かした。


「大丈夫ですか?」


「は、はい。ありがとうございます」


 氷の木偶の坊が息絶え、どうと倒れるのを待たずして女性に駆け寄り、手を差し伸べて立ち上がらせる。


 見たところ、けがはしていなさそうだ。服装からしてこの世界の住人だな。


「完全に油断していました。雪の下に宝物が眠っている気がして」


「た、宝物?」


 ん?思わず聞き返してしまった。


「はい。私リイラと言います。普段は採集師をしているんですけど、たまに雪の下の地面も探しているんです」


「雪の下の地面?なにか埋まっているんですか?」


「私はそう睨んでいます。文献を参照する限りでは、スノール樹氷林は何百年もの間、雪に閉ざされています。いつから雪が止まなくなったのかは分かりませんが、きっと積雪がひどくなる前に築かれた文明の遺物や、古代の宝物が手つかずで残っているはずなんです」


「それで、雪を掘るのに夢中になっている間に、ゴーレムに襲われたということか」


「お恥ずかしながら、そういうことになります」


 リイラと名乗った女性は、舌をペロッと出して後頭部をかいた。


 毛皮の帽子とコートに身を包み、下は水をよく弾きそうな撥水性のズボンに頑丈そうなブーツといった着こなし。


 採集師の彼女は樹氷林を歩き慣れているようだが、完璧に樹氷に擬態する人型の魔物には成すすべもなかったようだ。


「いつもこうなのか?言っちゃあ悪いが、あるかどうか分からないもの目当てに毎日命を張っているのか?」


「それは違います。普段はお金を出して護衛の依頼をしているんですが、先日貯蓄が底をつきまして……。護衛はおろか日々の食料にさえ困るようになってしまいまして、今日から一人で樹氷林に繰り出していたのです」


「それは、なんというか……」


 ダメ人間、という一言が頭に浮かんだが、口に出す前に思い留まった。


 俺がこれまで会ってきた[AnotherWorld]の住人はもれなくしっかりした人たちばかりであったため、絵に描いたような駄目っぷりに踊りてしまった。


「採集師は稼げないのか?」


「スノールにおいては稼げないですね。年中曇っていて雪がすごいので植物は生えませんし、希少な金属の鉱脈があるわけでもない。雪と氷と枯れ木しかありませんので、採集師からの人気は皆無です。実際、スノールを拠点にしている採集師は私だけです」


「それなら、どうやって稼いでいるんだ?別の街に遠征しているのか?」


「ふっふっふっ、よくぞ聞いてくださいました」


 リイラは人のよさそうな顔をどや顔に変え、ぴんと立てた人差し指を左右に振った。


「なにを隠そう!私は樹氷林の落とし物を回収して届けるビジネスで、お金を稼いでいるのです!」


「落とし物?」


 急に出てきた単語に、俺はオウム返しせざるを得ない。


 回収して届けるということは、それなりに落とす人が多いのか?


「そうなんです。スノールの街に来るには樹氷林を通らないといけないのですが、ここスノール樹氷林にはスノーツリーゴーレムやブリザルドユキヒョウなどのアクティブな魔物がいます。襲われる商人が多く、積み荷を落とすことが多いんです」


「なるほど。皮肉にも落とし物が発生するおかげで、物を探し当てる能力に優れるリイラが儲かれてると」


「はい。でも、私が持てる量しか回収できないので、全部は取り戻せないんですけどね」


 [AnotherWorld]の世界には重量の概念がある。一定以上の重さのものを持つなり、インベントリに入れた状態にすると、システム的な仕様により一歩も動けなくなる。


