069 オレ、魔王とのんびり将棋を打つ
「イェスタくん、将棋しよう!」
「は?」
ダイキの部屋に行ったらお茶に誘われ、一緒に紅茶とクッキーを楽しんだいるとダイキが突然言い出した。
戦場では配下たちが必死に戦ってんじゃねえのかよ。
「将棋だよ、将棋。もしかして知らない?」
「いや、知ってるけど。なんで今するんだ?」
「??? 楽しいよ」
はぁ〜と、オレは深いため息を吐いた。
「お前は本当に呑気だな」
「そんな事ないと思うけどなぁ」
「まあいい。将棋するんだろ? オレは弱いけどいいか?」
「ぜんぜんオッケーだよ。僕もそんな強くないし」
「じゃあ、用意しろよ」
「わかった」
パァ〜っとわかりやすく笑顔になり、将棋盤と駒を取りに行った。
それを見ながらオレはダイキのことを考えていた。
やっぱ呑気だとは思う。配下を戦わせて自分はお茶をして将棋をして、だもんな。
ただ、あいつが常に空間魔法で戦況を見て、いざとなればいつでも助けられるように配下に気を配っているのはわかる。
オレは空間魔法に詳しくないからちゃんとはわからないが、もっと他のやつらのことも見守ってそうだ。
表面だけ見ると、とても魔王には見えないんだけどな。なんだかんだでダイキはやっぱすげぇよ。
ダイキが将棋盤と駒を凄く嬉しそうに持ってきた。
ダイキは席に着くなり、
「先攻は譲ってあげるよ」
と調子に乗ったことを言ってきた。
少しイラっとした。
強くないと言いつつ、初心者には負けないと思ってるんだろうな。
「じゃあ、行くぞ。後悔するなよ」
「ふふん、揉んであげるよ」
開始からしばらく。
この対局は、白熱……
しなかった。
「詐欺だー!!! めっちゃ強いじゃん!!! イェスタくんの嘘つき!!!」
「いや、お前が弱すぎ……」
「そんなことないよ! 僕だってサン相手だと3回に1回は勝てるもん!」
その戦績もすげえ微妙じゃねえか。それにサンがそんなに負けると思えない。
「それだって、接待されてんじゃねえの?」
ガーーーーン。
ダイキは、そんな音が聞こえてきそうな表情を見せた。
そして、ダイキは机に突っ伏した。
ダイキが動かなくなったからオレは紅茶とクッキーを食べた。
やっぱこの紅茶はイマイチだな。
そう思っていると、突然ダイキが起き上がった。
「ぜんぜん関係ないけど、イェスタくんは勇者リューンやシー姉と戦ってみたい?」
マジでぜんぜん関係ないな。
「まぁ、戦って見たいっちゃみたいが、別にいい」
「そうなの? 僕とは初対面で喧嘩しろって言われたけど」
「っ!!! 昔の話してんじゃねえよ」
オレは顔が赤くなるのを感じた。
少し自分を落ち着かせてから答えた。
「オレは守れればいい。もう自分勝手に暴れたりはしねえ」
「へ〜。イェスタくんは強いなあ」
「なんだよ」
「なんでもないよ」
お前にそう言われると照れるじゃねえか。
オレは顔を背けた。
するとダイキは、
「イェスタくん、もう1局打とう。お願い!」
と目をキラキラさせた。
「まあ、いいけど……」
「やった!」
ダイキは今度は勝つと息巻いている。
「今度は先攻は譲ってやるよ」
オレはドヤ顔でダイキに言ってやった。
「なにお〜、イェスタくん。後悔することになるよ」
そしてダイキの先攻で2局目が始まった。
しばらくして、
お、さっきよりはマシだな。
オレがそんな事を考えていると、ダイキが急に真顔になった。
「イェスタくん、対局の途中で悪いけど、行くね」
「ああ、行ってこい」
ありがとうと言い残してダイキは転移した。
おそらく、前線に飛んだんだろう。
オレは空間魔法が得意じゃないからわからないが、ダイキにはわかる重大な局面を迎えたって事だろう。
「やっぱお前はすげえよ」
オレはそうつぶやいていた。そして、
「オレはお前と友達になれて良かったよ」
自然とそうこぼしていた。
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