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第402話 完成型武装ロイドとの対峙

ここまでお読みいただき、ありがとうございます。

感謝です。



<帝都広場>


アサシンの言葉を聞き少し安心したアニム王だが、確実に邪神王の復活は近いのだろう。

だが、どこで復活をさせるのだろうか。

それが知りたいとアニム王は思っていた。


アニム王は少し迷ったが、直球で聞いてみることにした。

「君はその邪神王の復活に立ち会わなくていいのかね?」

「・・私もあなたたちを片づけたら向かう予定です」

アサシンは答える。


なるほど、この帝都で復活というわけでないようだ。

それに、この場所からそれほど離れているわけでもないということか。

そのうちに連絡も入るだろう。

だが、まずはこの目の前の怪物を何とかしなければならない。

そう思いながら、アニム王は口を開く。

「なるほど・・ということは、君は捨て駒というわけですね」

アニム王もこれくらいの辛口はいつでも言える。


アサシンはその言葉を聞き、少しピクッとなったが無視。

「王様、いさぎよく邪神王の糧になるのであれば、痛み無く送って差し上げますが、いかがいたしますか?」

アサシンが話し終えると、アニム王の横を高速で何かが飛んで行った。


ビュン!!


アサシンは思わず左腕で受ける。

ガン!!

受けた直後、自分の左腕がなくなった映像、ウルダの時の戦闘が頭に浮かぶ。

その映像が頭に浮かんだまま、武装ロイドの左手首から先が吹き飛ばされる。


左腕に当たり、突き抜けていく物体はウルダの斧だった。

武装ロイドの左手首を吹き飛ばしてなお、斧は飛んでいき遠くの地上に突き刺さったようだ。

アニム王がゆっくり後ろを振り返ると、ルナが立っていた。

「貴様にやられたウルダの斧だ。 受け取れなかったようだな」

ルナは微笑みつつ、言葉を発していた。


武装ロイドの左手首の部分を黒い霧が覆い、再生していた。

アサシンの手首が飛んだわけではない。

ルナの方を見て言う。

「クックック・・なるほど、サキュバスの飼い主というわけですな。 ですがお分かりと思いますが、あなたでは私は倒せない」

アサシンの言葉を聞きながらルナは無言で見つめている。


ルナもそんなことはわかっている。

だからこそ物理武器の斧を投げつけたのだ。

だが、少し意外だった。

斧が弾かれるのかと思っていると、あの武装ロイドの左手首を吹き飛ばしていた。 

すぐに回復したようだが。

まさかウルダが戦ったわけではあるまいが、全然倒せない敵というわけでもないようだ。

ルナがそう思ったように、アニム王もそう考えていた。

絶望ではない。

とにかく、ダメージは与えれるようだ。

だが、それがどれほど与えれるのかがわからない。

そして、ルナに頼ることもできない。

ルナが戦えば、最悪相手を強化するかもしれない。


この場で戦えるのは、アニム王を含めレアたち数名といったところだろう。

その先行きを考えると気が重くなる。

そして、モタモタしていると本当に邪神王が復活してしまう。

何としても、それだけは阻止しなければいけないと思っていた。

だが、この場を離れるわけにはいかない。

しかし、邪神王に備えて魔力も無駄遣いするわけにはいかない。

アニム王が考えていると、念話が入る。

『王様、お待たせいたしました。 邪神教団の動きですが・・』

アニム王は武装ロイドを見ながら会話している。

『うむ』

『魔素を隠すスキルなのでしょうか、わかりにくく移動しておりましたが、どうやら帝都から西に少し移動した場所に山があるのです。 我々調査団も調べたのですが、魔素がその山へ滝のように流れています。 おそらくその場所が一番怪しいところと思われます。 お急ぎを』

調査団からの念話を聞いていた。

『ご苦労様でした、ありがとう。 引き続き監視をよろしく頼みます。 くれぐれも無理をしないように』

『了解しました』

念話を切り、武装ロイドに向かって歩き出す。


武装ロイドに搭乗しているアサシンがアニム王を見つめる。

「王様、この武装ロイドと戦うおつもりですか? はたしてできますかな?」

アサシンはそういうと、魔力を解放する。

「イリュージョン!」

アサシンの武装ロイドから濃い紫色のような黒色のような影が一気に広がって消える。

騎士団員の中の一人がつぶやいていた。

「・・か、母さん・・」

それに続いて、いろんな言葉があふれてくる。

「・・あれは・・」

「まさか、レア様が・・」

・・・・

・・

どうやら自分の親近者や心にある人などが見えているようだ。

アニム王はレイソードや聖属性の武具で身体を覆っているために影響を受けないでいられたみたいだ。


騎士団員も聖属性の武具は持っているが、攻撃用だけだ。

レアのロイヤルガードたちでさえも揺さぶられていた。

聖属性武具を防具として備えているものは、個人的な趣味のあるもの以外にはいない。

相手の幻影に惑わされていないものは片手で数えるほどもいないだろう。


最後までお読みいただき、ありがとうございます。

これからもよろしくお願いします。

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