「そういえば、あなたのお名前は……?」


「すまん、紹介が遅れたな」


 俺はローブの襟を正し、こほんと小さく咳払いする。


「俺はトール。伸ばす棒の『ー』で、トール」


「トールさんですね。水魔法を使われていましたが、すごい威力でしたね。一撃でスノーツリーゴーレムを倒すなんて」


 あの人型の魔物はスノーツリーゴーレムというのか。名前からして、樹氷に擬態する魔物だろう。


 心の中で得心しながら、俺は頷いてみせる。


「装備とレベルが高いおかげだな。まあ、詳しくは歩きながら話そう。別の魔物が来るかもしれない」


「そうですね」


 樹氷林のど真ん中でおしゃべりしている状態なので、俺とリイラは歩き出した。


 フォクシーヌのローブを着ている俺が先頭に立つ。


「わあ。雪が溶けてます」


「このローブが発熱しているんだ」


「素晴らしい装備ですね。まさに雪道にぴったり」


 自慢しない程度に機能を紹介すると、さりげなく褒めてくれる。


 リイラもいい人だな。ダメ人間の節があるが。


「道はこっちであってるか?」


「はい。このまま真っ直ぐです」


 先を行く以上道を知らないと困るが、歩いてきた方向を記憶していたので間違ってはいないようだ。


「それじゃあ、慌てず急がず行こう」


「はい!」


 俺は心強いガイドを従え、スノールの街を目指した。



 ※※※



「あっ、ちょっと止まってください」


 歩き始めて数分後。リイラが一本の樹氷を指差して声を上げた。


「まさか、ゴーレムか?」


 数十メートル先にあるそれは見たところ、ただの樹氷にしか見えない。


 ゴーレムだけにある見た目の特徴などがあるのだろうか。


「いえ、スノーツリーゴーレムではありません。木の上部を見てください」


 そう言われたので、俺は目を凝らしてみる。


 すると、なにか違和感を感じた。


 一般的に、というか当たり前だが、樹氷は氷で覆われているので、青みがかった白色をしている。だが、リイラの示した部分は青が含まれていない純粋な白色をしている。


 あれはなんだ?氷じゃないということは、魔物の肌か?それとも、毛か?


「あれも擬態しているのか?」


「そうです。名をスノールシロフクロウと言います」


 スノールシロフクロウか。スノールに生息するシロフクロウというわけだな。


 シロフクロウならなんとなく知っている。リアルにもいる動物で、雪原などに棲む白いフクロウの名前だ。


「でかいな」


 木の上部というか、樹氷の先端に擬態しているスノールシロフクロウは、かなりの大きさだ。頭から足まで二メートルくらいはあるんじゃないだろうか。


 体重がかなりありそうだが、土台の樹氷がしっかりと屹立しているおかげで崩れたりはしないんだろう。


「まるまる太ったスノールユキウサギが主食ですからね。あれくらいが標準サイズです」


「ユキウサギもいるのか」


「はい。トナカイやシカもいますよ」


 軽い口調で魔物の説明をするリイラ。話し慣れているんだろうな。


「それはともかく、どうしますトールさん。シロフクロウは普段人を襲いませんが、空腹時は例外です。羽や嘴、足や肉といった部位は高値で取引されますし、倒しても損ではありませんが……」


「そうだな、挑んでみるよ」


 リイラは戦わずに迂回することも考えているようだが、俺は挑戦を表明した。


 せっかく戦いの機会があるのだから、挑まずにはいられない。


「それなら、お気をつけて。そこにいると分かれば気楽ですが、スピードがあるので」


「分かった」


 助言ももらい、俺は前に進む。


 リイラは少し後ろに下がり、安全な樹氷の陰に隠れた。


「さあこい」


 そして、俺はわざと大股で目的の樹氷に近づく。


 リアルのシロフクロウと同じなら、獲物が出すわずかな振動を感じ取って滑空してくるはず。


 悟られないように擬態に注意を離さないように、十歩ほど踏み出したとき……。


 そらきた!


「……」


 特に鳴き声は上げず、羽ばたく音も立たず、スノールシロフクロウが突然両翼を広げ、俺に向かって飛び込んできた。


 真っ黒で鋭い一対の爪が、俺の顔面に向かって迫ってくる。


「『アクア・アロー』!」


 来ると分かっている攻撃。遠距離の魔法でも対応できると判断した俺は、水の矢を素早く放つ。


「ギイイッ!」


 頭部にめがけて撃ったが、シロフクロウは反応してとっさに上昇した。


 そのせいで、硬そうな足の部分にアローがヒットする。


「ちっ」


 速いな。


 大きな翼のおかげで、空中での姿勢の制御や飛ぶ方向、スピード、角度、高さなどが自在に調節可能というわけか。


「……」


 おまけに、その大きな目。


 フクロウ特有の優れた動体視力が、魔法への的確で素早いリアクションを可能にしている。


「……そうかい」


 間違いなく、ブリザルドユキヒョウより強い。


 俺は気を引き締める。


 滑空の勢いを利用し、シロフクロウが別の樹氷に停まった。


「『アクア・ソード』」


 遠距離は駄目だ。避けられる。


 俺は杖に水の刃を纏わせ、シロフクロウの止まる樹氷へ走る。


「……」


 対してシロフクロウは、俺をターゲットに再度滑空してくる。


 攻撃パターンが単調なのが救いだな。


 俺はそう思いつつ、繰り出される黒い足にぶつかるように杖を振る。


 水の刃が足に食い込むも、あまりに硬いのかまったく斬れずに水が浸透する。


 だが、それこそが俺の狙いだ。


「『アイス・フリーズ』」


 すかさず『アクア・ソード』の維持をやめ、インベントリから雪豹の杖を取り出して氷魔法の『アイス・フリーズ』を発動する。


 『アイス・フリーズ』は対象を凍らせる魔法だ。対象が濡れていて凍りやすい場合、より凍結の効果が強まる。


 今回対象に取ったのは、『アクア・ソード』で生み出された水。本来、杖を二本持ったとしても同時に魔法を二つ以上発動するのはほぼ不可能だ。しかし、何事にも裏技がある。


 今回は、『アクア・ソード』を解除しても生み出された水が消えないという原理を利用した。フクロウの足が接触した瞬間に『アクア・ソード』を解除し、氷魔法用の杖で『アイス・フリーズ』を発動することで、水の刃で受けたシロフクロウの足を凍結させるという芸当を実現させたのだ。


