第52話 じいちゃん、ほんとに何でも打つよな
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感謝です。
お義母さんは、凛と一緒に遊んでくれていた。
留守番兼お守り役か。
じいちゃんが俺の方へ近寄ってきて、できたぞと言う。
刀の鞘だ。
俺は集中して鞘を見る。
!
☆が表示されている。
効果には ??? と表示されてる。
わからない?
なんだそれ?
さっきの指輪は経験値微増ってあったのに、鞘の効果はわからないのか。
しかし、☆があるということは、凄いものなのだろうと思う。
もしかすると、俺のレベルが低いから見えないのか?
まぁいい。
「じいちゃん、鞘に☆が表示されているからとてもいいものだと思う。 ありがとう」
じいちゃんはにっこりと顔をほころばせて、他に何か打つものはないのかと言う。
・・・
それほど疲れてないのか?
☆表示だぞ。
少しじいちゃんを放置して、俺は早速刀を鞘にしまってみた。
!
ぴったりだな。
何て言うのか、そういうじいちゃんのスキルなのだろうか。
凄いとしか思えない。
この鞘・・武士のように左側に吊ろう。
・・・
そうだ!
「じいちゃん。 電気を発電するようなイメージで、箱のようなものを作ってみてもらえる? それにコンセントを差し込むところもあるといいんだが。 その箱に魔石・・魔物の石を入れるんだ。 そうすれば、電力が確保できるってアニム王が言ってたけど、できそう?」
じいちゃんは少し考えていたが、作業場(畳の部屋)へ歩いて行った。
ダメ元だ。
じいちゃん、本当に無理させてます。
すみません、お願いします。
嫁が帰ってきた。
ご機嫌だな。
・・・
いろいろと戦果を話したいらしい。
お義母さんたちを囲んで賑やかになった。
颯はスライムと戯れている。
実験は終わったようだな。
時間は14時20分。
まだリポップまではしばらく時間がある。
・・・
嫁たちの話も終わったようなので、俺は今後の方針を伝えてみた。
まずは、どの家族もそれぞれがレベル5くらいになれば、安心だろうということ。
魔石が取れれば、一か所に集めて置く方法を提案したいということ。
ダンジョンは作れそうもない。
念を押して、じいちゃんとばあちゃんの職は口外しないように言った。
それと懸念も伝える。
家族以外信用するな、と。
何故か?
誰でもレベルが上がってくれば態度が変わるだろう。
お金と同じだ。
多く持てば豹変する。
◇
嫁、お前のことだぞ。
心の声です、はい。
◇
レベルが高くなれば、それに従って面倒なことになるかもしれない。
協力なんてしなくなるんじゃないか?
だから、ある程度距離を置いて付き合ってほしいと言った。
嫁はご機嫌だからか、別に大丈夫じゃない?
いい人たちばっかりだよ~と軽く言う。
俺は首を横に振りながら同じことを言ってみたが、嫁は聞いているのか怪しい。
お義母さんはさすが年の功、よくわかっているようだ。
そして最後に大事なこと。
少し落ち着いてくれば、俺はアニム王に会いに行ってみると伝えた。
ばあちゃんは何も言わなかったが、嫁が少し不安そうに家の安全度が心配だと言っていた。
優がレベル10だし、ご近所さんたちのレベルも上がるだろうから、大丈夫だろうと言ってみた。
俺は少し考えていた。
嫁が主軸なって案内人みたいなことをやっている。
ご近所さんたち・・あまり気分の良いものでもないだろう。
初めはわからないから、チュートリアル程度に追従してきている。
だが、レベルが上がり逆転したらどうなるか。
今度は自分たちのルールを押し付けたり、離れたり・・わからない。
最悪は争いが起こる。
それくらいのことは覚悟していて良いだろうと思う。
ゲームでも自分のレベルが上がってくれば、低いレベルの奴等は足手まといに感じることがある。
家族や友人なら笑って許せることが、他人ならわからない。
人なんてそんなものだと思うが、嫁などは理解しないだろうな。
アニム王の存在だって俺達以外知らないし、情報を漏らせばそのために俺達が縛られると思う。
だが、調子のいい奴らのためにこちらの時間がなくなる。
身を削って、最悪死んだとしてもいい人だったね、で終わりだろう。
・・・・
・・
「おやじさん!!」
優が呼んでいた。
「おやじさん・・疲れてるんじゃないか?」
眠っているように見えたらしい。
「いや、大丈夫だ・・ただ、考え事をしていてな・・」
俺がそういうと、みんな気を使ってくれた(嫁以外はな)ようで話は終わりになった。
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