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第65話 ヒロキ:テツとの遭遇まで22時間前・・さて、もう一仕事やるか!

ここまで読んでくださり、ありがとうございます。

感謝です。


「それにしてもヒロキはん強すぎまっせ。 見えへん動きしてはるし・・でも、ほんまに助かりました。 そやけど、あの大きな犬・・吠えると相手をスタンさせるんちゃいますか?」

ユウジはそう分析していた。

「スタン?」

ヒロキは不思議そうな顔でユウジを見る。

「はい、スタンっす。 相手の動きを止めてしまうスキルっすよ」

「なるほど・・そうだったのか。 俺は、なんか吠えそうだったし、大きな犬だから耳を塞いでその場にしゃがんだんだ。 それが良かったな」

ユウジの説明を聞きつつ、自分の行動をヒロキは振り返る。

さすがっすとユウジが連呼していた。


「ユウジ、レベルが上がったって言ってたろ? いくつになったんだ? 俺なんて経験値、経験値って、レベル上がってないからな・・」

「えっと・・うわ、すごいっす。 レベル3になってます。 自分、何もしてへんのに・・ヒロキはん、ほんまにありがとうございます」

ユウジから感謝された。

ヒロキは少し心が満たされる感じがした。

どんな形であれ、人から感謝されるのはいいものだ。


「ユウジ、やっぱりレベル上げなきゃダメだよな」

ヒロキは当初の予定通りに支部を潰していこうと考えていた。

また、レベルを上げるだけならもっと簡単な方法があるんじゃないかと、ヒロキは思っていた。

病院へ行って片っ端から経験値を手に入れる。

だが、さすがに気が引けた。

「ヒロキはん、何考えてはるんすか?」

「ユウジ、俺は支部を回って潰していこうと思っているんだが、どう思う?」

ユウジは答えれなかった。

今まであまりにも相手が強大で、逆らうことなど考えもしなかった。

だが、今のヒロキをみてそれも不可能ではないとも思える。

どうせ、まともなやつらじゃない。

自分も偉そうなことは言えないが、やつらほどじゃない。


「・・別に、ええんちゃいますかね?」

ユウジはそれだけを言った。

「そう思うか。 ユウジも協力してくれるよな?」

・・・

ユウジは一瞬迷ったが、ここまで来たらヒロキについていくしかない。

「もちろんすよ」

「そうだ、ユウジ。 下ッパーズの連中はどうする?」

2人とも忘れていた。

電話での連絡は取れない。

どうしたものか考えていたとユウジが言う。

「そうっすねぇ・・あいつら、いつもの場所でいてると思います」

「いつもの場所?」

ヒロキはユウジを見つめる。

「ここって、浜甲子園の近くっすよねぇ・・」

少し歩けば甲子園球場だ。


ヒロキはユウジを背負って4キロ近く走ったことになる。

自分でも無我夢中でわからなかったが、それほどの距離を走れたわけだ。

すさまじい身体能力だなと感心していた。

それほど疲れもない。

「おそらく、朝のこの時間ならチビの家で寝てるんやと思います。 ここからそれほど遠ぅないし、一緒に行きはりますか?」

ユウジが聞く。

「いや、俺は芦屋支部が近くにあるから、そっちへ行ってみるよ」

「ほんまっすか!」

ユウジはそれ以上言葉がでなかったが、ヒロキなら問題ないだろうとも思う。

「ヒロキはんの今の強さなら、人間じゃ勝てやしまへんな」

ユウジがそういうとヒロキが笑う。

それぞれの目的地へ向かって歩き出した。


魔物の出現。

単一魔素の多い地域に現れやすく、その濃度によってレベルが違ってくる。

都市部など、現代社会での人口密度をみれば、災害級な魔物が出ても不思議ではない。

50万人を超える密度が集約されていれば、レベル40を超える魔物が発生する可能性もある。

例えば、東京ドームに5万人と、東京ディズニーランドに5万人では密度が違う。

そして、ある程度薄まってくれば、魔物の強さも弱くなってくる。

基本はそういったシステムが構築されているようだ。


ヒロキは芦屋支部へと近づいて行った。

この辺りはきれいな家がたくさんあるが、壊れている家が多い。

芦屋支部の邸宅が見えてきた。

門が壊れている。

門の前に人が2~3人みえる。

支部前から六甲山方面へと向かって、建物が荒れていた。

どうやら魔物が現れたようだ。

門の前まで来て、ヒロキは一人の男に声をかける。

「どうしたんですか?」

男は怪訝な顔でヒロキを見る。

「あぁん? すまんね、兄ちゃん。 変な動物がいきなり出てきてな・・」

相手の言葉に被せてヒロキは言う。

「あ、すみません。 俺、西宮支部の和田さんの下で働かせてもらっている、ヒロキというものです」

男はヒロキをにらみつけるようにして話す。

「おお、和田んところのもんか。 で、何かあったんか?」

「ええ、和田さんのところも同じように襲撃を受けて、それで俺が様子を見に来たわけです。 お疲れ様です」

ヒロキは軽く頭を下げた。


最後までお読みいただき、ありがとうございます。

これからもよろしくお願いします。

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