「ギイッ?」


 急に足の自由を奪われ、困惑の鳴き声を上げるシロフクロウ。


 ただ、未だ戦意は衰えず、大きく羽ばたいて距離を取ろうとする。


 だが、自身の重さに氷でつながっている俺の重さが加わっているせいで上手く飛べない。


「ぐっ!」


 暴れるフクロウに負けじと、俺は凍結した水魔法を発動する方の杖を両手で握る。


 この手綱を手放してしまったら運の尽きだ。シロフクロウを倒せないどころか、氷でくっついている杖を失ってしまう。


 かといって、杖が凍っているせいで水魔法は撃てない。一応、対象の凍結が完了した段階で『アイス・フリーズ』の効果が終了して別の魔法を発動できるのだが、水魔法用の杖で水魔法を撃つと氷が砕けてしまうのでできない。


 ならば、どうするか。


 水魔法が使えないのなら、氷魔法があるじゃない!


「『アイス・ランス』っ!」


 対象はもがいているが、超至近距離なので外すわけがない。


 無難に胴体を狙った氷の槍は、見事命中。


 つららのような一撃で胸部を貫かれたスノールシロフクロウは衝撃ですっ飛び、大きな翼を広げたまま雪の上に転がった。


「ふう、はあ……」


 水と氷の二属性が扱える杖を手に入れるまでは、こうした戦い方もありだな。


 アドレナリンが切れて徐々に冷めていく頭の中で、俺はそんなことを考えていた。



 ※※※



「お疲れ様です。ここがスノールです」


 十数分後の午前十一時三十分。


 乱立する樹氷の中をさまよっていた俺とリイラは、スノールの街に到着した。


 いや正確に言うと、スノールの南門だな。


「……ブリザルドの街並みとあまり変わらないな」


 視界いっぱいに広がる家々を見て、ぽつりとこぼす俺。


 街中には黒っぽい石造りの建物がゆったりとした間隔で並んでおり、厚い積雪も相まって堅牢で重厚な印象を受ける。また、ブリザルドのそれより屋根が尖っており、より雪の影響を受けているのだと感じる。


「幻想的だと、初めて来る方は言いますね。生まれも育ちもスノールの私にとってはこれが普通なんですけど」


 日本人で言う、北海道や東北地方の日常みたいなものか。ローカルな部分でもリアリティがあって面白いな。


「テレポートクリスタルが中央の広場にありますので、忘れずに登録していってください。今日はありがとうございました」


「ちょっと待ってくれ」


 騎士団による検問をつつがなく終えた後、礼を言ってそそくさと別れようとするリイラに、俺は待ったをかけた。


「なんです?」


「こちらこそ礼を言いたい。一人で来てたら擬態しているゴーレムやシロフクロウに気づけなかった」


「トールさんなら、奇襲されても大丈夫でしょう」


 リイラはそう言うと、ふふふとかわいらしく笑った。


「いいや、どうだろうな。負けていたかもしれない。……とまあそれは置いておいて、改めてお願いしたいことがある」


「なんですか?」


 リイラと出会っていいことを思いついたので、早速言葉にして行動に移していく。


「樹氷林になにが埋まっているか、俺も気になる。代金はいいから、予定が合えば護衛に雇ってくれないか?」


「え、いいんですか?何時間も連れ回しますよ!?」


 俺が護衛を申し出ると、リイラは目を大きく輝かせ、早口で聞き返してきた。


「それくらいならお安い御用だ」


「ありがとうございます!嬉しいです!」


 リイラは忠犬が飼い主に尻尾をぶんぶんさせるかのごとく、大喜びしている。


 カナメさんとは違ったかわいさだな。例えるなら、マジメかわいいといったところか。


「早速、今日の、お昼食べた後とか、どうですか!?実は、ある程度場所の目星がついてきてるんです!」


「午後か、いいぞ。一緒に行こう」


 樹氷林は手ごわい魔物が多い。護衛代がなくても、魔物を適当に倒して素材を得れば儲けられるはずだ。


「でも、本当にいいんですか?トールさんの貴重なお時間を頂いてしまいますが……」


「ああ、なにも問題ないさ」


 ここは俺たちプレイヤーの攻略最北端。


 勝手を知らない俺が単独で動くより、土地勘のあるNPCと行動した方がいいだろう。


 それにこの世界、[AnotherWorld]の歴史を紐解くことは、なにかとても大事に思える。ノーレッジの件があったからだろうか。


「もしなにか引け目を感じるなら、情報をくれないか?スノールのこととか、歴史とか」


「そんなことでいいんですか?」


「俺にとってはむしろ、情報の方がタメルより何倍も価値がある。ぜひ教えてくれ」


「それなら了解しました!なんでも聞いてください!!」


 こうして、南門から中央広場までの間、リイラから有用な情報を得ながら、俺は北のフロンティア入りを果たすのだった。

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