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第321話 尾行者がいるが・・マジか? レベル28もあるじゃないか!

ここまでお読みいただき、ありがとうございます。

感謝です。



時間は15時30分を少し過ぎている。

シュナイダーが横を向きスッと手を挙げると、扉が開いて女の人が入ってくる。

「テツさんたちをお送りしてくれ」

女の人が軽く頭を下げ、俺の方へ近寄って来る。


「テツさん、ココさん、ご休憩中のお時間をいただいきありがとうございました。 もしよろしければ、後で我々の運営側の人たちをご紹介したいと思いますがどうでしょうか」

シュナイダーが誘ってくれる。 

断ってはダメだろう。

それにどんな連中なのかという興味もある。

「ありがとうございます。 それでは、遠慮なくお願いします。 後、シュナイダーさん、それまで街を散策しても問題ないですか?」

俺はそう答え、聞いてみた。

「それはもちろんですよ。 何の問題もありません」

シュナイダーは満面の笑みで答える。

「そうですか、ありがとうございます」

俺は頭を下げ、女の人に連れられて部屋を出た。


扉が閉まると、シュナイダーが顔を横に向ける。

奥の扉から、一人の男が音もなくシュナイダーの横に立った。

「あの男を監視しろ」

シュナイダーがそういうと知らない間に男は消えていた。


しかし、あのテツという男。

日本人の特徴として、何でも笑って答えないのかと思ったらそうでもない。

何か、言えない重要な情報を持っている感じがする。

それに、私だけが外の人間との接触を独占していると思われると、他の連中との連携ができなくなる。

後で紹介することができて一安心だな。

ただ、あの武器・・いったいなんなんだ?

・・・

欲しい、その情報が。

シュナイダーは頭の中でいろいろ考えを巡らせていた。


<テツたち>


女の人に建物の外へ案内され、夕方17時過ぎにまた呼びに来ると言われた。

俺もうなずいて街の散策にでかける。

俺は歩きながらココに念話で聞いてみた。

『ココ、どうだった? あのおっさん』

『そうね・・不思議と嘘は言ってないみたいなのよ』

!!

『本当か?』

俺は驚いた。

審議官が嘘をついていないということは、そうなのだろう。

だが、信用できるかと言ったらできない。

何なのだろう、あのシュナイダーという男は・・わからないな。

考えてもわからないことは放置だ。


さて、街を歩いていると、にぎやかというのではないが、人が動いているのは目にする。

異世界人とか地球人とかは、見た目ではあまり区別できない。

ただ、行動を見ていると、違うなとはわかる。


俺の後ろから誰かがついてきているようだが、知らない振りをしておこう。

『ココ、俺たちの後ろに尾行者がいる。 変に気を使わないように』

ココに念話を飛ばして、一応教えておく。

ココは俺が不意に念話を飛ばしても、取り乱すことなく対処してくれる。

仕事ができるなんだと俺は感心した。


少し注意して頭の中でのマップを確認してみる。

・・・

俺の後ろ、30メートルくらいだろうか尾行者は。

レベルは・・。

!!

マジか! 

レベル28もあるじゃないか。

個人でこの短期間にそこまで上げるなんて相当なものだろう。

いったい何をしたらそこまで上がるのだろうか?

いや、まともなことはしてはいまい。

俺は頭を振り、とにかく街を見て回ろうと思った。

・・・・

・・

歩いていて退屈だ。

何と言うか、活気が少ない。

それなりに人は行き交っている。

だが、帝都のようなにぎわいはない。

それとも、そういうものを望んでいない人たちが集まっているのだろうか。

なんというか、神殿を歩いている感じだ。

物静かというか、不気味というか。


俺はしばらく歩いてみたが、特に得るものもないので案内してくれた宿舎に帰っていった。

尾行していた奴は、同じ距離を保ちつつずっとついて来ていた。

すごい技術だな・・バレバレだけど。

宿泊施設に入って、ベッドに横になる。

時間は17時前になっている。

後少ししたら、迎えに来るとか言っていたな。

そう思って、生活魔法で身体をきれいにした。

ココにも魔法をかける。


俺の部屋のドアがノックされる。

「はーい」

俺は起き上がってドアのところへ行き、ゆっくりとドアを開けた。

「テツ様、お迎えに上がりました」

女の人は笑顔で言う。

時間は17時15分だ。


俺も軽く会釈をして女の人について行く。

「テツ様、ココ様、この街はお気に召しましたか?」

女の人が聞いてきた。

「えぇ、とても静かな街ですね。 そういう印象を受けました」

俺は微笑みながら答える。

気に入ったかといえば、ノーだ。

だが、そんなことは言えない。

俺でもそれくらいの常識は持っている。

「そうですか」

女の人はそう答えると、後は特に会話もすることなく、お尻をフリフリ俺の前を歩いて行く。

俺もチラッと見たが、どうでもいい。

『ギルティ』

すかさず、ココから念話が飛んでくる。

あのね、ココさん。


最後までお読みいただき、ありがとうございます。

これからもよろしくお願いします。

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