第80話 祝福って・・神様ありがとうございます!
ここまで読んでくださり、ありがとうございます。
感謝です。
もう、うるさいくらいに頭の中で鳴り響いた。
俺・・何もしてないのに。
妙な罪悪感を感じるが、ま、いっか。
ボーナス、ボーナス!!
そう、自分に言い聞かせる。
「テツ、その魔石は持って帰るといいよ。 君の御父上が錬金術士だったね。 いい素材になるから、何か作ってもらうといい」
アニム王がそういってくれたので、早速俺もアイテムボックスを使った。
空間にものを入れる感じでスッと手を伸ばしてみる。
ポケットに手を入れる感じだな。
アニム王が教えてくれた。
!!
何もない空間に手が消えている。
マ、マジかよ。
う~ん・・手の先の方はどうなっているんだ?
顔を突っ込んで覗いてみたいな。
俺が余計なことを考えているとアニム王が笑いながら見ていた。
「テツもアイテムボックスを使えるようになったのだね?」
「え、あ、はい。 おかげ様でありがとうございます」
俺はうれしさよりも、驚きでいっぱいだ。
初めて欲しいものをもらった子供のようにはしゃいでいた。
少し反省。
アニム王が使い方などを教えてくれる。
・・・
俺にはお礼の言葉すら浮かばない。
何から何までお世話になりっぱなしだ。
感謝しかないです。
「アニム王、本当にありがとうございます。 何とお礼を言えばよいのやら・・」
俺は思いっきり頭を下げた。
俺一人ではたどり着けなかったんじゃないか、この領域。
今の俺がこんなレベル30を超える魔物の経験値を得られるなんてありえねぇ。
間違いなくチートだ。
優に妬まれるだろうな。
アニム王は微笑みながら答えてくれる。
「いや、気にすることはないよ。 テツのレベルが上がれば、それだけレベルの高い魔物の脅威が減るだろう。 それでいい」
「本当にありがとうございます。 アニム王・・今思ったのですが、以前念話でお話してくれたように、こんなレベルの高い魔物って、そうそうは出現しないのではないですか?」
俺はそんな疑問が湧いていた。
「そうだね、普通は出ないね。 ダンジョン運営を間違えたりすると出現する感じだね。 ただ、私の王国以外の国では、出現したりもしていたようだが・・」
アニム王が片手を顎に当てて答える。
「なるほど、あることにはあるのですね。 でも、そんな魔物・・どうするのです?」
「ふむ。 救援要請がきて、討伐部隊が組まれて討伐だね」
なるほど。
あ、そういえば、俺はまだ自分のレベルを確認してなかった。
俺がソワソワしていたのだろうか。
アニム王はすべてわかったような感じでうなずいて、どうぞと促してくれた。
俺も軽くうなずき、自分のレベルをチェックする。
テツ
レベル:19→34
種族 :人
HP :150/560 +300
MP :80/390 +200
力 :473 +250
防御 :450 +260
敏捷 :652 +350
技能 :378 +200
運 :70 +3
職業 :運び屋10
固有スキル
気配察知10
自動回復10
罠解除1
軽歩行10
忍術10
鑑定8
アイテムボックス10
祝福☆
・・・
う~ん・・わけわからん。
俺はその場で硬直。
何秒くらい経過しただろうか。
完全に放心状態だっただろう。
ありえないくらいステータスが上昇している。
うん、これこそがチートだな。
うれしいのだが、その感情がこみあげてこない。
おそらく衝撃が大きすぎるのだろう。
・・
ん?
運び屋がいきなりカンストしてるぞ。
タッチしてみる。
上位職が表示される。
ただ、下位職や今までの職も選べるようだ。
「トランスポーター」「トレーダー」
それにスキルもほぼカンストしてるな。
アニム王は静かに見守ってくれているようだ。
あれ?
何だこれ、祝福☆って?
俺はステータス画面をみながら、アニム王に尋ねてみた。
「アニム王・・ステータス画面を見ながら失礼します。 スキルに祝福というのがあるのですが、数値ではなく☆印がみえます。 お分かりになりますか」
アニム王の目が1度大きくなって、近寄ってきた。
「本当かね、テツ」
アニム王は笑顔だった。
「はい・・」
「それは良かった。 それは神からの祝福、そのままだよ。 なかなかないのだが・・良かったじゃないか!」
アニム王が俺の背中をポンポンと叩いてくる。
「それほどいいものなのですか?」
「目に見えてわかるものではないが、生き延びる確率が飛躍的に上がるね。 ステータスの運なんかと違って、時には事象が歪んでるんじゃないかと思わされるくらいに良いことが起こったりもするよ。 後は、振り返ってみると明らかに自分の力じゃないと感じることがある。 私もあるからね」
アニム王はそう言いつつ、本当に喜んでくれた。
え?
あんたもあるんかい!
俺は突っ込みそうになった。
神の祝福か。
地球の神様、本当にありがとうございます!!
俺は素直に喜んだ。
最後までお読みいただき、ありがとうございます。
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