第361話 終~了~!
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◇◇
<アニムside>
ワイバーンの部隊が空母上空に迫って来ていた。
俺はそれを確認すると、地上へと降りる。
地上でも、どうやらバジリスクの方が武装ロイドよりも戦闘力が高いようだ。
ただ、凝視などの石化能力は効果がないらしい。
バジリスクと武装ロイドが対峙しているときに、騎士団の連中が斬り込んだりして倒していた。
敵の艦艇群も指揮艦と数えるほどの戦艦が、かろうじて戦える感じだ。
俺はそれを地上から見上げている。
後ろを振り返ると、騎士団の後衛部隊がゆっくりと接近してきていた。
戦闘はどうやらアニム王国側の勝利のようだ。
そんなことを思っていると、中央の戦艦に白旗が上がっていた。
・・・・
アホだろ・・もっと早く出せよ。
俺はそう思いつつ、座れる場所を見つけて腰を下ろす。
そういえば、アニム王の世界でも降伏するときには、白色のわかりやすいマークを提示するとか言っていたな。
しばらくすると、フレイアが俺を見つけてやってくる。
「テツ、お疲れ様」
「フレイアこそ、お疲れ様」
俺の横に座り、無言で状況を眺めていた。
俺たちは傷ついてはいない。
だが、騎士団の連中は負傷者を飛行船に運んだり、敵の事情聴取をしたりと忙しそうに動いていた。
俺たちは特に何もすることがない。
フレイアにお茶を出し、2人でゆっくりと飲んでいた。
・・・・・
・・・
結構な時間が経過しただろうか。
ワイバーンが空母甲板を出たり入ったりしている。
俺はそれを下から眺めていた。
・・・・・
・・
どうやら、この戦いは終わったようだ。
しばらくすると、空母からワイバーンに乗って降りてくる人がいる。
地上へ到着し、ワイバーンから降りてこちらに近づいて来た。
スバーハだ。
時間は18時前。
「テツ殿、フレイア殿、ありがとうございました。 どうにかこちらの勝利です」
スバーハが汚れた顔のままニコニコしていた。
「隊長、お疲れ様でした」
俺はそれくらいしか声をかけれない。
「いえ、お二人のおかげでこちらの被害が少なく済みました。 後は生き残りの者から情報をいろいろ引き出しているところです」
スバーハが教えてくれる。
・・・・
俺は一瞬心臓が痛くなった。
初めに俺が撃ったフレア・・全滅だったよな。
そうか、情報が必要だ。
戦えばいいってもんじゃない。
「隊長・・」
俺はスバーハに目を合わせずにつぶやく。
「どうかされましたか、テツ殿?」
「隊長、すみません。 私が攻撃したばかりに敵を消滅させてしまいました。 敵の情報が必要ですよね・・」
俺はそういいながらも言葉がない。
「テツ殿、お気になさらずに。 最初に攻撃してくださったおかげで、こちらの被害が少なくて済んだのですから。 それに生き残りがおりますから問題ありません」
むしろスバーハが労ってくれる。
そんな中、スバーハのところに駆け寄って来る団員がいた。
「隊長、残存兵の中に邪神教団の連中が混じっていました」
「何!! それは本当か?」
スバーハは驚いている。
「はい。 ただ、尋問をしようとすると自殺を図り、情報を得られませんでしたが・・」
隊員は悔しそうな顔をスバーハに向けていた。
どうやら、審議官を連れて尋問をしていたようだ。
地球人の方は素直に従ったという。
「そうか・・仕方ない。 ご苦労だったな。 残った捕虜の移送準備と負傷者の手当てを頼む」
「ハッ!」
隊員は疲れているだろうに、そんな素振りも見せずにスバーハの前から去っていった。
スバーハがこちらを向く。
「テツ殿、フレイア殿、私も後の処理をしてきます。 また一段落つきましたらご連絡いたします」
そういうと、敬礼をして隊員の後を追っていく。
俺とフレイアは顔を見合わせて前を向く。
俺たちにすることはない。
俺はその場で空を見上げる。
フレイアも横に座ってくれている。
「終わってみると何だかなぁ・・」
俺は空を見ながらつぶやく。
フレイアは横で静かに俺を見ている。
「ん? どうしたんだ、フレイア」
「ううん。 何か変な感じだなって思って・・」
そういうと空を見上げていた。
「テツって、この星の人でしょ? それが自分の世界よりも私たちの世界のために・・違うわね。 私たちと協力して戦っている。 不思議ね・・」
「う~ん・・俺的には自分の居心地のいい方を選んでいるだけなんだよな、たぶん。 自分でもわかっている、自分が一番大事なんだ。 その自分の住んでいる環境を脅かされたら、相手が誰であろうと戦うよ。 それに今はその手段がある。 だからさ、単純な理由だよ」
フレイアは俺を見て微笑んでいた。
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