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065 おい、聖の勇者の心の隙をつく

「固有スキル発動」


 聖の勇者の雰囲気がいちだんと険しくなりおった。


「うお、いよいよかいな」


 おいは気を引き締めた。


「先手必勝じゃ!!!」


 おいは第八位階火魔法を放った。


「また、止まるんじゃろ?」


 おいは聖の勇者が第十位階聖魔法により動きを止めている間は無敵であることはわかっとるから、むしろ距離があるうちに攻撃を続けることにした。

 少なくともおいが攻撃しとる間はあいつは動けんからな。


 しかし、聖の勇者はおいの火魔法を受けながらこっちに突っ込んできおった!?


「なんじゃと!?」


 聖の勇者は確実に燃えとるのに、燃えとるのに体が形を保っとる!?

 第八位階じゃぞ!?

 普通はあっという間に燃え尽きてまうんやぞ!?


 おいは思わず短距離転移して距離をとってしまった。


「しもたっ!」


 短距離転移は、両者が共に高レベルで転移が使える場合、先に転移すると転移先を読まれるため、先に転移した方が後手に回ってしまう。

 じゃが、こいつの場合、短距離なら下手すると転移並の速さで動けるから今までは使って無かったんじゃが。

 転移を魔王様くらい使いこなせんうちは高レベルでの戦いで短距離転移は完全に失敗じゃ。


 そう思う間に背後からぶった切られた。


 おいは避けきれないと判断し、全力で身体強化を背面に集中したため、なんとか一撃で瀕死になるのを回避した。


「ぐふっ!!!」


 やばい! 2撃目が来る!!!


 おいは火魔法を応用して自爆して無理やり聖の勇者から距離を取った。


「聖魔法」


 おいは聖魔法で斬られた背中と自爆で負傷した部分を聖魔法を使い回復をはかった。


「はぁ、はぁ、はぁ」


 爆煙がはれて、聖の勇者の姿が見えてきた。


「嘘じゃろ!?」


 聖の勇者はまったくの無傷じゃった。


「どうしたドサ。顔が青いぞ」


 ほんまに化物じゃな。

 じゃが、ノーリスクで無敵になれるなら最初から使っとるはずじゃ。


 おいは軽く火魔法を放ってまた距離を取ろうとした。


 その火魔法を聖の勇者はまったく避けず、真っ正面から火魔法をくらった。


「なんじゃあ!?」


 避けるどころか聖剣で払うことすらしないじゃと!?


 しかし、くらって燃えたはずの聖の勇者はみるみるうちに元に戻っていった。


 おいおい、聖魔法とかの域を超えとるぞ!?

 低位階とはいえ真っ正面からくらえば普通に死ぬぞ!?

 それがものの数秒で元通りじゃと!?


 そうか! これが固有スキルか!!!


 じゃがこれは厄介(やっかい)じゃ。

 無敵と変わらん。


 つまり防御無視で攻撃をしてこれるってことじゃ。


「策は無しか?」

「……」


 おいは何も返せん。


「残念だ、ドサ。では、死ね!!!」


 また聖の勇者は脇構えのまま突っ込んできた。


「はあ、しゃーないわ」


 おいは亜空間収納から魔導爆弾を取り出した。


「何!?」


 その瞬間、聖の勇者の動きが一瞬止まる。


『トラウマっていうのがあってさ、心に負った傷って中々なくならないんだよね。だからいざとなったら渡した魔導爆弾を出したらいいよ。たぶん一瞬動きが止まるよ。体じゃなくて心が反応しちゃうんだよ』


 おいはダイキ様の言葉を思い出す。

 何のことかよく分かっとらんが、とにかく効果はあったわけじゃ。


 おいはその隙を見逃さず、空間魔法を応用して聖の勇者を2m角のボックス型の結界に閉じ込める。


「こんなもので、私を閉じ込めたつもりか?」


 聖の勇者は聖剣を全力で振るった。


「何だと!?」


 結界には傷一つ付かなかった。


「ふぅ。やっと終わったわ」

「貴様!」


 聖の勇者は尚も攻撃を仕掛けるが、おいの結界はビクともしない。


「なぜだ!!!」


 おいは一息ついてから話した。


「おいはな、旧魔王のおっさん2人みたいに第十位階魔法は使えん。じゃけど、全ての属性を第八位階まで使えるんじゃ」

「それがどうした」

「加えて、魔王ダイキ様直伝の多属性同時発動(マルチムーヴ)が使えるんじゃ」

「……???」


 聖の勇者は何を言うとるかわからん顔をしとる。


「簡単に言うとじゃ、1つの魔法に2つの属性を同時に使うことで効果をあげられるっちゅうわけじゃ。火と風を同時に使って火力を上げるとかがわかりやすいか」

「そんなことが可能なのか」

「おいにはそういう才能はあったんじゃ。

 そいで、おまいに使った結界は、空間魔法と聖魔法を同時に使っとる」

「!!!!!」


 聖の勇者は気づいたようじゃ。


「分かったか? 魔法も属性によって相性はあるわな。水は火に強いとかな。じゃが、聖魔法を含む特異3属性は特殊で聖魔法には有利な属性も不利な属性も無い。じゃが、聖魔法同士なら打ち消しあうっちゅうのは知っとるじゃろ?」


 ここまで話すと聖の勇者は聖剣を下げた。


「つまり、聖魔法しか使えんおまいにとって、聖魔法と空間魔法で効果をあげたその結界を破ることは出来んわけじゃ。もっとも、爆弾によって生まれた隙がなかったら、そもそも結界に閉じ込めることは出来んかった」

「なるほど、私のどうしようもなく生まれた心の隙をつかれたわけか。まったく卑怯な作戦だ。これも魔王の策か?」


 おいはビクっとした。

 ダイキ様。一発でバレとりますよ。


「だが、それも含め私の修行不足、か……」


 これで、おいの勝ちじゃな。


 ほんと疲れたわ。

 でも、最低限の役割は果たしましたよ。ダイキ様。

「おもしろかった!」、「続きが気になる!」という方は、

下の☆☆☆☆☆を★★★★★に変えて行ってください。


おもしろくなかったという方は、★☆☆☆☆〜★★★★☆でお願いします。


ブックマークや感想もお待ちしています。



非常に励みになりますので、よろしくお願いいたします。



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