第54話 出発に向けての懸念事項
ここまで読んでくださり、ありがとうございます。
感謝です。
また、次のリポップが来るだろう。
今の時間は15時40分。
そうだ!
みんながいる間に、やはりもう1度俺の考えを言っておこう。
お義母さんも一緒に聞いてくれているしな。
「みんな注~目~!」
俺はそう声をかけ話してみた。
・・・
まずは、家族全員の能力を決して他の人に言わないこと。
嫁は大丈夫でしょう・・なんて言ってるが、ご近所さんなど、能力をみんなが獲得してくると面倒なことになったりすると思う。
次に優のレベルを隠したい。
なぜなら、他の連中が優をうまく利用するだろうという、俺の推測だ。
優に手助けしてくれと言って、レベルの高い魔物の止めだけを他の連中が行いレベルを上げる。
ワーウルフはなかなか討伐できないだろうからな。
そして、そのうち自分たちのレベルが上がってきたら、自分たちのルールを強制するようになるだろう。
だから、聞かれたら、みんな自分たちの職を戦士とかありきたりな職を言っておくといいと思う。
ばあちゃんの能力は田原さんにバレてるが、あの人なら大丈夫じゃないかなとも思う。
でも少し不安なので、俺が田原さんには直接言ってみると伝えてみた。
ばあちゃんとじいちゃんは家族みんなの無事だけを心配している。
お義母さんは、なるほどと言って同意傾向だ。
優はわかったような、わからないような、そんな感じだな。
たぶん、人のために動いてそれがどうして不利益になるのか、漠然としかわからないのだろう。
大人なんて汚いものだぞ。
嫁は、まさかそんなことになるかなぁ・・と楽観的だが、おそらくなるだろう。
最悪を想定しておいて悪いことはない。
そして、最後に俺のことだ。
明日の早朝、アニム王に会いに出発しようと思っていると言ってみた。
時間的には、往復4日もかからないと思う。
車より速いからな。
・・
なるほど、驚くような反応はないな。
あ、そう、という感じだ。
俺のほうが驚くぞ。
嫁が魔物の発生などを心配していが、ご近所さんのレベルが上がり出すと、張り切って競争みたいになるだろう。
誰でも自分が優位に立ちたいだろうから。
口では何とでもいえるが、実際、俺や優の動きは見ているんだ。
レベルが上がれば自分も・・という感じになるはずだ。
だから、それほど討伐に力を入れなくても、みんな勝手にやってくれる感じになると思う。
そんなことを言ってみた。
誰も、俺の心配はしないな。
まぁ、そんなものか。
別にいいけどね。
さて、早速だが田原さんのところへ行って来よう。
そろそろリポップの時間だろうし。
田原さんの家に行ってみると、玄関口に田原さんと風吹君がいた。
「あ、田原さん、どうも・・」
俺は、軽くお辞儀をしながら声をかける。
「あぁ、町田さん・・これから行くのですか?」
どうやら討伐に行くと田原さんは思っているらしい。
「いえいえ、田原さんにお願いがありまして・・」
俺がそういうと、田原さんは風吹君に少し離れているようにと指示を出し、距離を取ってくれた。
「どうしたんですか?」
田原さんが聞いてくれる。
「実は、ご近所さんたちがレベルアップに目覚めたようで・・申し訳ないのですが、私の母の能力は口外しないでもらいたいのです」
俺は頭を下げて言った。
・・・
田原さんは、少し返事のタイミングが遅れたが、
「・・ええ、もちろんですよ。 変に利用されたりしたら、大変なことになりますからね。 安心してください」
田原さんは気持ちよく返答してくれる。
この言葉は本当にうれしいな。
「田原さん・・ありがとうございます」
俺は一礼をして帰宅。
田原さんも最悪に近い状況を想像できたのだろう。
ありがたかった。
家に帰ると、優と嫁は討伐に参加しに行ったようだ。
優は当然ワーウルフ担当だろう。
さて、今の間にばあちゃんとじいちゃんにきちんと頼んでおかなきゃ。
颯はハンマーを持って、凛と戦闘ごっこをしている。
お義母さんが遊んでくれている。
俺はばあちゃんに、明日の朝早くに出発すると伝えてみた。
「そうかい、気を付けて行ってきな」
ありがとう。
母さん、言いたいことはいっぱいあるだろうに・・すみません。
じいちゃんは無言でうなずくだけだった。
それが大きく重い・・ありがとう、じいちゃん。
「ばあちゃん・・くれぐれも無理なことはしないように。 それと、じいちゃんにも無理させないでね」
即座に俺の言葉に切り返してばあちゃんが言う。
「お前が一番無理をさせているよ」
ばあちゃんは笑っていた。
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