第99話 地球人の男って、絶対エルフに免疫ないぞ!!
ここまで読んでくださり、ありがとうございます。
感謝です。
今、確かにアニム王って言ったよな。
ということは転移者か?
あれ?
アニム王だけが転移してきたんじゃなかったっけ?
・・・
あ!
そういえば、他にも転移者が来るかもしれないって言ってような気がする。
タイムラグがあるかもとか・・う~ん、よく思い出せない。
ぼんやりとした記憶だな。
「フレイアさん・・」
「な、なんだ?」
あれ、何かさっきと調子が違うぞ。
「フレイアさんは、いつ転移してきたのですか?」
「あぁ、それは・・つい先ほどだ」
俺が聞くと素直に答えてくれる。
「そうですか・・それなのにいきなり俺を助けてくれたのですね。 ありがとうございます」
俺は頭を下げた。
「い、いや、別に礼などいいのだ」
フレイアに落ち着きがない。
なんだ?
人見知りか?
人の好意に照れたりするタイプなのかな?
まぁ、そんなことはいい。
ただ、ミノタウロスに矢を刺し、しかもピンポイントでの狙撃。
凄くレベル高いんじゃないのか?
そんなフレイアを見ながら俺は言う。
「フレイアさん、少しアニム王と念話してみますが、いいですか?」
「あぁ、構わんよ」
フレイアの了解ももらったので、俺はステータス画面を出しアニム王のところをタッチ。
念話を飛ばした。
『アニム王、テツです』
すぐに返事が来た。
『やぁ、テツ。 どうしたんだい』
『今、お話は大丈夫ですか』
『問題ないよ・・もしかして、フレイアのことかな?』
!
あんたエスパーか、アニム王!
『はい、その通りです』
・・・
アニム王に聞いたところによると、フレイアは本当に1時間くらい前に転移してきたらしい。
やはり、ほとんどスキルが失われた状態だったようだが、アニム王と同じように基本スキルは残っていたという。
念話はアニム王のように、いろんな人に語りかけることのできるものではないそうだ。
ただ、アニム王とのコンタクトだけは取れるようだった。
光の神が全能というか、すべての上位にあり、エルフなどの精霊族は直系属性らしく、エルフからも語りかけることができるという。
フレイアはそれで、アニム王にまずは語りかけたみたいだ。
いろいろと現状を確認するうちに、この星の状態を聞くのならこの星の人間に聞けば早いということで、俺を紹介したそうだ。
アニム王から大体の位置を聞いて、魔素や力の大きさなどを感じつつ、また精霊達の力も借りて俺を探し当てたみたいだ。
おかげで俺は助かったわけだが。
それにしてもアニム王、少し元気になったような感じだ。
同じ転移者と話が出来てうれしかったのかな?
『そうですか。 ありがとうございます、アニム王。 それよりも、アニム王・・本当に疲れてきたら、いつでも来てくださいね』
俺は本気でそう伝える。
『ありがとう、テツ。 また何かあったら念話を飛ばしてくれたまえ』
アニム王はそう言うと念話を切った。
「フレイアさん、お待たせしました」
フレイアに向き直ると、俺は硬直してしまった。
言っておくが、あれじゃないぞ。
フレイアは瓦礫の上に腰かけ、片足を両手で抱えて優しく俺を見つめていた。
このシーンだけでごちそうさまです!
「終わったかな? で、アニムはなんと言ってた?」
「えっと・・フレイアさんがつい先ほど転移してきて、俺に会いに行くように伝えたと言ってました」
俺は聞いたままを伝える。
「その通りだ。 この星のこと・・何にもわからないから。 それに、アニムの推薦もあったしね・・そ、その・・よろしく・・お願い・・する」
最後の方はよく聞こえなかった。
「俺は、そのおかげで助かりました。 ありがとうございます」
「い、いや、だからお礼などはいいと言っている」
フレイアは少し戸惑っているようだ。
その姿は、俺的にはどストライクなんだが。
「フレイアさん・・」
「ん? 何?」
フレイアがやや首を傾けながらこちらを見る。
やめてくれ!
仕草や雰囲気が、あまりにもかわいすぎる!
地球人はエルフに免疫ないぞ、絶対!
「いや、その・・おそらく地球、この星の住人はエルフというのは、見たことないはずです」
いやいや、何言ってるんだ俺!
「そうなのか?」
「はい、それに魔法も存在してませんでした」
フレイアが変な顔で俺を見る。
「いったいどういうことなんだ? テツはエルフを知っているようだったが・・」
俺の言葉に、当然フレイアから突っ込まれた。
いや、それはヲタだから、妄想者だからですよ。
異世界、ラノベ、ゲーム・・う~ん・・。
俺はどう説明したものか、考えていた。
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