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第332話 学校到着

ここまでお読みいただき、ありがとうございます。

感謝です。



時間は7時10分。

学校の校門だろう、門は開かれている。

校門を通過すると、透明の膜を通過したような感覚を感じた。

!!

神殿を通過した時と同じだ。


俺は少し驚きつつも、セキュリティ上当然かもと思った。

校舎へ向かって歩いて行く。

立派な校舎だなと感心。

淡路島の明石海峡公園にある百段苑が頭に浮かんだ。

緩やかな斜面を利用していろんな教室だろうか、部屋がいくつも見える。

それらを通路でつないで連絡しているようだ。

どの部屋にも陽の光が当たるようになっている。

斜面にただ立地しているのではなく、大きく半円を作っているようだ。

下の方に来るほど施設は大きくなってきている感じがする。

こんなところで学べるのなら、最高だろうな。


そんなことを思いつつ、ひときわ大きな施設に向かって歩いて行く。

受付があるようだ。 

人がいる。

受付の人がこちらに気づいて、声をかけてくれた。

「おはようございます。 当学園に何か御用でしょうか? 始まるまでは後少しお待ちいただく感じになりますが・・」

礼儀正しく対応してくれた。

登校時間は7時30分からだそうだ。

後、10分くらいあるな。

でも、校門開いてたぞ。

そんなことが頭に浮かんだが、俺も挨拶を返す。

「おはようございます。 授業を受けるわけではないのですが、見学を希望して・・」

俺は段々と声が小さくなっていった。

こちらが時間を守らないのがいけないからな。


受付の人は嫌がるでもなく、

「そうですか。 お越しいただきありがとうございます。 では、こちらの応接室で時間までお待ちくださいますか? それからライセンスカードをお持ちでしたら提示をお願いいたします」

そう言われるので、俺はライセンスカードを出した。

受付の人はカードを受け取ると、パネルに乗せて見ていた。

ギルドにあるものと同じようなものだ。

少しして、気まずそうな顔をこちらに向ける。

「・・テツ様。 ランクAなのですね。 失礼ですが、この学園で学ぶべきものはないかと、私が勝手に推測しますが。 いえ、私が判断するものではありませんでした。 申し訳ありません」

受付の人は恐縮している。

「いえいえ、私も基本を学びたいなと思い見学してみようと伺ったのです」

俺がそう答えると、こちらをジッと見る。

「そうですか。 間もなく学園長が来られると思うのですが・・」

受付の人はやや呆れた顔で話していた。

ドアが開いて一人の年配の人が入って来る。


俺達は一緒にドアの方を向く。

「あ、おはようございます、学園長」

受付の人が慌てて挨拶していた。

「おはようございます。 おや、そちらの方はテツさんじゃありませんか?」

!!

俺は驚いた。

学園長の顔を見るのは初めてだ。

だが、向こうは知っているようだ。


「あの・・学園長、なぜ私をご存知なのですか」

俺は聞いてみた。

「あぁ、これは驚かせてしまいましたか。 王宮の会議などで出席した時に、テツさんがよくおられましたし、何度か私とも通路ですれ違っていますよ」

学園長がそう話してくれる。

「そうだったのですか。 こちらこそ気づかずに申し訳ありません」

俺は自分のいい加減さが少し恥ずかしかった。


「それで、今日はどうのようなご用件でここへいらしたのでしょうか?」

学園長がニコニコしながら聞いてくる。

受付の人が事情を説明していた。

・・・・

・・

「ふむ、なるほど。 間もなく生徒の皆さんが登校されますが、授業が始まるまで少し時間がありますので、テツさんの素養でも測られてはいかがですかな? もう他の教官たちも来ているでしょう」

学園長は気軽に声をかけてくれた。

受付の人も学園長の言葉に同意してくれる。


学園長が受付の人に指示を出して、受付の人が案内してくれた。

通路を過ぎて、奥の部屋へと連れて行ってくれる。

部屋の扉を開け、中の人に少し説明すると、受付の人は元のところへと戻って行った。


部屋の中はどうやら職員室のようだった。

一人の女の人が近寄って来る。

「おはようございます、テツ殿」

「お、おはようございます」

俺も慌てて返事をする。

考えてみれば、朝の忙しい時間に俺が勝手にお邪魔して業務を妨害してるよな。

ん? 

それよりも俺の名前を知っているぞ、誰だ?

今日はよく俺を知っている人に出会う気がするな。

そんなことを考えていた。


最後までお読みいただき、ありがとうございます。

これからもよろしくお願いします。

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