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超短編集(笑)

〔漫才〕悪役令嬢にチートスキル『自動化』が覚醒しました

作者: M

筒込(つつこみ):ツッコミ担当。長めで説明臭いツッコミをする。

木瓜(ぼけ):ボケ担当。あやしい関西弁を使う



筒込「な・ん・で・す・か、このタイトルはっ!?」


木瓜「今度、僕が書こうと思うとる小説。悪役令嬢にチートスキル『自動化』が覚醒しました。」


筒込「何でくっつけた!? 悪役令嬢とチートスキルを何でくっつけたのかっ!」


木瓜「どっちも人気ジャンルやし。一緒にしたら爆売れやろ。」


筒込「いやいやいやいや、売れないよ。間違いなく失敗する。そんなんで書籍化アニメ化夢見てるんじゃない。〇川も鼻で笑うって。」


木瓜「何でや。人気のあるもん足したら、もっと人気になるに決まっとるやろ。」


筒込「人気や勢いのある物でも『混ぜるな危険』って事があるんだよ! お前さ。以前、つけ麺にタピオカ入れたろっ。『つけ麺とタピオカ人気だから、混ぜたら爆売れ』って言った時のドヤ顔覚えてるからな!」


木瓜「あれは悲しい事件やった。」


筒込「汁の中にタピオカ沈んでて見えないし、麺とは一切絡まないし、最後に残った魚介スープの香りのする生暖かいベタベタとしたモチモチ…。」


木瓜「今度は小説だから大丈夫やって。」


筒込「何だその自信は。どこからその自信がやってくるんだ? 悪いことは言わないから、止めとけって。悪役令嬢とチートスキルのどっちからしても二番煎じになるだけだろ。新しさが全くない!」


木瓜「そこは考えとる。任せろ。」


筒込「ほう…まあ、どんな話かだけ聞こうか。」


木瓜「悪役令嬢と皇太子と聖女が出てくる。」


筒込「基本だな。皇太子の婚約者である悪役令嬢が、聖女に婚約者の座を奪われるって話だね。王道というより、ベタな展開だよ。」


木瓜「三人で魔物討伐クエストにいくねん。」


筒込「あー。チートスキルが出てくる話ってたいがい冒険者の話だから、魔物を倒さないとね…って、令嬢と皇太子だからさ! 彼らは魔物倒さないからっ! 勇者にヒノキの棒と五十コイン渡して、『行ってらっしゃい』って言う側の人達だよ!」


木瓜「ところが悪役令嬢の自動化スキルが期待はずれ。」


筒込「そうそう。チートスキルって、初めの頃の効果は微妙なんだよ。実はそれが規格外のチート能力だったって分かるのは、レベルが上がった後になってからなんだよな。ベタだな、実にベタだな。お前の作ったタピオカつけ麺よりベタベタだよ。」


木瓜「役立たずと言われ、パーティーを追い出される悪役令嬢。」


筒込「ってか、悪役令嬢が追い出されるパーティーってのは婚約発表式典とかのパーティーだからね! 冒険仲間って意味のパーティーじゃないよ。泥臭くも血生臭くもない、紳士淑女がキャッキャッウフフするパーティーだよ。…いや、キャッキャッウフフかどうかは知らないけれども。」


木瓜「悪役令嬢は辺境に逃れて、自動化スキルでスローライフを楽しむんや。」


筒込「チートスキルでスローライフ、ありがち。そこで自動化スキルの本領発揮されるんだな? で、辺境の町がめっちゃ発展して、悪役令嬢は幸せを手に入れる。そして、皇太子に婚約破棄したことを後悔させるんだ。ざまぁって感じで! そうか…。悪役令嬢もチートスキルも『ざまぁ系』の話だし、くっつけても相性は良いのかもしれないな。」


木瓜「せやろ。」


筒込「ドヤ顔すんなって。だが、やはり話の先が予測できてしまう。つまり、新しさがないってことだよ! もうそれは、ユーチュバーが再生回数増やすために、ゲーム実況始めちゃうくらい新しさがないよ。」


木瓜「悪役令嬢に嫉妬した皇太子は呪いを掛けてくる。」


筒込「ちょっと、突然ホラーが入ってきたよ。何でもぶち込んだら良いって訳じゃないからな! 節操ないのは嫌われるよ。レビューで『十五話までは楽しく読めたんですが、そこから切りました』とか書かれちゃうよ。」


木瓜「悪役令嬢は、聖女を自動化してやり返す。」


筒込「聖女を自動化…だと…。なんだそのパワーワード。そもそも自動化って何がどうなるスキルなんだよ。」


木瓜「負けじと皇太子も魔物を支配して、悪役令嬢に戦争を仕掛ける。」


筒込「皇太子、魔物討伐だけじゃなくて支配までしちゃったかぁ。でもそれ、魔王のやることだよ。」


木瓜「自動化スキルを最大限に発揮した悪役令嬢と皇太子率いる魔物軍団の、世界を巻き込んだ最終決戦! 勝者がこの星の運命を掴む。」


筒込「ちょっ、突然スケールが大きく…」


木瓜「激しい戦いを終え、お互いを理解しあう二人。そこには、真実の愛が芽生え始めようとしていた! しかし、悪役令嬢と固い握手を交わした皇太子は、…砂となって消えた。」


筒込「皇太子、完全に魔王の死に方…」


木瓜「風が吹き抜ける焼け野が原に、ただ一人立つ悪役令嬢。そのお腹には、未来の希望となる命が宿っていたのだった…。完!」


筒込「『完!』じゃねえよ。だからドヤ顔すんなって。何、無理やり大団円っぽく終わらそうとしてるんだ。いろんな事が突然起こりすぎて、迷子になってますけどぉ。」


木瓜「『チートスキルの悪役令嬢が世界の終わりで愛を叫ぶ!』乞うご期待。」


筒込「もうタイトルから変わってるじゃん。」


木瓜「乞うご期待!」


筒込「待て。」


木瓜「なんや?」


筒込「それ、俺が書く。」


木瓜「お前が書くんかよ!やめさせてもらうわ。」


筒込・木瓜「ありがとうございました。」


パーティーのくだりがやりたかっただけなんです。

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