067 私、腹黒を倒しほっとするのもつかの間、異次元の戦いに呆然とする
「慄け腹黒! これが魔剣ダインだー!!!」
凄まじい光が腹黒に襲いかかりました。
ガガガガガガ!!!!!
さっきまでとは違う音が響きます。
さっきまでよりは効果があったと思いますが、決定打にはなりません。
「ふふふ、何かと思えば。これが奥の手のようですが、それもこの程度ですか?」
相変わらず腹黒は私を煽ってきます。
しかし、私は余裕の表情を崩しません。
「なんですか? 奥の手が防がれたのですよ?」
私はふっと笑ってから、話します。
「それはまだ奥の手の1手目。本番はこれからですよ」
腹黒の眉間にシワが寄るのがわかります。
そして私は続けます。
「では私からもお聞きします。その斬撃をいつまでそこに留めておくつもりですか?」
「っ!!!」
腹黒が目に見えて焦り始めました。
そうなのです。腹黒は先ほどの一撃を確かに防いでいますが、その斬撃は腹黒の結界にぶつかったまま、そこに留まっているのです。
私は大剣を再び上段に構えます。
「ま、待って!!!」
「待ちません!!!」
腹黒が言う言葉に食い気味で言い放つと、私は大剣を振り下ろしました。
再び凄まじい光が腹黒に向かっていきます。
その斬撃は最初の一撃と寸分違わず同じ位置にぶつかります。
すると、それらの斬撃は1+1=2どころか3、いや、4程の威力を持ち始めました。
「クッソが〜!!!」
いきなり4倍の威力に膨れ上がった斬撃を腹黒は必死に防ごうと踏ん張ります。
それを尻目に私は再度大剣を上段に構えます。
「ちょ、ちょっと!!! 待って!!!」
私はその言葉を無視して3回目の斬撃を放ちます。
これもまた、先の2回と同じ位置にぶつかり、増幅された斬撃は凶悪な威力を持ちました。
「クッソ!!! こんなもの!!!」
腹黒はなおも防いでいます。
それを見て私は4回目の準備を始めます。
「もう、もうやめて!!! これ以上は!!!」
私はそれを聞いて満足そうに笑いました。
「やめません」
そう言うと私は4回目の斬撃を放ちます。
ばり〜〜〜〜〜〜〜ん!!!!!!!!!
これも同じ位置にぶつかると、大きな衝撃と凄まじい轟音とともに腹黒の結界を破りました。
光が収まった時、服もボロボロで全身から煙を吹き出す腹黒が、そこにいました。
結界である程度は弱めたとはいえ、まだ立っていることには驚きを隠せません。
「第九位階闇魔法<<暗黒の拘束>」
私は闇魔法で腹黒を拘束しました。
流石にこの状態では私の闇魔法を防ぐ力は残っていなかったようですね。
室長のおかげもあり、私は腹黒に勝利しました。
すると、副魔将軍ダリオ・サムランさんと亜人部隊の隊長であるドサさんがやって来ました。
「終わりましたか。アイル様」
「ええ。少々時間がかかってしましましたが」
「とはいえエゲツない技じゃった」
「いえいえ、あの程度ではダイキ様を執務室に縛り付けるには足りません。私ももっと精進しないと」
ドサさんは苦笑いをしています。
そこに大魔将軍セリュジュ・ガーネットさんが転移でやって来ました。
「お、終わっているようですな」
「ええ、あとは3執事の方々ですね」
ここに来てようやく私達は3執事の方々と伝説の勇者リューン、海龍様の戦いを直視しました。
どうやら周辺への影響を考えて、3執事のサン様が結界を張っておられるようです。
結論から言うと、結界の内部は地獄でした。
海龍さまの水魔法、3執事のコウ様の火魔法、シュン様の雷魔法が吹き荒れています。
そのどれもが第十位階以上と目されました。
加えてリューン様が聖剣を振るっているのです。
私達ですら、足手まといにしかならないことが一瞬で理解できました。
「なんなんじゃ、あそこは……」
ドサさんもダリオさんもセリュジュさんも言葉を失っています。
私達はしばしの間、呆然と立ち尽くしました。
とにかく今できることをしなくては。
私はハッとして、ドサさんに話しかけます。
「ドサさん。あなたの倒した聖の勇者と私の倒したこの腹黒を一旦魔王城に持って行ってきれませんか?」
「よっしゃ。なら行ってくるわ」
ドサさんはすぐに転移で魔王城に行ってくれました。
しかし残った私達は、ただただ、異次元の戦いを見ていることしか出来ませんでした。
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