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074 僕、おじいちゃんにみんなと仲良く正座させられる

 辺りが急に暗くなった。


 あ、この感じは。間違いない。


「ウルヴァースおじいちゃんまで来たんだ」


 ウルヴァースおじいちゃんの圧倒的存在感が降りて来ている。

 僕の心臓が速度を増して行く。


 やっぱウルヴァースおじいちゃんはカッコいいし、めちゃくちゃ強いなぁ。


 段々と巨大な姿が見えてくる。

 その巨大な魚影は圧巻だ。鱗の1枚が僕より全然大きい。


 辺り一帯を暗くしてしまうほど大きいんだから当然だけど、凄いよね。

 30mを超えるお父さんが小さく見えるよ。


 四神獣の天魚ことバハムート。本当に圧倒的な存在感だね。


 そして、その場にいる全員に念話が届いた。


『そこまでじゃ』


 どうやらウルヴァースおじいちゃんは戦争を止めにきたみたい。

 その声に対して勇者リューンが声をあげる。


「ウルさん、ちょっと待ってくれ。別にあんたには迷惑かけてねえだろう?」


 先生に怒られる高校生のように反発した。


『黙らんか!!!』


 それをウルヴァースおじいちゃんが一括。

 それだけで大気がビリビリと震える。


 勇者リューンは黙り込んだ。


 あ、ウルヴァースおじいちゃんの矛先がシー姉に変わった。


「シー、お前まで何をやっとるんだ!!!

 儂ら四神獣が地上で暴れるとどう言う影響があるかわかっとるじゃろうが!!!」


 シー姉も黙り込む。


 2とも怒られてやんの。

 と笑っていたら、僕にも来た!?


『何をお前は他人事のように聞いとるか!』


「いや、でも僕らが攻められてたんだよ?そう、正当防衛だよ」


『黙らんか!』


 僕も黙るしかない。

 ウルヴァースおじいちゃんの怒鳴りを前にして、なおも反抗的態度を取れるやつはこの世界には存在しないんじゃないかな。


 その時、イェスタくんがやって来た。


「なんかとんでもねえのが来たと思って見に来てみればウル爺かよ。

 つかなんだお前ら。ウル爺に怒られてんのか? ウケるな」


 イェスタくんにちょっとイラっとした。


『お前ら、全員正座じゃ』


 ウルヴァースおじいちゃんが説教モードに入っている。僕はちょっと冷や汗が出て来た。


「ははは、マジでお前ら何やってんの?」


『イェスタ、お前も早く正座せんか!』


「え? オレも?」


 イェスタくんもウルヴァースおじいちゃんの圧力に負けて正座してる。ウケる。


 僕とイェスタくん、勇者リューン、シー姉は4人並んで正座している。その横で召喚したお父さんがちょこんと座っている。

 遠くでは3執事やアイルちゃん達まで正座している。そりゃ直接自分達に言われてなくても正座しちゃうよね。


 暗かった辺りがパアーッと明るくなる。

 すると、人型になったウルヴァースおじいちゃんが空からゆっくり降りてきた。


 白髪をオールバックにし、堀が深い顔に片眼鏡(オルクル)を付け、燕尾服を着た壮年の男性。

 久しぶりに人型のウルヴァースおじいちゃんを見たけど、やっぱ激渋。人型もかっけえ。

 僕もこんな年の取り方をしたいよ。


 ただ、やっぱ存在感がハンパじゃない。それは僕たちがみんな黙って正座していることからもわかると思う。


 正座しながらこれから怒られると思うと少し憂鬱だし冷や汗も出てるけど、久々にウルヴァースおじいちゃんと面と向かって話せると思うと嬉しさとか楽しさが込み上げて来た。


 横の3人は青ざめているけど、僕はニヤニヤが止まらなかった。

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【世界最大の敵の元魔王、現在はウエイター見習い 〜人間の領地を侵攻中の魔王が偶然出会った町娘に一目惚れした結果、魔王軍を解体してそのまま婿入りしちゃった話〜】

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